『最愛』予想のつかない展開、吉高由里子 松下洸平らが一瞬で惹きつける瞬間

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予想のつかない展開が次々と…どこまで行くの?

金曜ドラマ『最愛』(TBS系、金曜よる10時~)にどんどん引き込まれていく。本作は、殺人事件の重要参考人となった若き女社長・真田梨央(吉高由里子)、かつて梨央が思いを寄せていた事件を追う刑事・宮崎大輝(松下洸平)、そして梨央を守ろうとする弁護士・加瀬賢一郎(井浦新)を中心に描かれるサスペンスラブストーリー。どんどん明かされる謎、新たに生まれる謎、深まる関係、高まる純度とその理解度。すべてが絡み合い、スピード感があっても視聴者の心を震わせながら進んでいく作品。洗練された演出の中で心がギュッとなるシーンに心掴まれ、宇多田ヒカルの主題歌『君に夢中』が流れるとき、どうしようもなく切ない気持ちが湧き上がる。先週の第4話、またも物語は大きく動き、このドラマはどんな結末に向かっているのか分からないことが嬉しくもあり今後への期待はますます膨らんだ。それにしても、このスピード感でどうしてこんなに心を揺さぶるのだろうか。



「かけがえのないもの」と聞いて何を思い浮かべるか――。
先週の第4話、冒頭は梨央と対立関係にある「真田ウェルネス」の専務・後藤(及川光博)のモノローグからスタートした。「登場人物にはそれぞれ“最愛のもの”がある」というドラマ『最愛』。「家族、友人、恋人…。それらを持たない人間は?私は自分を受け入れてくれたこの場所(会社)を何よりも大切に思う」。これまで怪しさ満点で不穏な空気を醸し出していた後藤を見る、1つの角度が示された。梨央にネチネチとものを言う姿も、この言葉を心に留めただけで、少し色合いが変わる。
そして、「世の中には孤独と折り合いを付けられる人間と、そうでない人間がいる。彼(情報屋:高橋文哉)もおそらく、私と同類だ。」と、第4話のある種“答え”のようなものが暗示されていた。新鮮にも映った初めての後藤のモノローグは、第4話へ引き込み、この後の展開へ視聴者心理に少なからず影響していたように感じた。


ドラマ『最愛』では食事シーンがたびたび登場する。第4話序盤にも連続して出てきた。フカヒレなどの高級中華を食べる梨央、加瀬、梨央の母・梓(薬師丸ひろ子)。梨央は梓が退出した瞬間、背伸びをして、加瀬の苦手なエビをもらってあげる。梨央と母、梨央と加瀬の関係が一瞬で伝わる。その後に、大輝ら刑事たちの捜査会議の様子。コンビニ飯やスナック菓子を食べながらの忙しない空気。梨央と加瀬のいる世界と、大輝がいる世界もまた違う。そのすぐあとに、部屋でパソコンに向かいながら1人でコンビニ飯を食べる情報屋(のちに梨央の弟・優と明かされる)の姿。捜査会議で桑田(佐久間由衣)はまわりの皆に一人ずつスナック菓子を勧めて分け合う光景があった。後藤が言った“孤独”は、対照的に画としても表現されているようだった。そして、それぞれの会話の中で、事件の進展や登場人物の細かい情報が追加されていく。


視線、間にも惹きつけられる。梨央に面会しに来た大輝と桑田。梨央と加瀬が応対する。大輝が加瀬に事件当日のことを問う。「会社を出られたのは何時頃でしょう?」ギョッとした表情で大輝を見つめる梨央。そして加瀬は「・・・」5秒の沈黙。大輝が「いや、形式上のことです」と重ねて、また5秒。「少々お待ちください」と加瀬が席を立つと、梨央は大輝に一瞥。大輝も梨央に目を合わせた後、視線を外しもう一度は見ない。言葉はないが、「加瀬さんを疑うの!?」「形式上のことだから」なんて心の声が聞こえてきそうな目の会話は、梨央と大輝の「結構深い関係」を感じさせ、刑事として在る大輝の中に男としての感情も想像させる。落ち着いた様子でゆったりと答える加瀬に対して、食い気味に刑事としての言葉をピシャリと言うところにも静かなバチバチ感が漂う。そんな中、桑田が「お二人(梨央と加瀬)は交際してるとか?」とサラリと爆弾をぶち込む。急に目を見開く梨央と大輝。「家族です!」と立ち上がる加瀬に、一気に3人の視線が集中し、加瀬の動揺が浮き彫りになる。視線や間、他にもちょっとした眉の動きや奥歯を噛む様子などに心情が表れ、セリフではない膨大な情報量がとても魅力的に映し出される。一挙手一投足に釘付けになってしまう俳優陣の演技が見事なことは言うまでもない。


今まで述べたのは、第4話でドラマのタイトルバックが出るまでの序盤の内容。1つ1つのシーンの意味やそこから伝わる多くの情報や感情が見えてくる。でもそれは、多くを説明するわけではなく詰め込まれた印象も受けない。脚本・演出・キャストがハマってこそなせる業だろう。


この密度で一つ一つのシーンに引き付けられながら、謎はどんどん明かされていく。警察も怪しいとにらんだ情報屋は梨央の弟・優であり、その優が大輝らが追っている殺人事件の犯人であると自ら梨央に告白。犯行時の動画を梨央に送り、大輝にも知らせる。宇多田ヒカルの主題歌『君に夢中』の流れるなか、優が姉・梨央に対峙するシーンは、おそらくこれまでに無意識に積み上げられてきた情報や感情が合わさって、鳥肌の立つような、胸に迫るシーンとなったのだろう。


でもまだ4話だ。ドラマの今後の展開を予想し、その魅力を伝える動画「緒方恵美と熱弁『最愛』しゃべくりルーム[第2回]」(TBS公式YouTubooチャンネル)の中で、この第4話に出てきた優の動画が中盤で大きなポイントになるとの情報が。さらには、後半にかけて「ラブが加速」「ラブが胸アツ過ぎて発狂続出」とのヒントも出されている。ますます期待の高まる第5話。

「何するつもり…?」
予告映像の言葉のように、予想のつかない展開に翻弄されるのを期待してしまう。


文・長谷川裕桃



第5話あらすじ

ついに再会を果たした梨央(吉高由里子)と弟の優(高橋文哉)。優は9年間自分がどのような人生を歩んできたか、そして携帯電話の記録動画から自らの罪を打ち明ける。

一方、イヤホン男の住居を割り出した警察は、誠と真田ウェルネスとの関わりや、誠と優が同一人物であることも突き止めていた。さらに、大輝(松下洸平)は15年前に大麻事件を起こした元陸上部員の長嶋(金井成大)のもとを訪ね、事件当夜に関してある重要な証言を得る。

そんな中、真田グループの情報を嗅ぎ回るしおり(田中みな実)について調査する加瀬(井浦新)は、後藤(及川光博)との接点を突き止める。

そして、9年ぶりに優と語り合った梨央は、ある大胆な行動に出るのだった――。



■金曜ドラマ『最愛』
毎週金曜よる10:00~10:54

(C)TBS



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  • dwango.jp news

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