スマホ、コードレス掃除機etc.安いバッテリーの“出火リスク”に要注意

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―[デジタル四方山話]―

◆リチウムイオン電池がもとの火災が増加

 リチウムイオン電池は様々な電化製品で利用されている。リチウムイオン電池は、他のニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池よりも高出力、大容量なので、長年使い続けられており、広く普及している。スマホのバッテリーもそうだし、モバイルバッテリーもノートPCもコードレス掃除機も加熱式たばこもリチウムイオン電池を搭載している。

 これらのバッテリーは予備だったり交換のために販売されていることも多い。ご多分に漏れず、メーカー製よりも安価なサードパーティ製が販売されているケースもある。1円でも安い方がいいと純正品ではないバッテリーに手を出すユーザーもいるだろう。

 しかし、要注意。2021年1月から9月末までで、東京消防庁管内においてリチウムイオン電池からの火災が90件も起きている。これは、令和元年の102件、令和2年の104件を超えるペースとなる。

 そして、純正品でないバッテリーを充電していたり、純正品でない充電器でバッテリーを充電している時に出火するケースが多いのだ。これは、価格を抑えるために、手抜き設計をしたり、セキュリティ機能を省いていることが原因。安かろう、悪かろうなのだ。

◆中国の電動自動車の出火は1万件以上

 日本でも消防庁が注意喚起するほど出火が増えているのだが、中国はさらに規模の大きい被害が発生している。中国ではすでに電動自転車が3億台を突破している。もちろん、リチウムイオン電池を搭載しているのだが、その出火が問題視されているのだ。今年だけですでに1万件以上も出火しており、死亡者が出る事故も起きている。

 車載バッテリーは容量が大きいので、充電に時間がかかる。そのため、夜間に充電することが多いのだが、その時に出火するので、家まで燃えてしまう火事になることが多いそう。そのため、自宅に持ち込まずに済むよう、駐車場などに充電スタンドを設置する動きもあるようだ。

◆意外と知らないリチウムイオン電池の危険性

 リチウムイオン電池の危険性は知っておいた方がいい。日本だから大丈夫、なんて高をくくらないように。前述の通り、安かろう悪かろうといった製品を使わないこと。必ず、本体にPSEマークが表示されている製品を利用しよう。PSEマークは安全性が満たされている電気製品であることを示しており、2019年2月以降は表示が義務となっている。安価な海外製品だとない場合もあるので要注意。

 バッテリーが純正であっても、充電器が他社製だとこちらも危険。過充電を防止する機能がなかったりすると、純正バッテリーでも出火する可能性がある。衝撃によっても出火する。落下させたり水没でも出火するのだが、誤って穴をあけるとか分解するといった出火原因も約3割もある。リチウムイオン電池が危険だと言うことが周知されていないことがわかる。

 リチウムイオン電池には強い衝撃を与えてはいけない。変形したり発熱したら利用を中断する。濡れている状態で充電しない。充電中の使用は避ける、といった注意が必要だ。

◆ゴミ収集車の中で出火

 今年日本で出火した90件のうち、廃棄されたリチウムイオン電池からの出火は16件。いらなくなったモバイルバッテリーなどを燃えるごみで捨て、ごみ収集車の中で力が加わって出火するケースがあるのだ。

 ちなみに、リチウムイオン電池は燃えるごみはもちろん、燃えないごみとしても出すことはできない。家電量販店やホームセンター自治体などでリサイクルに出そう。協力店・協力自治体はJBRCのサイトから検索できる。

◆自宅に置いてあるコードレス掃除機から…

 最後に怖い話をひとつ。2021年10月29日、総務省はコードレス掃除機用非純正のバッテリーパックについて注意喚起を行った。ダイソンのコードレス掃除機向けの非純正バッテリーパックから火災事故が多発しているというものだ。

 もちろん、リコールされてはいるのだが、充放電していない状態でも発火のリスクがあるというので、廃棄せず保管するようにと指示が出された。リリースには以下のようにある。

「本バッテリーについては独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)による調査の結果、充放電していない保管状態であっても、基盤上の部品が発熱・発火する可能性があることが、本日(10月29日)付で確認できており、大変危険な製品です」

◆PSEマークの確認は必須

 廃棄方法を決定するまで、金属製の容器に入れて保管しろということだが、自宅に置いておくのは怖すぎる。安かろうと買ってしまったばかりにどうにもならなくなってしまうのだ。リリースでは輸入した企業が2社紹介されているが、すでにその内の1社は倒産しており、本製品を購入してしまった人は気が気でないだろう。

 以上のように、リチウムイオン電池を搭載する電気製品を買うときはPSEマークを確認。予備や交換のためにバッテリーを買う際も、少々高くても純正品を購入すること。火事に巻き込まれないためにも、ぜひ覚えておいて欲しい。

<文/柳谷智宣>

―[デジタル四方山話]―

【柳谷智宣】
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「Wi杯」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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