私が作ったすき焼きを、食べまくった後「別れよう」と彼。肉返せ~!
11月になり肌寒い日も増えてきて、すっかりお鍋の美味しい季節になりましたね。
今回は、お鍋を堪能している最中に彼から別れを切り出されてしまった女性のエピソードをご紹介しましょう。
◆月イチで彼の好物を作ってあげていた
真田綾子さん(仮名・30歳・派遣社員)は、Nさん(36歳・飲食店経営)とお付き合いを始めて一年半になります。
「Nは私がよくテイクアウトで利用していたカレー屋さんのオーナー店長で、トッピングをおまけしてくれたりしているうちに仲良くなり、付き合うようになったんですよ」
ですがコロナの影響で彼のお店の経営はなかなか厳しいようでした。
「なのでちょっとでも元気を出してもらえたらと思って、月に一度、Nの好きなものを作ってあげる日を作ったんです。もちろん材料費も私持ちで」
そんなある日、すき焼きをリクエストされた綾子さんは、彼の部屋で下準備をして一緒に鍋を囲みました。
◆肉を食べまくった後「別れて欲しい」と切り出す彼
「いつも通り、アルバイトの子が使えないと愚痴を言いながら、すき焼きのお肉をすごい勢いで食べていました。私の分もほとんど全部です」
すると一息ついたNさんから「お願いがあるんだ、別れて欲しい」と言われたそう。
「あまりに突然で驚きました。何で?と理由を聞いても教えてくれなくて『理由が分からないと納得できないから』と何度もしつこく言いました」
しばらくすると、ようやく「ごめん、好きな子ができたんだ」とNさんは語りだしました。
◆彼に紹介した元同僚女性と浮気していた
「実は2ヶ月ほど前に、Nから『友達のS太が彼女を欲しがっているんだけど、誰か紹介できる女の子いない?』と言われたので、前の派遣先で知り合ったY乃を誘って4人でバーベキューをしたことがあったんです」
すると、S太さん(33歳・会社員)のことでY乃さん(28歳・派遣社員)から相談されているうちに、だんだんとNさんはY乃さんが気になるようになってしまったそう。
「結局NとY乃は、私に隠れて浮気していたんですよ!まじで最低の2人だなと軽蔑しましたね」
さらに、綾子さんのおごりで美味しい物食べてから別れを切り出した彼に、心底腹が立ったそう。
「とにかく貧乏臭いし、私に対してすごく失礼ですよね。屈辱感に耐えられなくなり、気がついたらすき焼きの残り汁と豆腐を、おたまにすくってNの顔面に思いっきりかけていました」
◆鍋をひっくり返してカーペットをベシャベシャにしてやった
叫ぶNさんに、さらにすき焼きの残りをかけると「部屋が汚れるし、明日うどんを入れて食べるの楽しみにしてるんだからやめろ!もったいないだろ!」とNさんが叫んだそう。
「なに浮気しておいて、人のお金で作った鍋の〆(しめ)まで堪能しようとしているんだよ!とムカついて、鍋をひっくり返してカーペットをベシャベシャにしてやりました」
そして綾子さんは、自分の部屋の合鍵をNさんから奪って家に帰りました。
「もちろんNは私と別れたいので無抵抗でしたよ。かなり怒っている顔はしていましたが」
帰り道、どうしてもムカつきがおさまらない綾子さんは、Y乃さんにLINE電話をかけました。
◆泣く同僚女性に「泣きたいのはこっちだわ!」
「するとNから今日、私に別れ話をすると聞いていたのか、Y乃は『ごめん…』と涙声で。『泣きたいのはこっちだわ!そういうのって絶対に自分に返ってくるんだから覚悟しておけ』と怒鳴って切ってやりました」
それからしばらくは、2人のことを思い出す度にムカムカしていましたが、今ではあんな男とは別れて正解だったなと思えるようになったそう。
「Nみたいなセコい男と結婚したら苦労するでしょうね。Y乃はNのお店が大変なこと知っているのか分かりませんが、せいぜいお幸せにという感じです」
<文&イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop