仕事のヤル気ゼロ、「何をやっても無駄」が口癖の“妖精おじさん”。将来はうつや引きこもりの可能性も
政治家や著名人の失言、おじさん構文の炎上など、非難を浴びることの多いおじさん。下の世代からの揶揄にとどまらず、手を取り合うべき同世代から嫌われてしまうことも。中年男性500人へのアンケートと識者取材から、嫌われるおじさんのタイプを導き出した!
◆責任ある仕事を回避。他者評価を気にしない「妖精おじさん」
会社にいない、いたと思えば何をしているかはわからない……社内でレアキャラと化している妖精おじさんに通底するキーワードは「どうでもいい」だ。
「妖精おじさんはこれまでの人生で頑張って報われた経験が少なく、自己効力感が低いのが大きな特徴です。『失われた20年』の中を生きてきた影響で、『何をやっても無駄』という考えが強い。出世や昇給、結婚などに対する欲望を失った状態といえます」(人材育成支援企業経営者・前川孝雄氏)
出世欲がないため「責任ある仕事を回避」するのはもちろん、ワークライフバランスという言葉を言い訳にして「会社にこない」こともしばしば。かといってプライベートが充実しているわけではなく、「ツイッターで懸賞ばかりリツイート」など、省エネな印象を受ける。
「40代の男性は度重なる不況の煽りをくらい、『報われた感』が低い。燃え尽き症候群のようになってしまった人が少なくありません。諦観が強い世代であり、その影響は仕事以外の部分にも色濃く表れています」(博報堂生活総合研究所・前沢裕文氏)
◆無気力・無頓着なだけにも思えるが…
他人にどう思われようが気にならず、「黄ばんだワイシャツ」「歯や口が汚い」など、身だしなみに気を使えない。無気力・無頓着なだけにも思えるが、「事態は意外にも深刻」だと前川氏は語る。
「妖精おじさんルートの先にあるのが中高年のうつや引きこもり問題です。正社員が安泰という時代ではないので、クビを切られたダメージの大きさに再起できないかもしれません」
妖精というネーミングでも、抱えている問題は可愛くない。
◆場面別、嫌われおじさんの特徴
40~60歳の男性500人に「嫌いな同世代の特徴」をアンケートを実施。その結果から、仕事、プライベート、SNS、見た目・マナー、各場面で好感度を下げる行動が判明。識者および編集部が独自に「嫌われ指数」を算出した。数字が大きいほど、嫌われやすいポイントだ。
◆<仕事>
・責任ある仕事を回避……指数90
・会社に来ない……指数81
・喫煙所やトイレによく行く……指数72
◆<プライベート>
・スーツのまま駅で缶チューハイを飲む……指数78
・「お金が貯まる」と長財布を愛用……指数70
・選挙に行かない……指数68
◆<見た目・マナー>
・黄ばんだワイシャツ……指数91
・歯や口が汚い……指数82
・ボサボサの髪型……指数74
◆<SNS>
・ツイッターで懸賞ばかりリツイート……指数70
・プロフィールが10年前の情報……指数69
・いいね欄はグラドルばかり……指数66
【FeelWorks代表 前川孝雄氏】
「上司力研修」を400社超に提供する研修会社「FeelWorks」創業者。近著に『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks)、『本物の「上司力」』(大和出版)
【博報堂生活総合研究所上席研究員 前沢裕文氏】
’00年、博報堂入社。現PR局、営業局、クリエイティブ局にて、PR発想を起点とした統合コミュニケーションの企画制作に携わり、’19年から現職
<取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/サダ>
―[嫌われる中年の肖像]―