ラブラブだったのになぜ?突然振られて、悲しみと怒りがこみ上げてくる/ものすごい愛

by Ashley Byrd

親愛なるAM読者のみなさま、ごきげんよう。ものすごい愛です。

わたしの暮らす札幌では最低気温が一桁台になり、暖房なしでの生活が厳しい季節に突入しました。
ねぇ、灯油高すぎない??!??!?
ガス代の請求書の金額を見て、思わず大きな声を上げてしまいました。
少しでも節約を……と思い、夜はあったたかいお茶を大量に沸かしてガブガブ飲んで暖を取っているのですが、結果的に夜中に尿意で何度も起きて体を冷やす羽目に。
誰か……愚かなわたしにおすすめの節約方法を教えてくれ……!

前回の記事では、嘘や隠し事を繰り返している彼のことを心から信用できず、そんな自分にもモヤモヤしている女性からの相談でした。
お付き合いするうえでお互いへの信用は無視できるものではありませんが、だからといって“信用”という言葉に飲み込まれてしまうのは本末転倒。
相談者の方には、ある程度の強い心を持って、自分基準の大事なポイントを押さえているかに注目していただけたらと思います。

いつもどおり仲良しだったのに…その2日後に突然別れを

【相談】 最近失恋しました。8ヶ月ほど遠距離だったのですが、彼が進学のため、わたしの住む県に引っ越してきました。荷解きをしたり、一緒に出かけたり普段と変わらず過ごしていました。その2日後、いきなり別れを告げられました。あまりに突然だったので、驚きました。理由を聞くと、自分に甘えたくないとのことでした。彼は学んでいる専門分野でトップアーティストを目指している人なので、そもそも一般的な考え方とはかけ離れているのかもしれません。しかし、2日前は本当にいつも通り過ごしていたし、わたしの誕生日プレゼントも用意してくれていました。好きだよと言ってくれたり抱きしめてくれたりしました。なので、余計信じられず、悲しかったです。 この一連の流れを友達や信頼している大人に話したところ、その対応は不誠実ではないかと怒ってくれました。その途端悲しみよりも怒りが湧き出てそれを相手にぶつけました。そのことに後悔はありません。 2日前は愛情を伝えてくれていたのにも関わらず、あまりにも突然だったこと、LINEで済まそうとしたこと、電話して話したときにいつもは名前呼びだったのに'君'と呼ばれたことなど、わたしに対してあまりにも失礼だし、彼がとてもズルく、汚く、許せない気持ちでいっぱいです。周りからはそんな人と別れて正解だと言ってもらい安心しましたが、ものすごい愛さんにはわたしと友達だと思って、彼の対応をどう思うのかお聞きしたいです。また、そんな彼の幸せや夢の成功を全く願うことができないわたしは最低な人間だと思いますか。答えていただければ幸いです(23歳女性)。


「わたしがあなたの友達だったら彼の対応をどう思うか」とのことですが、わたしは友達が恋人に振られたときは基本的に一緒になってボロクソに言うタイプでして。
もちろん誰彼構わずそういった対応をしているわけではなく、その友達に浮気がバレたなどの非が明らかになく、友達自身が「ちょっと聞いてよ! サイテーじゃない?!」というテンションで話し始めた場合。
だから、今回わたしがあなたの友達という立場なら「は? なにそれ! 超サイテーじゃん!」「クソクソクソ野郎かよ」「もし別れたいならさーもっと早めからそういう空気を出しておいてほしいよね」「2日前までいつも通りだったとかマジで意味わかんない。なんなのその変わり身の早さはって感じ」「彼女を大事にできない人間ごときがトップアーティストになれると思うなよ!」「いやーもう別れて正解! そんな不誠実なやつとズルズル付き合って時間の無駄にならなくてよかったよ!」なんてセリフを何杯目かのレモンサワーを片手に言っていたでしょう。

