登坂広臣、11年前のオーディション合格時を振り返る「不安と恐怖が押し寄せた」

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 LDH史上最大規模のオーディションに『iCON Z ~Dreams For Children~』があります。テレビ東京では、本オーディションに完全密着する番組『~夢のオーディションバラエティー~Dreamer Z』が、毎週日曜21時から放送されています。

 今回は、三部門から構成される本オーディションで、「ガールズグループ」部門のプロデューサーを担当する「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」(以下、三代目JSB)のヴォーカル・登坂広臣さんに、「LDH」と「イケメン」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が取材を行ないました。

 登坂さん自身、2010年開催「EXILE presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 ~夢を持った若者達へ~」でオーディションを合格し、三代目JSBとしてメジャーデビュー。「夢を叶える側」から「夢を与える側」になったと当時を振り返る彼に、オーディションで求める人材や心構え、さらに今年本格始動したソロ企画「CDL entertainment」の展望について話を聞きました。

◆『iCON Z~Dreams For Children~』プロデューサーを託されて

――LDH史上最大規模のオーディション『iCON Z~Dreams For Children~』ガールズグループ部門のプロデューサーを担当した理由を教えてください。

登坂広臣(以下、登坂):もともとプロデュース業に力を入れていきたいなと思っていました。自分の今後のプランとして掲げていたことで、今回、テレビ東京さんの番組『~夢のオーディションバラエティー~Dreamer Z』と『iCON Z~Dreams For Children~』というオーディションを開催することを聞いて、HIROさんに「じゃあここでやってみない?」とお話をいただいたので、ガールズ部門のプロデューサーを引き受けさせていただきました。

――これまでのソロ曲のようなご自身のセルフプロデュースというより、他の新人アーティストの発掘をプロデュースしたいと思ったわけですね。HIROさんからは具体的にどのようなお話をされたんですか?

登坂:HIROさんには自分がプロデュースをやりたいというお話はずっとしていました。HIROさんがそれを知った上で、ガールズグループの大変さなど、ご自身の経験を元にお話してくださいました。でも、「登坂ならできると思う」と、シンプルに託してくださいました。

 特に今回は、HYBE JAPANさんと傘下のHYBE LABELS JAPANさんと共同プロデュースなのもこのオーディションのひとつの強みです。LDHとHYBE LABELS JAPANさんのふたつの環境下で、さまざまなプロデューサーチームを作って、グローバルに展開していくチーム編成です。さらに、HYBE JAPANさんがプラットフォーム事業を展開し、競争力の高いビジネスソリューションのもとアーティスト活動を全方位的に展開していきます。なので、自分が今プロデュース側に立っていますが、これからオーディションを受ける子たちが単純に羨ましくなるというか(笑)。

 僕が参加した2010年の「EXILE presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 ~夢を持った若者達へ~」も大規模な恵まれた環境ではありましたが、今オーディションを受ける子たちのタイミングが凄くいいなと思います。

◆ソロ企画「CDL entertainment」が本格始動

――今回のオーディションのガールズグループ部門は、HYBE LABELS JAPAN と登坂さんがプロデュースするプロジェクト「CDL entertainment」との共同プロデュースです。「CDL entertainment」を今年本格始動した経緯を教えてください。

登坂:2017年から「HIROOMI TOSAKA」名義でソロプロジェクトを始動しました。第1弾となったデジタルシングル「WASTED LOVE」を筆頭に 世界的なDJで音楽プロデューサーのAfrojackさんが僕のサウンドをプロデュースしてくれ、彼のいるオランダに1週間行き、制作しました。

 それからアルバムやソロのドームステージにも立たせていただいて、その間にも『名探偵コナン』の劇場版『名探偵コナン 紺青の拳』(2019)の主題歌や台北でのソロライブ など、そういった経験を積ませてもらったうえで、今年からニックネームの「臣」を取った「ØMI」に名義を変えました。

◆ソロ名義「ØMI」に込めた想い

――「ØMI」のスラッシュがカッコイイですよね!

登坂:2017年のソロプロジェクトスタートからずっと「月」をテーマにしてきたので、「ØMI」の「Ø」は光が差し込んでいるモチーフで、すべて連動させています。

「CDL entertainment」というのも、前から構想は考えていましたが、「CDL」はフランス語「クレール・ド・ルナ」で「月の光」という意味です。今年から新たに『ANSWER…』シリーズで春にリリースして、この秋から『ANSWER… SHINE』の光の世界を表現した曲をリリースしました。今、次の作品作りを次々準備している状態です。

――『ANSWER…』シリーズは、『ANSWER… SHADOW』から『ANSWER… SHINE』まで振り幅のある作品でしたね。

登坂:『ANSWER… SHINE』はBTSのSUGAさんとのお仕事で、前作『ANSWER… SHADOW』とは真逆のポップな雰囲気です。

――『ANSWER… SHINE』でも『ANSWER… SHADOW』の深海の記憶は引きずっていたわけですよね?

登坂:そうですね。『ANSWER… SHINE』は、ストーリーとして繋がっているので、深海から光の中で目醒めて、旅に出て行くというストーリーのミュージックビデオとして世界観を作ることができました。

◆『ANSWER…』シリーズが表現するもの

――『ANSWER…』シリーズの世界観は登坂さんご自身の心の中の様子なのでしょうか?

登坂:『ANSWER… SHADOW』も『ANSWER… SHINE』も飾っている自分というより、本来の自分の両面を表現するのがコンセプトです。

『ANSWER… SHADOW』では、人間誰しもが持っている影や陰の部分。アーティストだとスポットを浴びるほど自分の影が濃くなるように、ステージで輝かしく見えている一方で、ステージを降りた後には意外と孤独だったりするな…と、自分の感じたことを世界観として表現しました。『ANSWER… SHINE』では、逆に自分のポジティブな部分、明るく捉えた光の世界観を表現しています。

 いずれの作品でも、自分が演じているという感覚はありません。ただ、「SHADOW」と「SHINE」という世界観をセルフプロデュースする自分と、「ØMI」というアーティストをプロデュースする自分が今ここにいて、この「ØMI」が何をやったら面白いかと、自分事ですが、ある意味、俯瞰で見ているイメージです。

――このシリーズは、まだ「HIROOMI TOSAKA」名義で2020年に発売されたアルバム『Who Are You ?』の「答え」として解釈していいのでしょうか?

登坂:そうですね、1年以上前にリリースしたアルバム『Who Are You ?』が、「自分自身に問いをかける」というコンセプトのもと、ドームでライブもやらせてもらいました。アルバムを作っているときから、またいつか自分が作品を発表するなら、それに対する「ANSWER」というシリーズにしようと当初の構想で考えていたので、そのとき思い描いたことを今、実行しているわけです。

◆『Who Are You ?』の“ANSWER”とは?

――『Who Are You ?』のときは答えがなく、『ANSWER… SHADOW』では暗闇で答えが見えない状態で、『ANSWER… SHINE』では「この場所でわかったんだ」という歌詞がありますが、登坂さんが探している“ANSWER”とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

登坂:「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」のメンバーとよく話すのが、「三代目」は、別にアイドルでもないし、すごくアーティスティックと言われたら、そうでもないし、「何だろう?」と。そう疑問に思ったとき、「ライブアーティスト」という言葉が一番しっくりきました。

 メンバー全員の活動として重きを置くところで、ひとりひとりが一番輝ける場所はやっぱりライブステージです。ライブアーティストが自分たちの肩書きなんです。僕自身、楽曲制作はもちろん、ミュージックビデオ撮影、テレビ番組出演やメディアに取材していただけるのが、「いったい何のためか?」というと、すべてはライブのためです。そこにすべて繋がっていくと思っています。

「ANSWER」というライブをやりたいなと思いますが、そのライブを通じて自分自身もひとつの答えを見つけられるんじゃないかなと。毎回の作品作りで気づいたことに対して、そのライブをおこなえたことによって、自分の中にその都度ひとつの答えが生まれるんです。

――『ANSWER…』シリーズを通じた「答え」、とても興味深いです。登坂さんがこれまでアーティストとして一番大切にしてきたことについても教えてください。

登坂:素直でいることです。自分にフィルターをかけて嘘を付いていたら、心境を作品にはできなかったと思うんです。

 自分自身、年齢を重ねたり、グループの歴史も長くなってきて初めて吐露できるというのか。ひとりの人間として成長ができて、それに対してファンのみなさんも付いて来てくださると思うので、その真情は忘れずにいます。そして、ライブに来てくださったみなさんには、曲の世界や自分たちの思いをとにかく伝えることを、ステージ上では大切にしています。

◆「夢を叶える側」だった当時を振り返る

――そんな登坂さんが、10月24日(日)の『~夢のオーディションバラエティー~Dreamer Z』初回放送で、HIROさんから3名のプロデューサーとして紹介され、「夢を叶えようと思っていた人が、夢を与える側になれた」と言っていたのが印象的でした。2010年の「VOCAL BATTLE AUDITION」のときに「夢を叶える側」だったご自分を振り返ってみてどうですか?

