「『女の人は1人でも生きていける』ということを伝えたい」作家・新川帆立、シリーズで一貫して描く「働く女性のリアル」


新川帆立さん



住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生ワイド番組「Blue Ocean」。“頑張るプロフェッショナルの女性の素顔に迫る”をテーマに、各界で活躍されている素敵な女性をゲストに迎えて話を伺うコーナー「Blue Ocean Professional supported by あきゅらいず」。

11月15日(月)のゲストは、作家の新川帆立(しんかわ・ほたて)さん。今回の放送では、「第19回 このミステリーがすごい!」大賞を受賞した「元彼の遺言状」(宝島社)の続編「倒産続きの彼女」(宝島社)に込めた思いについて語ってくれました。


パーソナリティの住吉美紀



2021年1月に刊行した「元彼の遺言状」で「第19回 このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、作家デビューした新川さん。東京大学法学部卒業後は、弁護士として勤務する傍ら執筆を続けてきました。弁護士のほかにもプロ雀士のキャリアを持ち、現在はアメリカに拠点を移して作家活動に専念しています。

◆人生のターニングポイント

住吉:新川さんのターニングポイントは、作家を目指されたときだと伺いました。

新川:高校生くらいの頃から作家になりたいとは思っていたのですが、26歳くらいのときに弁護士として働いていて、忙しすぎて体調を崩してしまったタイミングがあったんです。そこで自分が本当にやりたいことは何かを考えて本格的に執筆を始めたので、それがターニングポイントだったかなと思います。

住吉:すごい! まだ(作家歴は)4年目くらいですよね? それで賞まで取られるなんて、何でも器用にできるタイプなんですか?

新川:いや、ただ「目指そう」と思ったら、そっちにすべての意識が行くタイプですね。

住吉:今は弁護士のお仕事は辞められているんですよね?

新川:はい、作家に集中しています。

住吉:それは、「第19回 このミステリーがすごい!」大賞を受賞したのがきっかけですか?

新川:賞をいただいたことで、作家として一応、生活していけるようになったので。賞を取った後の何年かが作家として重要な時期なので、他のことをしている暇はないなと思って専念しています。

住吉:しかも今はアメリカにお住まいなので集中して書けますね。

新川:本当にそうなんですよ。特に(住んでいる)シカゴは、外は寒いし、治安もそんなに良くないのであまり出歩かないので、ずっと家にいて書ける環境ではありますね(笑)。

◆「女の人は1人でも生きていける」と伝えたい


「倒産続きの彼女」(宝島社)



住吉:2021年10月に出版した新刊「倒産続きの彼女」は、「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した「元彼の遺言状」の続編なんですね。

前作の主人公・剣持麗の後輩である弁護士・美馬玉子が、会社の倒産危機を救うべく「会社を倒産に導く女」と呼ばれる女の身辺調査を始めたところ、死体を発見。予想外の事件に巻き込まれ……というミステリーです。1作目の主人公の後輩が、今作の主人公なのはおもしろいですね!

新川:1作目に女性弁護士の物語を書いたところ、「作者も弁護士だから、自分をモデルにしているんじゃないか」とか「女弁護士ってこんな感じだよね」とか、属性で語られることが多かったんです。

実際の女性っていろんな方がいて、女性の弁護士もいろんな方がいるので、別のタイプの方を書きたいなと思ってあえて変えました。「職業や年齢で人間は量れないよね」っていうことを伝えたくて書きましたね。

住吉:ちなみに、主人公のどちらかが自分に近いタイプだとか、モデルとなる人物がいるとか、そういうことはありますか?

新川:いや、どちらもモデルはいないのですが、どちらかと言えば私は2作目の主人公のほうが近いかなと思います。

住吉:1作目の剣持麗子は才色兼備というか“デキる”方で、今作の玉子は人間味のある方ですよね。

新川:剣持麗子は強いというか、あまり気にせずに突破していくタイプなので、「こうなれたらいいな」という憧れではありますね。

玉子は共感できるというか、身近なところにいる存在として等身大に描いています。「夢を見せる」ところと「共感する」ところ、どちらも楽しんでもらえればと思っています。

住吉:実際に弁護士として働かれてきた経験は、作品にもけっこう盛り込まれていますか?

新川:エピソードは架空のものですが、「働く女性のリアル」のようなところはありますね。「キャリアウーマンがみんなキツい(性格をしている)わけではない」とか「女同士でギスギスすることもそんなにない」とか。今までフィクションで描かれてこなかったリアルな女性関係を書きたいなと思っているので、そこは生きていますね。

住吉:「働く女性」というテーマや観点を、ご自身のなかで大事にされているのですか?

新川:そうですね、少なくともこのシリーズは働く女性の群像劇だと思っていて。働いていなくてもいいんですけれど、同世代くらいの女性の背中を押せる作品群にしたいなと思っています。

住吉:女性が1人の足で立って生きていくことに、すごくこだわりというか思い入れがあると聞きました。

新川:そうですね。「(人に)頼る感じの女性を出してみたら?」というお声をいただいたこともあるのですが、それを聞いたときに「いや、そうじゃないな」と。むしろ女の人は1人でも生きていけるということを伝えたいなと考えていて。社会的に逆風が吹いているのですが、そこを「行けるんだよ」って背中を押してあげたい気持ちです。

◆弁護士は体力勝負?

住吉:すごく特殊なお仕事をされてきた新川さんですが、今までのキャリアが「ものを書く仕事に生かされているな」と感じる面ってありますか?

新川:単純に体力がつきますね(笑)。10時間パソコンに向かっていても大丈夫という面では、役立っていると思いますね。内容というよりは、耐久性みたいなものが上がったなと思います。

住吉:弁護士ってパソコンの前で10時間座るようなお仕事なんですか!?

新川:私がしていた仕事は、基本的に1日中パソコンに張りついているようなものだったので(笑)。法廷に立ったことはないので、普通のサラリーマンの方と近いかもしれません。

住吉:意外!

新川:文章力などには、そんなに役立たないですね(笑)。弁護士さんって、けっこう文章が長くて読みづらいので……。小説の文章とはまた違う感じですね。

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聴取期限 2021年11月23日(火・祝)AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時:毎週月~金曜9:00~11:00
パーソナリティ:住吉美紀
番組Webサイト: http://www.tfm.co.jp/bo/
特設サイト: https://www.tfm.co.jp/bo/aky/

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  • 11/17 20:00
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