「やっぱり『CD』にこだわっていきたい」…「配信」リリースが増える今、スキマスイッチが「CD」にこだわり続ける理由とは?

恵俊彰がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「東京海上日動 presents Challenge Stories~人生は、挑戦であふれている~」(毎週土曜 15:30~15:55)。11月13日(土)、20日(土)放送のゲストは、音楽ユニット・スキマスイッチの大橋卓弥さんと常田真太郎さん。この記事では、11月13日(土)放送の模様を紹介します。

左から、大橋卓弥さん、恵俊彰、常田真太郎さん

◆「CD」をリリースすることの意義

恵:11月24日(水)にアルバム『Hot Milk』と『Bitter Coffee』を2枚同時リリースされます。2枚組ではなく、なぜ2枚同時リリースという形態なんですか?

大橋:最近は(配信リリースのみで)CDをリリースしないアーティストも増えてきたと思うんですけど、僕たちはやっぱりCDにこだわってやっていきたいなと。

恵:今は「もうダウンロードだけでいい」というアーティストもいると?

常田:はい。そっちのほうが手軽なので。

恵:ぶっちゃけ、そっちのほうが(制作に)お金がかからないというのもあるんですか?

大橋:確かにそうですよね。データなので、もの(パッケージ)をつくる費用はかからないですから。

恵:それだけ時代が一気に変わったということですね。そういうなかで、スキマスイッチのお2人は、あくまでもCDにこだわると。

大橋:そうですね。もちろん配信でもリリースしますけど、やっぱりCDというものを手に取ってもらいたいですね。

恵:もはや、それは挑戦の域ですか?

大橋:そうかもしれないですね。CDプレーヤーを持っていない若い人たちもたくさんいると思いますから。

常田:所有する感覚を知ってもらいたい。僕はCDと配信の両方があったら、いまだにCDを買うので。(手に取って)クレジットを見て、歌詞カードを見て(音楽を聴く)。

恵:それはもう挑戦の域ということなんでしょうね。

大橋:これから先、どんどんそうなっていくでしょうね。今はCDの時代じゃないけど、あえて複数枚出すことによって僕たちなりの表現の仕方というか、面白いんじゃないかという話は出ていました。

恵:(CDを)1枚出すのと、複数枚出すのとでは違うんですか?

常田:はい、曲数的にも多くなります。「たくさんの曲を届けたい」っていう思いの反面、(一度に)たくさん届けすぎると、1曲1曲が軽くなってしまわないか……っていう心配もあったので、曲数はかなり精査しました。

恵:今回、『Hot Milk』『Bitter Coffee』はどちらも7曲収録ですね。

大橋:『Hot Milk』のほうは、今求められているものに対して僕たちが応えて作った曲が入っています。CMやテレビ番組のオープニングで聴いたことがあるような、手に取りやすいのが『Hot Milk』です。いわゆるタイアップ盤のような。まずは『Hot Milk』から入ってもらって、「面白いな」と思ってくれたら『Bitter Coffee』を聴いてもらえたら。手頃な曲数を考えて7曲にしました。

◆コロナ禍で自分のために書いた曲「あけたら」

恵:2年近くコロナ禍が続いていますが、日常に変化はありました?

大橋:はい。急にすべてがストップしてしまって……現場もなくなるので、時間が増えていくんですよね。時間がいっぱいあるので「曲を書こう」と思ったんですけど、いざ曲を書こうとしても、あまり気分が乗らなくて。テレビをつけると、「今日の新規感染者は何人です」って、いつも同じニュースが流れていて。

(コロナ関連のニュースを見聞きしても)最初は、「ちゃんと(普段通りの)自分のままでいなきゃ……」って思っていたんですけど、曲を書こうとすると、なぜかそこに向かって行けない自分がいて。しばらく曲が書けなかったんです。

でも、こうしてアーティストとして活動させてもらっているのだから、そのときの自分を記録しておきたいなと思って。それで1曲を絞り出して書きました。それが『Bitter Coffee』の7曲目に収録されている「あけたら」です。

恵:あけたら……コロナが“明けたら”?

大橋:この曲は本当に絞り出しました。今はこういう状況ですので、「僕の音楽でみなさんに勇気を与えたい」という気持ちはまったくなくて、自分のために書いたような曲です。

この曲ができあがって、シンタくん(常田さんの愛称)と会える日があったんです。この曲は、僕の個人的な感情を書き綴ってしまったので、まとまりきっていない文章をシンタくんが「こんな感じでまとめてみたらどう?」って提案してくれて。「いいかもしれない」と思って、書き直してブラッシュアップしていったんです。

だから「あけたら」という曲だけはちょっと特殊で、大橋卓弥を常田真太郎がプロデュースしたような、そんな曲になりましたね。

恵:へぇ~!

大橋:「あけたら」を書いたら、すごく気持ちが楽になったんですよ。自分のなかに溜まっていた感情を吐き出せたような気がして。そのときに気づいたのは、「不安」「つらい」などの感情が自分のなかに溜まっていたのかなって思っていたんですけど、たぶん一番大きかったのは「怒り」のようなものだったと思うんですね。

恵:はい。

大橋:でもそれは、どこかにぶつける「怒り」でもなく……コロナは正体のないものというか、(それに対して、「怒り」の感情を言葉にして)言えるわけもなく。そういう憤りのようなものを吐き出せたことが、自分のなかではすごく大きかったかなと思います。

恵:当たり前の日常が奪われたわけですもんね。常田さんはいかがでした?

常田:性分として、できないことよりもできることを探していることのほうが多くて。だから今回のコロナ禍でも、いろいろと制約されるなかで「なにができるかな?」って(考えました)。

怖かったのは、音楽の仕事のことを考えなくてもよくなるときがあるんですよね。そんな毎日に慣れるのは危険だなと思って。緊急事態宣言が明けて仕事が始まるときに、(コロナ禍前の感覚を)忘れないためにも毎日、仕事場に曲を作りに行きました。半ば無理矢理にそこに逃げ込んだというか。

恵:こういうときだからこそ、ペースやルーティンを作るというか。

常田:できないことばかりだと、本当に気が滅入ってきますので。それよりも、なんとなくできることを考えるほうが(精神的にも良いかなと)。

恵:12月には日本武道館公演がありますし、来年2月にはツアーもスタートします。

大橋:その頃に、どれだけ(日常が)戻っているか。すごく怖いのは、また(新型コロナウイルスの新規感染者数が)増えてしまって、開催延期や中止せざるを得ない状況にならないといいなって。それを考えると準備ができなくなってしまうので、あまり考えないようにしようと思っています。

次回11月20日(土)の放送も、引き続きスキマスイッチの2人が登場。今年5月にスタートしたYouTube番組「スキマスイッチのこのヘンまでやってみよう」のこと、12月22日(水)に開催される日本武道館公演「スキマスイッチ“Soundtrack”」への意気込みなどが聴けるかも……!?

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聴取期限 2021年11月21日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>

番組名:東京海上日動 presents Challenge Stories~人生は、挑戦であふれている~

放送日時:毎週土曜 15:30~15:55

パーソナリティ:恵俊彰

番組Webサイト:https://tfm.co.jp/challenge/

2021/11/19 6:00

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