デフォーもレンジャーズで挑戦へ…暫定監督を経験した7人の元スター選手

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 スティーヴン・ジェラード前監督(現アストン・ヴィラ)が退任したレンジャーズは15日、同クラブのFWジャーメイン・デフォーを含めた4名が暫定的にチームの指揮を執ることを発表した。

 先月39歳になった元イングランド代表FWデフォーはウェストハムやトッテナムなどでも活躍し、プレミアリーグでは歴代得点ランキングでトップ10に入る162ゴールを記録。2019年1月からレンジャーズでプレーし、今季からはコーチも兼任していた。

 レンジャーズのコーチ職からそれぞれ昇格したデイヴィッド・マッカラム、ブライアン・ギルモア、コリン・スチュワートとともに、どのような采配を振るうのか注目が集まっている。

 イングランドのトップリーグで活躍したスター選手が、予期せぬ形で暫定監督を務めるのはデフォーが初めてではない。イギリスメディア『ミラー』は過去の印象的な7人の例を紹介している。

[写真]=Getty Images

■ライアン・ギグス(マンチェスター・U)




「人生で最も誇りに思った瞬間」。2014年4月にマンチェスター・Uの暫定監督に指名されたギグスは、当時の気持ちをクラブTVでこう表現した。デイヴィッド・モイーズ元監督の解任後、マンチェスター・Uは選手登録中だったギグスを暫定監督に任命。元チームメイトのフィル・ネヴィル、ポール・スコールズ、ニッキー・バットらに支えられて4試合で指揮を執ったギグス暫定監督は、2勝1分1敗でシーズンを終えて現役を引退した。翌シーズンから2年間は、ルイ・ファン・ハール氏のアシスタントコーチ職に専念した。

 ジョゼ・モウリーニョ氏が招へいされたタイミングで、アカデミーから29年間を過ごしたマンチェスター・Uを離れたギグス。2018年1月からウェールズ代表の監督を務めていたが、女性関係の問題により現在は停職中だ。マンチェスター・Uでの公式戦出場試合数は歴代最多の963試合で、現役時代はリーグ優勝13回を含めた35個ものタイトルを獲得。私生活のトラブルさえなければ、今頃はマンチェスター・Uの監督候補に挙がっていたかもしれない。

■アラン・シアラー(ニューカッスル)




 レジェンドに与えられた時間はあまりにも少なかった。波乱続きだった2008-09シーズンのニューカッスルは、シーズン序盤に当時オーナーのマイク・アシュリー氏と対立したケヴィン・キーガン元監督が辞任。後任に就いたジョー・キニア氏も体調の問題で最後まで指揮を執ることができなかった。

 2009年4月の段階で降格圏に沈んでいたニューカッスルの運命を託されたのは、地元出身のヒーローであり、同クラブで10年に渡って活躍したシアラーだった。暫定監督として8試合で指揮を執ったが、短期間でチームを立て直すことはできずにチームは降格。チャンピオンシップでも監督を続けるのではないかと報じられていたが、クラブは同シーズンの間に2度に渡って監督代行を務めたクリス・ヒュートンを新監督に任命した。プレミアリーグ歴代最多スコアラーの座に君臨するシアラーだが、監督歴はその一度きりとなっている。

■フレドリック・ユングベリ(アーセナル)




 初陣でスーツを着なかった理由は、「クリーニングに出してしまっていた」から。ユングベリの暫定監督就任が、いかに慌ただしい状況下で決まったかをうかがわせるには十分なエピソードだ。1998年から2007年までプレーしたアーセナルで、プレミアリーグを2度、FAカップを3度制し、ファンから絶大な人気を誇ったユングベリ。同クラブの下部組織でコーチとしてのスキルを磨くと、2019年夏に当時のウナイ・エメリ監督のアシスタントに就任した。同年11月にエメリ氏が解任されてから、ミケル・アルテタ現監督が招へいされるまでの1カ月ほどチームの指揮を任された。

 アルテタ監督の下でもコーチを続けていたが、シーズン終了後に「監督経験を増やすため」にアーセナルを離れる決断を下した元スウェーデン代表MF。15日付のイギリス紙『デイリー・メール』は、同氏をFC東京の新監督“有力候補”だと伝えている。

■ダンカン・ファーガソン(エヴァートン)




