プロ野球選手の「個人記念館」が少ないワケ

拡大画像を見る

 星野仙一記念館(岡山県倉敷市)が、今年11月末で閉館することがわかった。監督を務めた中日や阪神、楽天を優勝に導いた闘将がすい臓がんで亡くなったのは2018年のこと。生前、本人と交流のあった館長が80歳と高齢で、体力面の不安などから閉館を決意したそうだが、プロ野球選手の個人記念館は意外にも少ない。

 あるのは松井秀喜ベースボールミュージアム(石川県能美市)やソフトバンクホークスの本拠地PayPayドームに併設された王貞治ミュージアム(福岡市中央区)、野村克也ベースボールギャラリー(京都府京丹後市)、落合博満野球記念館(和歌山県太地町)、イチロー展示ルーム(愛知県豊山町)、松中信彦スポーツミュージアム(熊本県八代市)、別府市民球場に設けられている稲尾和久記念館、佐藤義則野球展示室(北海道奥尻町)くらい。

 他にも今シーズンかぎりで引退した松坂大輔、ホークスや阪神、シアトル・マリナーズで活躍した城島健司にも個人記念館があったが、いずれもすでに閉館。球史に名を残す名選手でも記念館は作られていないケースのほうが圧倒的に多く、あの長嶋茂雄巨人名誉監督ですら故郷の千葉県佐倉市の「佐倉高等学校記念館・地域交流施設」の一角に展示コーナーがある程度だ。

 その理由について「多くの選手は知名度があるのは現役中。引退後はファンの記憶も薄れ、若い世代は名前すら知らないので来訪者も少なくなる。突き抜けたレベルの人気を持つ人物でなければ個人記念館を作っても採算が取れないし、本人が望まずに拒否する場合もある」と語るのはスポーツライター。

 実際、選手自身が自らの意思で記念館を建てるわけではなく、ほとんどの場合は支援グループや家族などが主導。本人は同意しただけというケースが多いようだ。

「選手の自宅や実家に建てた施設ならともかく、そうでなければテナント料を含めた維持費もそれなりにかかります。実際、星野仙一記念館は倉敷を代表する観光地の美観地区にあり、コロナ禍で休館が続いていました。その影響も少なからずあるはず」(同)

 映像で現役時代の雄姿を見ることはできても芸術家のように作品を残しているわけではない。いくら名選手・名監督でも個人記念館の運営は難しいのかもしれない。

関連リンク

  • 11/17 6:00
  • アサ芸Biz

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます