綾野剛『アバランチ』永遠の振り回され男・福士蒼汰に注目、雑な作りもつい見てしまうキャストのハマりっぷり

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 暗い時代には、権力の闇を暴き制裁を加える「世直しの仕事人」ドラマを人々は求める。綾野剛(39)主演のドラマ『アバランチ』(カンテレ・フジテレビ系)はまさにそれ。SNSでも「令和版必殺仕事人」「令和のハングマン」と分析する声が多い。

 確かに「令和版」なのだが、妙に懐かしいというか、泥くさい『アバランチ』。それは決して綾野剛の喫煙シーンだけが原因ではない。ハッカーの千葉雄大(32)以外のメンバーの攻め方がやたらとアナログなのである。

 司令塔が女性(木村佳乃/45)というのが、今どきといえば今どきだが、「至近距離なら表情も見えるんじゃないか」と思うぐらいチャチいマスクといい、格闘技で相手を黙らせる感じといい、雑。

 ネットで無理なところは新たな発明品や文明の利器で突破するのかと思いきや、現役警察官(福士蒼汰/28)が警察手帳を見せることで突破するという荒業。バレたら逆に権力の闇に利用されるネタとなりそうだし、そもそもすぐバレそうだ。この「綱渡り状態」も制作側の狙いで、だからこそ「アバランチ(雪崩)」というタイトルなのかも?

 実際、11月8日に放送された第4話のラストではリナ(高橋メアリージュン/34)の正体が大山(渡部篤郎/53)にバレてしまった。リナが早々に殺されそうで本当につらい。

■近年、まれに見る福士蒼汰の輝き

 物語はダークで粗いが、それでも見てしまうのはキャストがガッツリハマっているから。まず福士蒼汰(28)! 彼はやはり振り回されるのが似合っている。2020年『DIVER-組対潜入班-』(カンテレ・フジテレビ系)は荒くれ一匹狼的な刑事を演じていたが、この人は「組織の重要なピース」として、インテリ感を前面に出したほうが絶対、輝く。今回は警察組織からアバランチへの見せしめとしてボロボロに殺害されてしまうか、権力側に寝返るか、どちらかの気がしている。

 そしてやっぱり主演の綾野剛。この人の真顔は物語の闇がどれだけ深いものかを一瞬で語るパワーがある。カッコイイが不気味で仕方がない。往年の松田優作を思わせる。

 第4話までは綾野剛と木村佳乃以外のメンバーの過去を通し、事件のバックボーンが説明されていたイメージ。大きな展開は第5話からである。雪崩が起きるのは権力側か、それともアバランチか? 後者の気がして今からツラい。(田中稲)

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  • 11/15 19:00
  • 日刊大衆

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