稀な神経変性疾患と診断された5歳男児の母親「目が見えるうちに思い出をいっぱい作ってあげたい」(英)

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イギリス在住のアイザック・ティリー君(Isaac Tilley、5)は今年8月、稀な神経変性疾患であるバッテン病と診断された。これは神経系に影響を及ぼす致命的な病気で、認知障害だけでなく視力や運動能力が徐々に低下し最終的には死に至るという。

母親のエイミーさん(Aimee、34)はこの病気が発覚するまでの経緯をこう振り返った。

「初めて痙攣の発作を起こしたのはアイザックが3歳の時でした。その10日後にも再び発作を起こし、てんかんと診断されたのが始まりです。言葉の遅れもあり、自閉症ではないかと疑ったこともありました。言語聴覚士から専門医に診てもらうように勧められて、オックスフォードの神経科医を紹介してもらうことになったのです。」

「アイザックの手脚が震えて足元が不安定なことに気づいたのは今年1月で、数か月の間に症状は悪化していきました。2月にMRI、心臓検査、血液検査、腰椎穿刺を受けて、その結果と去年の11月に地元の病院で受けたてんかん検査の結果からCLN2型バッテン病という診断を受けました。」

「医師はバッテン病を知らない私たちに古い資料を見せて『10歳まで生きられるかどうか分かりません』と告げました。アイザックはわずか8か月の間に走ること、サッカーをすること、自転車やスクーターに乗ること、そしてサポートなしで歩くことさえできなくなってしまいました。その姿を見ていると心が痛みます。頭の中でやりたいと思っていることも肉体的にはできないのです。」

「運動神経が良かったアイザックにとって、唯一の兆候は言葉の遅れでした。でも『男の子はそんなもんだよ』『そのうち追いつくよ』と言われてずっとモヤモヤして。もっと早く診断されていれば、今よりもずっと質の高い生活を送ることができたはずです。治療を始めるのは早ければ早いほどいいのですから。だから私はバッテン病のことをもっと知ってもらいたいのです。」

バッテン病家族協会(Batten Disease Family Association)によると、イギリスでバッテン病と診断される子供は年間4人しかおらず、希少で治療が難しいとされているそうだ。

エイミーさんはアイザック君の現在の病状をこう明かしている。

「言語能力はさらに低下していて、よだれを垂らして時々発作を起こします。すぐ転んでしまうので支えのない状態で歩くことを嫌がるため運動能力はますます低下していて、じっと立つこともできません。医師からは『12か月間は症状の悪化が進み、その後はしばらく停滞するだろう』と言われています。」

「アイザックは現在、グレート・オーモンド・ストリート病院(Great Ormond Street Hospital for Children)で2週間ごとに脳に注入する酵素補充療法を受けています。これは完治が目的ではなく、病気の進行を遅らせるための治療ですが、残念ながら視力の低下を遅らせることはできないそうです。現在はNHS(国民保険サービス)が費用を負担していますが、患者1人当たり年間50万ポンド(約7660万円)の費用がかかるため、2024年には廃止されるかもしれません。高価ですが子供たちはこれで元気になっているのです。私たちはまだ治療の初期段階なので衰えを目の当たりにしていますが、他の子供たちと同様に失われたスキルを取り戻すことができると信じています。」

またアイザック君と一緒にいられる時間がどれだけあるか分からないと話すエイミーさんは、「今の私たちにとって一番大切なことは、楽しい思い出をたくさん作っておくことです。特にアイザックの目がまだ見えているうちは…。最近ではトーマスランドに行って、12月にはラップランドに行く予定です。私はアイザックや他の小さな戦士たちを救うための治療法が見つかることを毎日願っています」と語っている。

なおエイミーさん一家は現在、アイザック君がより豊かな生活を送れるようにクラウドファンディングサイト「GoFundMe」で寄付を募っている。

画像は『Metro 2021年11月12日付「Five-year-old boy with dementia is on a mission to make memories while he still has his sight」(Picture: @isaac_fighting_battens_disease)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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