ただ、こういった共感や同調は信頼し合っている友達だから成立するコミュニケーションで、さすがに「これでお悩み解決ですね! 終了!」と結論付けてしまってはこのコラムは成立しないわけです。
ちょっと意地悪な言い方になってしまいますが、「元彼はこんなに最低な人だったんです!どうぞ悪口をお願いします!」なんて空気を出されてもね、素直に乗っかれませんよ~。

共感と同調だけでは終われない

さて、わたしがどうして別れた男の悪口を一緒になって言うのかというと、ほんとうにそう思ったからで言葉に嘘はありませんが、ある程度はそれを求められているんだなと空気を読んでいるから。
振られてすぐはかなしみが大爆発を起こしていますし、本人はきっと冷静ではいられないですよね。いくら「うーん、あなたにもこういう悪い部分はあったんじゃない?」と客観的立場から感じ取った正論をぶつけたところで頭には入らずただ耳を通過するだけ。はっきり言って野暮です、野暮。
もちろん、友達に一切の非がなく、相手がクソクソサイテー野郎の場合は、空気を読むまでもなく「最悪じゃん! ぶん殴ろ!」とヒートアップしますが……。
悪口を言わないまでも、「そっかぁ、つらかったね……」と寄り添いますし、「いいよ! 今日はとことん泣きな!」と明るく受け止めるでしょう。

自分の過去を振り返ってみると、失恋したときって世界が滅亡するんじゃないかっていうくらいつらかったんです。だから、友達にはやさしく慰めてほしいし、「よく頑張ったね」って褒めてほしいし、一緒に元彼の悪口を言ってほしい。
とにかくやさしくしてくれ! 頼む! 今日だけ甘やかしてくれ! 正論やアドバイスはもうちょっと回復してから聞くから今だけ許して! と、わがまま放題だったなぁと。

一応、この連載はわたしが相談者さんの友達だったらというスタンスでやらせていただいているため、あなたの相談には何もおかしい部分はなく、冒頭にお話ししたことが回答の全てになってしまうのかもしれません。
でも、わたしは勇気を出して相談文を送ってくださった相談者の方をズバズバぶった切って、読んでくださる人たちがスカッとするようなエンタメ性の高い連載を目指しているわけではないのです。
命や尊厳が脅かされているケースを除き、あくまでも「客観的にみるとこういう選択肢もあるんだよ」「こっちだとこういう可能性もあるよね」と冷静に整理して、「最後に決めるのはあなたから勇気を出してね」「でも自分を大事にして無理はしないでね」と背中を押すお手伝いに留めようと意識しています。
だから、共感と同調だけでは終われないということを理解していただければと思います。

悲しみが怒りに変わっても、事実は変わらない

さて、あなたは友達や信頼できる大人に彼と別れた経緯を話して「つらかったね。ひどい彼だね。別れて正解だよ」と言ってもらったんですよね。そして、それで湧き上がった怒りを彼にぶつけることもした。
となると、そのあとはあなたが自分の中で感情を無理矢理に消化するなり、彼のことを思い出す時間を少しずつ減らすために他のことに没頭するなり、回復の段階を踏んで徐々に楽になっていくものだと思うのです。
でも、あなたの相談文からは相当な怒りを感じますし、それが持続している様子からも「絶対にこの怒りを風化させてなるものか」と意識的に保たせているように感じました。
彼に対する「ずるく、汚く、許せない」という言葉が、それをよく表しているのではないでしょうか。

たしかに、ひどい彼だったと思います。
先にもお話ししましたが、ずいぶんな変わり身の早さだな。と。
わたしだったら、え? 2日前までいつも通りラブラブだったよね? あのときすでに「別れたいなー」と思って過ごしていたわけ? 頭イカれてるんか? と思ってしまうでしょう。
さらに、あなたは別れ方にも納得していないようです。
わたしが読み取るに、「別れるにしてもLINEで済ますんじゃなくて、せめて直接会って話してほしかった」「最後まで誠実であってほしかった」ということなのかな、と。
そんな対応をされたら、おいコラ! 別れるんだったらせめて引き際は筋を通せや! と言ってやりたくもなりますよね。

