【恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜 6話】「壁」を越えるための共感と共有・ネタバレあり

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ブログ『現実逃避は前向きに。』で注目ドラマの感想をつづる、malcoさんによる新連載。水曜ドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』の見どころを紹介していきます。

ラブコメでありながら、恋愛模様だけでなく視覚障害をテーマとした様々な問題を取り上げ、展開していく本作。

ユキコ(杉咲花)と周囲の衝突を描いた第5話に引き続き、第6話でも視覚障害者と健常者との間にある、壁の高さを感じさせるストーリーとなりました。

今回スポットが当てられたのは、ユキコの友人・空(田辺桃子)。

盲学校で開かれるマラソン大会に向けて特訓中だった空が、放置自転車にぶつかって転倒してしまいます。

大きな怪我はなかったものの、誰かが道に障害物を置いて空の練習を阻害していると判明し、ユキコたちは憤りを隠せません。

森生(杉野遥亮)が犯人探しをしようと協力を申し出ますが、そこで空が見せたのは『見える人』に対しての激しい憎悪でした。

白杖を蹴飛ばされたり、本当に見えないのかと難癖をつけられたり、そんな非情に晒されることがあるのだという話を聞けば、空の憤りにも頷けます。

しかし、森生もそんな酷いことをする『見えるやつ』と同類だと罵った空に、さすがの森生も気分を害した様子。2人は大喧嘩になってしまうのでした。

同じものを好きになれるということ

友人と彼氏が激しく衝突してしまい、このままにしておけないと考えたユキコは、2人を仲直りさせるため一計を案じます。

ユキコが考えたこの解決策こそが、第6話のテーマだったように思います。

ユキコは、自分の考えたルートを森生と空に走らせることで、見えている人も、見えていない人も、同じものを好きになれて、共感し合えるのだと証明しようとしたのでした。

次第に心を開いていく森生と空。ユキコの思惑にハマった2人は、最終的にお互いをリスペクトできる関係になれました。

さらに言えば、青野(細田佳央太)と花男(戸塚純貴)たちが、鼻の下を伸ばして共感し合っていたボイスコミック『真珠の肌』でさえも、今回のこのテーマに沿ったものでした。

『共通点』というよく聞く言葉は、視聴者にとって身近なもの。それをドラマに取り入れる、効果的なエピソードの作り方に感心させられます。

住む世界が違う者同士が分かり合う取っ掛りとして、何かに共感したり何かを共有するというのは、関係性を深める近道の1つ。

特に好きなものに共通点があれば、前向きな関係が築けます。

森生と空がそうであったように、私たち自身も同じことがいえるのではないでしょうか。生まれも育ちも違う、価値観も違う…しかし、きっとどこかに共通点があるはず。

違う世界に生きる人間だと感じても、私たちは同じことで笑い、共感できた時、同じ人間だと実感できます。

無意識に作り出した『壁』を壊すのは、そうしたほんのささいなきっかけなのかもしれません。

森生と空、2人をよく理解しているユキコだから出来た、優しさと遊び心にあふれたアイディアでした。

そして、ユキコが2人の距離を近付けるために考えだしたアイディアは、森生と出会ったことで、彼女自身が徐々に変わりつつあるからのように思えます。

「ありがとう」と「すみません」の使い分け

話は戻り、空のマラソンの練習を邪魔していたのは、彼女がひと月ほど前に別れたという元カレ・拓己(福山翔大)でした。

「できる限りのことをしてあげた」と、やけに上から目線で犯行の動機を語る拓己は、本当に空が好きで付き合い始めたのか、それとも目の不自由な彼女を思いやる優しい彼氏を演じたかっただけなのか…。

どちらにしろ、その行為は、おそらく彼が思っていた以上に、空を苦しめるものだったに違いありません。

空は、何かあるたびに「すみません」と彼が周囲に謝ることで、常に迷惑をかけているように感じ、劣等感に苛まれていたのでした。

実は筆者自身、若い頃にこの「ありがとう」と「すみません」の使い分けについて指摘された経験があったため、非常に心苦しい思いでこの場面を見ておりました。

人の好意に対して「すみません」と返すのは、相手に「逆に悪いこと(余計なこと)をしたのでは」と思わせてしまうため失礼であり、良いことをしてもらった時は「ありがとう」と返すべき。

そう言われて、それ以降「ありがとう」を使う頻度が圧倒的に増えたのでした。

障害のあるなしに関係なく、人の心の奥を気遣い、言葉を選ぶことの大切さに再度気付かされた第6話でした。

今回は障害者への悪意ある行為を扱ったシビアな内容だっただけに、全体的に重い雰囲気でしたが、最後にはちゃんとユキコと森生の仲良しぶりも見せつけてくれました。

序盤での森生は「あぁ~たこ焼きになりてぇ」なんて可愛いことを考えていたくせに、終盤では空にヤキモチを焼いて拗ねるユキコに不意打ちキス。

やるときはやるんだな、森生!

「今のなんだった?」というユキコの反応も可愛くて、2人の幸せな姿をいつまでも見ていたいと思える名シーンでした。

社会的なテーマとラブコメをうまく組み合わせるところも、このドラマが人気の理由の1つなのかもしれません。

次回は、赤座家に森生と獅子王(鈴木伸之)が呼ばれてイズミ(奈緒)の誕生会を開くという、これまた楽しそうなイベントが待ち受けているようです。

楽しみすぎて、ニヤニヤが止まりません。

恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜/日本テレビ系で毎週水曜・夜10時~放送

『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』のドラマコラムはこちらから

[文・構成/grape編集部]

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