登坂:当時の自分はいっぱいいっぱいで、いろんなことが入り交じっていましたが、人生が180度変わるというのは、まさにこういうことだなと思う劇的な変化でした。ただ、僕は夢が叶った喜びというより、どちらかというと叶った瞬間に恐怖心が芽生えたんです。

 最終審査を絶対に受かりたいその一心だけで全力でやり切ったわけですが、今まで欲しくて欲しくて仕様がなかった座を、自分が手に入れちゃったという恐怖心です。

 受かりたかったはずなのに、実際に「合格です」と言われたときの責任感というか、何でしょう、この気持ち。事の重大さに気づき、自分で大丈夫かなという不安が一気に押し寄せて来たんです。

◆オーディションで試される「自分と向き合う努力」

――音楽プロデューサーの松尾潔さんによってそのまま1週間後にレコーディングされたんですよね?

登坂:本当にそのままレコーディングしました(笑)。「怒濤のようにいろんなことが起きるから24時間気を張って、このグループのことを常に考えていないと、多分乗り越えられないよ」とHIROさんに言われたことがすごく印象的でに覚えています。

 今では僕がプロデュースする側になったので、当時のHIROさんや松尾さんなど、僕たちを選んでこのグループを作った「与える側」も必死で、与えるからにはそれに応えてくれよという、その気持ちを想像できます。

――登坂さん自身、オーディションでは不安や恐怖を経験したということですが、夢を諦めずにオーディションを続けていく上で、大切なことを教えてください!

登坂:必要な要素はたくさんありますが、いかに自分とその時間に向き合えるかが重要だと思います。

 人生がかかっているわけですから、それに対するプレッシャーや不安や恐怖心を感じる気持ちはもちろん分かります。でも、そんな自分といかに向き合えるかが、本当にその先の自分の成長に繋がると思います。

 それが自分を大きく輝かせてくれる要素です。スキルを磨く努力も必要ですが、自分と向き合う努力を止めないことが一番大事だと思います。

◆“魅力的で、素直ないい子”を発掘したい

――今回のオーディションでは、男性・女性部門問わず、どんな人材を発掘したいと思っていますか?

登坂:一言で言うと、「魅力的な子」です。その子にしかない良さがそれぞれあると思うので、やはりそれはこちら側がきちんと見極めていかなければならないなと。それから「素直でいい子」であることが大切だと思います。

 僕もこのお仕事をさせてもらって12年目になるんですが、エンタメの世界でいくら実力があろうが、その人の中身は重要視されるし、その人の本当の姿を、ファンやお客さんのみなさんは見抜くと思います。なので、人としての魅力が重要だなと思っています。

 もちろん技術やスキルなど、大切な部分はありますが、でも、それが100%あったとしても、いい子の部分が0%なら、もしかしたら僕ならその子を取らないと思うし、才能だけでは、周りの人が付いてきません。今はいい子じゃなくても、このオーディションを通して、自分自身と向き合う時間を大切にしながら、僕もそうだったように成長していく姿を求めています。

――それは、“伸びしろ”ということでしょうか?

登坂:そうだと思います。今が100%というより、この後この子どうやって化けてくんだろうと。夢を持ってチャレンジしてくれる子たちが、人生をかけて挑戦してくれると思うので、それに対して自分も真摯に向き合って、全力で、その夢をサポートして、活躍できる場所を作ることに徹していきたいなと思っています。

 応援してくださるファンの方々には、この番組を通して、夢を持ってチャレンジしてくれる子たちを一緒に見届ける楽しみをお見せできたらなと思います。

<取材・文/加賀谷健 撮影/山田耕司>

【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。 ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」や「映画board」他寄稿中。日本大学映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu

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