GRANRODEO・e-ZUKA、“弾いてみた動画”に刺激を受ける「おじさんになっても、やる気になれば…」
結成15周年を迎えたロックユニット“GRANRODEO”のボーカル・KISHOW(谷山紀章)とギタリスト・e-ZUKA(飯塚昌明)がパーソナリティを務めるTOKYO FMの番組「GRANRODEOのまだまだハートに火をつけて」。11月9日(火)の放送は、2人が今年に出会った音楽のなかから、個人的な殿堂入りアーティストと楽曲を紹介しました。
(左から)KISHOW、e-ZUKA
【KISHOWが選ぶ“今年の殿堂入り”楽曲:「ねずみ浄土」(GRAPEVINE)】
KISHOWが選んだのは、90年代後期から活動を続けているGRAPEVINEが、今年5月にリリースした17枚目のオリジナルアルバム『新しい果実』からの1曲です。
KISHOW:(『新しい果実』は)アフターコロナに、初めてGRAPEVINEが出したアルバムで、その1曲目を紹介したいんですけど、まぁ聴いていただきましょう。僕は、この曲がとても“おおっ!”って思ったんです。
――ここで「ねずみ浄土」(GRAPEVINE)をオンエア。
KISHOW:「ねずみ浄土」って青森の民話なんですよ。要するに日本の昔話みたいな。
e-ZUKA:ほぉ、そうなんですか。
KISHOW:歌詞のなかにも“おむすびころりん”とか“お餅は搗(つ)けましたか?”っていうフレーズがあったりして。だからGRAPEVINEって、おいそれとは絶対にいかないバンドだなと。例えば、アフターコロナのなかで“世相を斬る”みたいに、直接的な言葉を絶対に入れないんですよ。僕はそれがすごく好きで。やっぱりボーカルの田中(和将)さんの歌詞は、すごくいいなって思います。
e-ZUKA:(田中さんは)47歳なんですね。
KISHOW:そうなんですね、じゃあ僕の1個上かなぁ。あと、この曲は音の隙間がすごくあって、(そういう構成は)勇気がいるんじゃないかなと思った(笑)。
e-ZUKA:なんかおしゃれですね。この曲は田中さんが書かれているんですね。GRAPEVINEって、ドラムの亀井(亨)さんがけっこう(メロディを)作るじゃないですか。
KISHOW:そうですね。
e-ZUKA:僕は「光について」(1999年発売)とかが大好きだったね~。けっこう影響を受けたなぁ。
KISHOW:本当にすごいよね。
そんなGRAPEVINEをKISHOWは昔から好きでよく聴いていたそうですが、『新たな果実』は、改めてGRAPEVINEの素晴らしさを感じた1枚になりました。
KISHOW:アルバムを通して全曲素晴らしいんですけど、その幕開けを飾る1曲目に「ねずみ浄土」を持ってくるのもすごいなと思った。「ねずみ浄土」もそうだけど、『新たな果実』というアルバム自体が僕の殿堂入りになるかな。
GRAPEVINEだと、『déraciné』(デラシネ)っていう2005年のアルバムが一番好きだったりするんだけど、それと同じぐらい傑作なんじゃないかなぁと勝手に思ってます。
【e-ZUKAが選ぶ“今年の殿堂入り”楽曲:「Every Piece Matters」(プリニ)】
続いてe-ZUKAが選んだ楽曲も、新人のものではなく「(曲は)前からあったんだけど、私の目に入らなかった(笑)」というアーティスト。出会ったきっかけは、コロナ禍での自粛期間でした。
e-ZUKA:ギタリスト界隈でも、ホームレコーディングみたいな感じでインストのアルバムを作る人がけっこういて、俺も“インストを作るとすれば、どういうのがいいかな?”って思いながら、いろんなインストを聴きまくったわけですよ。
日本では春畑道哉さん(TUBE)、高中正義さん、海外ではスティーヴ・ヴァイ、グレッグ・ハウ、パット・メセニーなど、いろいろなギタリストのインストゥルメンタルを聴いていくなかで、ポリフィア、CHON(チョン)などの若いバンドにも感銘を受けたそう。
e-ZUKA:いろいろと聴いたバンドのなかでも、僕が“すげぇカッコいいな!”と思ったのがプリニなんですよ。
KISHOW:プリニ?
e-ZUKA:オーストラリアの人らしいんですけど、ギタリスト兼ソングライター。スティーヴ・ヴァイとかからも、プログレッシブなサウンドがすごく絶賛されていて。
KISHOW:ほうほう。
e-ZUKA:あとちょっとジェント(ヘヴィメタルのジャンルの一つ)的なところがあったり、“未来だなぁ!”っていう感じがすごくしたんですよね。そのなかでも、ちょっとメロディアスな曲が好きだったので、こちらを今日は流したいと思います。
――ここで「Every Piece Matters」(プリニ)をオンエア。
KISHOW:なるほど……これで映画を1本作って欲しいな(笑)。
e-ZUKA:いい曲ですよね。(番組がオンエアされている)火曜の夜9時にぴったり。
KISHOW:あーそっか(笑)。
e-ZUKA:ほかにも、すごくプログレッシブな曲だったり、テクニカルな曲もいっぱいあるんですけど、これは本当にいい曲ですね。最後にみんなのコーラスが入ったりして。
若いミュージシャンの楽曲に触れたe-ZUKAは、ますますギターの練習意欲が満ちてきたそう。
e-ZUKA:最近のインストもののテクニカル系は、みんなうまくてびっくりしちゃう。あと、今って“弾いてみた動画”がめっちゃあるじゃないですか。
KISHOW:はいはい。
e-ZUKA:勝手にレッスン動画を上げてくれて、“こうやって弾いてますよ”っていうのが正確に分かる。しかも、半分以下のスピードで弾いてくれるからね。
KISHOW:ハハハハ(笑)。
e-ZUKA:だから、おじさんになったこの年齢でも、やる気になれば今からでも全然……だって、この人(プリニ)ってまだ29歳だからね。
KISHOW:おわ~若いね~。
e-ZUKA:若い人でもすごいのがいっぱいいるから、本当に今年は刺激をもらいました。
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聴取期限 2021年11月17日(水)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:GRANRODEOのまだまだハートに火をつけて
パーソナリティ:GRANRODEO(KISHOW、e-ZUKA)
放送日時:火曜21:00~21:30
番組Webサイト:http://mv-sp.gsj.bz/view.page/menu/program/gr/mada2/top