BE:FIRST、デビューシングル「Gifted」は時代切り開く快作!元[Alexandros]庄村聡泰がお披露目分析

 AAAのメンバーとして知られ、個人としてはラッパー、シンガーソングライター、トラックメイカー、音楽プロデューサーとして知られるSKY-HI。彼の主催するマネジメント/レーベルBMSGがボーイズグループオーディション「THE FIRST」を開催し、その様子は動画配信サービスHuluや情報番組スッキリで密着。視聴者をスリリングに巻き込む展開を経て最終的な合格者7人で編成されたダンス&ボーカルユニット――BE:FIRSTの概要をざっくり纏めるとこう言った形になるだろうか。

 そのほか”SKY-HIが自費で一億円投資”、”当初は5人組の想定であったが最終審査で増員”、”最終審査で落選となった人員も別の形での契約を締結”などのトピックスは挙げ始めるとキリがなく、去る11/3のデビューシングルリリースまでに至る情報量の凄まじさと言ったら。

“過程をつまびらかに見せて行く”と言う手法で以って特にオーディション時のハイライトとなった富士山合宿ではSKY-HI当人も人員と寝食を共にするなど、視聴者もその合宿の参加者であり審査員であるかの様なバーチャルリアリティで楽しませてくれた。

 そして届けられたのが「Gifted」である。当曲をMVとして体験したか楽曲として体験したかは人それぞれだとして(筆者は楽曲→MVと言う手順を踏んだ)、如何だったろうか。実に清々しく大仰な啖呵の切り方ではなかったろうか。

 先行して配信されていた「Shinig One」や「Kick Start」には、明確に意図として練り込まれていたある意味ボーイズグループの初手「らしい」清涼感や瑞々しさ、ややもするとバブルガムポップ的でもあった曲調や歌詞。また今までの密着オーディションで見せてくれた「これから、ここから」感や「未完の大器」である事。

 それら全てが壮大な壮大過ぎるブラフであったかの様な威風堂々さは、これ如何に。いやはや、男子三日会わざれば刮目しての何とやらである。参った。

 軽快と言うよりはどこか不穏さを滲ませるドラムロールとストリングスに始まり、展開は暗転、リズムが事切れ靄がかったシンセの中、呟かれるのは”BMSG”、”BE:FIRST”と、これがホントのタイトルコールだと言わんばかり。

 グッと間を取った重厚なリズムの中で雰囲気ムンムンのセクシーなボーカルラインが展開される。平伏せよ。BE:FIRST様のお通りだと。この熱量、そしてクオリティならば、齢37のおっさんがそうさせられるのも不思議と悪くない気持ちと言うか、この際正直に告白しよう。

 快感であった。

 例えるならばクワトロバジーナがカミーユに殴られつつ流した一縷の涙である(”これが若さか”で検索)。

 いきなり喰らったのがBメロの”どこを探したって~”。更に続く2Aの流れ全般でがっつり心を鷲掴まれすっかりBE:FIRSTにオラつかれたくなる齢37のおっさん。そして決定的だったのはラスサビ前の”愛し合いたいよ 君という時代と”である。

 その”君”が”俺”という齢37のおっさんでない事は重々承知の助でそれが不特定多数の”君”と言う俺と同じ人間であるんならばまだ諦めはつくってもんなのよ。でもその”君”は”時代”だったのよ。でけえ口利いてくれんじゃねえのよ。何だかおっさん嬉しくなっちまうじゃねえのよ。

 と、この大啖呵が聴ける快感にはつくづく先述のこれが若さかであり付け加えるのであればそこにシビれてあこがれたのである。

 そしてMVの曲ラストで其々が、統制を失ったかの様に動きまくる2~3秒に更にシビれてあこがれたのであった。

2021/11/12 19:00

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