 指揮を執ったのは4試合だけだったが、現役時代を彷彿させる気迫あふれる戦いぶりがエヴァトニアンのハートを鷲掴みにした。2006年にエヴァートンで現役を引退した元スコットランド代表FWは、2011年から同クラブの下部組織でコーチを務め、2014年2月にトップチームに昇格。2019年12月にマルコ・シウヴァ元監督が解任された後で、暫定監督を務めた。

 初陣となったチェルシー戦で3-1の勝利を収めてチームを降格圏内から脱出させると、敵地でマンチェスター・Uと引き分け。リーグ杯の準々決勝ではレスターを相手にPK戦の末に敗れたものの、ユングベリとの暫定監督対決となったアーセナル戦はスコアレスドローに持ち込み、たった2週間でチームのメンタリティを完全に回復させた。

 新監督に就任したカルロ・アンチェロッティ氏からも「チームのスピリットを上げてくれた」と絶賛されたファーガソン。アンチェロッティ氏、さらにはラファエル・ベニテス現監督という2人の名将の下でアシスタントコーチとして積み上げた経験が生かされる日を、『グディソン・パーク』のファンは待ち望んでいるはずだ。

■フィル・トンプソン(リヴァプール)



 監督歴のない元スター選手の代表格はトンプソンだろう。17歳でリヴァプールとプロ契約を交わし、13年間でリーグ優勝7回と3度のヨーロピアン・カップ制覇を成し遂げた元キャプテン。リヴァプールで477試合に出場したセンターバックは、1998年に同クラブでジェラール・ウリエ氏のアシスタントコーチに就任。2000-01シーズンにはカップ戦の3冠に貢献した。

 トンプソンが人生で一度だけ暫定監督を務めたのは2001年10月からの5カ月間。心臓の緊急手術を受けることになったウリエ氏に代わりチームの指揮を執ったトンプソンは、難しい状況下で結果を残し、在任期間中にプレミアリーグ月間最優秀監督に2度も選出された。ウリエの退任に伴い、2004年にリヴァプールを離れた後は、16年に渡ってスカイスポーツの番組「サッカー・サタデー」の解説業に従事した。

 “レジェンド”という言葉はフットボール界で簡単に使われがちだが、「リヴァプールのフィル・トンプソンを表現する言葉はほかにない」と『ミラー』は同氏を称えている。

■スチュアート・ピアース(ノッティンガム・フォレスト)



 デフォーやギグスのように、初めて暫定監督に指名された時は現役プレイヤーだった。1996年12月にフランク・クラーク当時監督が辞任したノッティンガム・フォレストの暫定監督に就任。元イングランド代表DFは初陣でアーセナルに勝利し、翌月にはプレミアリーグの月間最優秀監督に選ばれる好スタートを切った。しかし、デイヴ・ベセット氏に引き継がれたチームはその年の降格を免れることができず、ピアースはニューカッスルへ移籍。その後5年間、現役としてプレーを続け、2002年からは指導者の道をまい進している。

 マンチェスター・C、U-21イングランド代表、ノッティンガム・フォレストを率いた他、2012年にはロンドン五輪のイギリス代表監督を務め、さらにファビオ・カペッロ氏が辞任した同年のイングランド代表で暫定監督として親善試合1試合で指揮を執ったピアース。現在はモイーズ監督が率いるウェストハムでコーチを務めている。

■ライアン・メイソン(トッテナム)



 メイソンがプレミアリーグ史上最年少監督として暫定的にトッテナムの指揮を執ったのは、記憶に新しい昨シーズンのこと。ハルに所属していた2017年1月に頭蓋骨を骨折し、翌年2月に引退を余儀なくされると。その2カ月後にコーチングスタッフとして古巣トッテナムに復帰した。アカデミーでの仕事を担っていたが、今年4月にジョゼ・モウリーニョ氏が解任された後、暫定監督に指名された。

 初陣となったサウサンプトン戦では29歳312日で指揮を執り、同リーグ史上最年少監督として名前を刻んだメイソン。プレミアリーグでは4勝2敗。リーグ杯決勝ではマンチェスター・Cに0-1での惜敗と、指導者としての可能性を感じさせる結果を残した。シーズン終了後はアカデミーでの業務に戻っていたが、アントニオ・コンテ新監督から練習での指導ぶりを高く評価され、新体制のコーチングスタッフに抜擢されている。

(記事/Footmedia)

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