一度冷静に自分の感情の変化を振り返ってみてほしいのですが、最初は振られたことに対するかなしみやショックが大きかったはずです。
きっと「こんなに彼のことが好きなのに」「いつも仲良しだったのにどうして」「ずっと遠距離だったのを耐えてようやく気軽に会える距離になれたのに」といった感情が渦巻いたと思います。
その後、経緯を聞いた周囲の人たちが「彼ってずいぶん不誠実だね」と憤慨したのをきっかけに、怒りに火がついてかなしみを上回ったのではないでしょうか。

あなたの大きなかなしみも、そしてそれが怒りに変化して収まらないのも、よくわかります。
でもね、別れるまでの経緯や別れる方法がどんなものであれ、別れた事実は変わらないのです。

もしも、彼が3か月前くらいから妙にそっけない態度で、誕生日プレゼントも当たり前のようにくれなくて、直接会って別れ話をされていたとしたら、あなたはどう感じたでしょうか。
かなしみは同じように生まれたかもしれませんが、今抱いているような怒りはまったくなく、すんなり納得できていたでしょうか。
理由もわからず3か月前からズルズル付き合っていたら「別れたいと思っていたのなら、どうしてもっと早く言ってくれなかったの? 不安に思う時間が長いだけじゃない」と裏切られたと感じていたかもしれません。
誕生日プレゼントをもらえなかったら「ハナから別れるつもりだったからお金の無駄だと思ってたんでしょ」と彼のケチくささに幻滅していたかもしれません。
直接会って別れ話をされたら「顔を見てそんなこと言われたら離れがたいじゃん……電話で済ませてくれればよかったのに」と対応に不満を抱いたかもしれません。
今回ほどではないにしろ、彼に対する怒りがゼロだなんてあり得ないでしょう。
きっと、彼の対応がどういったものであれ、あなたは怒れるポイントを見つけてしまっていたはずです。
急激なスピードで大きなかなしみや怒りに支配されると、誰だって自分に都合のよい理由づけをして解釈してしまうもの。それがダメだと否定しているわけではなく、“そういうもの”だから仕方がないと受け止めつつ、過剰にならないようセーブする心掛けは必要だと思います。

彼のやり方を擁護するつもりはさらさらありません。
でも、もしかしたら彼は「自分の勝手なワガママだから……」と別れるときに自分が悪者になることで、あなたが長く引きずらないようにと配慮をしたつもりだった可能性も考えられますよね。
まあ、たとえそうだとして彼のエゴでしかないと個人的には感じますし、これはこれで「しゃらくせぇ! なーにかっこつけてんだ! 悪者になってあげた自分に酔ってんじゃねぇよ!」と新たな怒りポイントに発展しそうになりますが、心から納得のできる綺麗な別れ方というのはほんとうに稀だということを知っておいてほしいと思います。

一連の出来事を失恋の醍醐味にする

別れたという事実はあなたの生活に大きな影響を与えたでしょうから、それに伴って負の感情が生まれるのは当然のこと。
彼に対する意見も、真っ当だと思います。
ですが、そればかりに支配されるのは得策とは言えません。

彼に振られたとき、かなしかったし腹も立ったんですよね。
きっと負の感情が大きく揺れ動き、とてもつらい日々だったのでしょう。眠れない夜も、泣き腫らして外に出たくなかった朝も、あったかもしれません。
そんなあなたを心配した友達や信頼のできる大人が親身に話を聞いてくれて、一緒になって怒ってもくれた。
そして、あなたなりにケリをつけるため、別れた彼に思いの丈をぶつけた。

これでもう、一連の出来事を失恋の醍醐味として全て経験したということです。
彼が未だに連絡を寄越してきたりしているのであればまた話は変わってきますが、そうでないのならもう終わった恋愛として受け止める段階にいるはず。
深く傷ついたようですから力ずくで忘れる努力をする必要はありませんが、だからといって無理に怒りを持続させようとしないほうがと思います。
彼への怒りや憎しみを言葉に出す機会が多ければ多いほど、失恋の亡霊に取りつかれて長引いてしまいますから。
いつか「昔こんなクソみたいな男と付き合っててさ~」なんて笑い話ができるまで、日にち薬の効果に期待して待つことをおすすめします。

許さなくていい。でもひとつの区切りにしよう

あなたの「彼の幸せや成功を願えないわたしは最低な人間だと思いますか?」と質問の裏側には、「そんなことないよ。それだけの仕打ちを受けたんだから正当だよ。あなたは最低じゃないよ」と言ってほしいという真意が隠されているのかもしれませんが、わたしの答えとしては「最低だろうが最低じゃなかろうが、願えないもんは願えないんだから仕方ないんじゃない?」です。
どう頑張ったって彼の幸せや夢の成功を願えないのだから、無理に願わなくてもいいのではないでしょうか。
だからといって、彼の不幸や夢の失敗を願う必要はないと思います。

幸せや成功を願わない=不幸や失敗を願う、という図式は成立しませんからね。

基本的に、わたしは別れた恋人に対して「わたしの知らないところでどうぞ勝手に幸せになってください」という思いを持っています。
その人とどれくらい付き合ってどんな別れ方をしたにせよ、別れた事実は同じですし、今後一切自分の人生に関わることのない存在ですから、心底どうでもいいのです。
相手の不幸を長く願うほど興味がないというのが、正しい表現かもしれません。

夫の前にお付き合いしていた人とは、交際期間が4年半で結婚の約束もしていました。
ところが、ある日突然音信不通になり、数か月後に蒸発していたことがわかったため、あなたと同じように戸惑い→かなしみ→怒りへと感情が変化していったのを今でも覚えています。感情のほとんどを怒りが占めたときは、「孤独なまま長生きしろ!!!!!」なんてひどいことを願っていたんです。
でも、そんな憎しみも一過性のもの。しばらくすれば完全に関心はなくなりました。
どうでもいい人間にエネルギーを注ぎ続けるほど、わたしは暇じゃないしな、と。

あなたの場合、おそらく別れてからそれほど年月も経っていないようですから、まだまだ感情は忙しく出来事が風化したとは言えないでしょう。だから、そんな状況で彼の幸せを願う努力をする必要はないですし、そんな自分は客観的にどう見えるかなんて気にしなくていいと思います。
ただ、「幸せや成功を願ってやるもんか」と躍起にはならないでくださいね。
そうすることで、きっと日にち薬の効き目にも時間がかかってしまうでしょう。
今後のあなたの人生にいい影響を与えてくれない人間に心を砕くなんてもったいないですから。

大丈夫。彼のことを憎まなくてもいいと思える日、笑い話として友達に披露できる日は、いつか必ずやって来ます。
つらいときほど、共感や同調を求めたい気持ちはよくわかります。
でも、それらは一時的な対症療法に過ぎない場合が多いですから、いつまでも求めて与えられるものに縋らないほうがいい。
共感と同調はたしかに救いになりますが、そればかりでは今のあなたは前に進めないままではないでしょうか。

彼を許せとは言いません。許せないものは許せない、それでいいのです。
あなたには、「許せない人間がいる」という事実のみを受け入れ、今回の相談をひとつの区切りとして一旦幕を引いてほしいと思います。
そのほうが、きっとあなたの気持ちは楽になるはずです。

Text/ものすごい愛
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※現在、多数のご相談をいただいております。
ものすごい愛さんに順次回答いただく予定ですが、隔週掲載となるためお待たせしまうこと、すべてのご相談に回答できない可能性もございます。
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結婚して、まる3年。夫婦、ふたり暮らし。
食べさせたいのはきれいに焼けたほうのハンバーグ、ついでにもうひとつ淹れるドリップコーヒー、 眠れなくて深夜に誘う近所の散歩…楽しい、楽しすぎる、楽しくってしょうがないぜ、結婚生活!
読むとどうしても幸せになってしまう。“ものすごい愛” にまみれたサイコーにハッピーな日常エッセイ!

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