ベトナムvs日本 森保一監督、試合後オンライン取材一問一答

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 11日に行われたFIFAワールドカップカタール2022アジア最終予選・グループB第5節、ベトナム代表と日本代表の一戦は、前半17分の伊東純也の得点が決勝点となり、日本が1-0で勝利。最終予選3勝目を挙げた。

 試合後の森保一監督、オンライン取材要旨は以下の通り。

―――試合を振り返って。

移動のアクシデントがあり、そこから練習時間も削られた中、選手たちが落ち着いてアクシデントを乗り越えてくれ、限られた時間の中で、非常にいい準備をしてくれたと思っていますし、短い練習時間で、一緒に過ごす中でのコミュニケーションをうまくとってくれて、試合に向けてのイメージの共有をしてくれたと思います。選手たちはアクシデントや想定外のことがあっても、それも含めて想定内ということで、落ち着いて冷静に準備をしてくれたことが結果につながったと思います。

―――先発メンバー選考について。移動のアクシデントもあった中で、オーストラリア戦からほとんど変えなかった。

選手たちの様子を見ていない、想像の範囲であれば、長距離移動がり、コンディションは良くないと考えられるかもしれませんが、遅れて合流してきた11人の顔をまず見たときに、すごくみんながいい顔をしていて、疲れた様子があまり見受けられませんでした。なぜかと言うと、途中足止めとなった給油地で長時間機内に閉じ込められた状態でしたが、うまく気持ちを切り替え、今できることは何なのかを考え、しっかり休養・睡眠を取ってくれました。そして時間があった中、選手たちは試合に向けていいコミュニケーションを取ってくれていたと。アクシデントの中でも、自分たちが試合に向けて何ができるかということで、週末の試合からのリカバリーをメンタル的にもフィジカル的にもしてくれ、会った時の顔、雰囲気を見たとき、もちろんトレーニングで様子を見ないとわからないとは常に思っていますが、試合に向けてトレーニングを1日やることで、十分試合の中でプレーできる状態になるという判断をしました。ベトナムに着いた時の顔色、疲労感がなかったことが、大きな決め手でした。

―――選手交代について。最初の交代は左サイドの縦関係で2枚替えだったが、次戦を見据えてなのか、コンディションを留意したのか、試合で気になるところがあったのか、どういった理由か。

まだ走れる、戦える状態だったと思いますが、チームとしてさらに勢いよく、前に向かって推進力を持てるような交代をしようと思い、枠を使いました。(長友)佑都ももちろん前線にパスを出せる選手ですが、我々が勝っている状況で、中山雄太は左利きの特長を生かして、浅野(拓磨)の特長を生かすためにも、背後へのボールを配球する部分で、もちろん守備も大切ですが、相手が攻撃に出てくる中、推進力も持てるようにということで交代枠を使いました。

―――長友の途中交代が増えているが、フル出場が望まれるポジションであるとも思える。

チームとしていい守備からいい攻撃というところはコンセプトとして変わりはないですが、中山雄太は左利きという部分で特長を生かして、守備を安定させることができる、攻撃も前線に配球できる、タイミングよく攻撃参加することも試合を重ねることで少しずつ幅を広げてくれていることもチームの力になるということで交代枠を使っています。佑都に関しても90分走り切れると思っています。今日も他のところに交代枠を使ったほうがいいと思うところもありましたが、これまでも中山雄太は途中から試合に出て、難しい時間帯でもいいプレーをしてくれているので、ベトナムが前に出てくる中、我々にとっていいという判断しました。

―――セットプレーでの得点力が課題の一つ。今日も高さで優位性があった。

そこは我々も認識していて、準備しています。選手もキッカー、入り方も含めてどうやったら得点を奪えるかをいろいろな工夫をしながらやっているところです。高さ的には、と言ってもすごく差があるわけではないですし、相手も必死に守備をしてくる中、得点することは簡単ではないですが、セットプレーでの得点がないので、これから戦う課題として、チームとして取り組んでいきたいと思っています。

―――先発の判断は「顔を見て」とのことだったが、その判断過程について。10月に欧州視察をしたコーチの意見を尊重しているのか、自分が判断した上でコーチの意見を取り入れる形なのか。

コーチの目と私の目と、決断が正しいかどうかは、うまく答えることはできませんが、私はコーチを全面的に信頼していますし、コーチが視察に行ってくれた情報を基にメンバー選考もしています。最終的に私が決断するところはありますが、コーチ陣全員の意見を聞きながら、普段もメンバー選考を行っています。コーチ陣の見る目は間違いなく素晴らしいと思いますし、選手たちの調子を見極める力は、私が一緒に仕事をさせてもらっているコーチ陣はみんな、素晴らしいものがあると思います。新たな選手の可能性を見つけるという部分では、コーチ陣の現地でのプレー視察、映像を見た上での情報を聞いて、各チームでいろいろな役割の中で選手はプレーしているので、私もできる限り全部見ていますし、コーチ陣も細かく見て、フィードバックをしてくれて、所属クラブでの役割を生かしていこうという考え方を持っています。

―――具体的に参考になったことはあるか。

日本代表選手の起用法もそうですが、選手の所属チームのフォーメーションやプレースタイルも様々ですので、参考にさせてもらうことはあります。日本の組織力を生かすことはこれまでもやってきたつもりですし、これからも忘れずにやっていきたいと思いますが、ヨーロッパのサッカーを見ていると、より個々の局面で役割をはっきりして戦っていくという部分で、視察を通じて我々の戦い方に反映させていくことはしています。所属クラブでの役割と代表での役割、戦い方にギャップがあることはもちろんありますが、できるだけ選手たちがそのギャップを感じないようにプレーしてもらえるように参考としています。特にヨーロッパでの1対1、マンマークの責任をはっきりさせながら組織的に戦っていくところは参考にさせていただいています。

―――選手のコンディションを見て、先発やシステムを決めたと思うが、それでもオーストラリア戦とほぼ同じ陣容としたのは、流れを大事にしたかったのか。また、山根視来の起用はボールを持てる展開での選択だったと推察するが、意図について。

今回招集させてもらった28名全員がベトナム戦に向けていい準備をしてくれて。残念ながら酒井宏樹は足の痛みでプレーすることは不可能でしたが、27名は昨日のトレーニングでも動けることを見せてくれました。戦い方として、直近のオーストラリア戦から山根を加えただけで、選手全体を変えなかったという部分においては、まずはコンディションのところ。遅延があった選手たちはサブ、予定通り2、3日前から現地入りした選手をスタメンで起用することも考えましたが、実際に全体で練習できる時間が試合前日の公式練習60分のみで、その時間内でピッチでのコンディションを上げるトレーニングをしないといけない、いろいろな確認をしなければいけない。ヨーロッパから来た選手たちがプレーできる状態だと確認できたことと、トレーニングとミーティングを含めて、試合までの時間がない中で、画を合わせる作業は選手を変え過ぎた場合、難しい作業だということが選択肢にありました。山根の起用については、室屋(成)ももちろん我々がボールを握りながらでも、ハードワーク、推進力を生かす、攻守に絡めるというところで知見を生かしていけると思いますが、ボールを握りながらの戦いの中で山根の良さが生かせるということで起用という選択にいたりました。

―――前半、南野拓実が絞り、長友が縦を取り、守田が外に開く形を取ったことで相手を外せたが、遠藤航の負担が増えた。後半は中に絞ったことで守備の安定になったが、リスクがある状況だった。

おっしゃられることも起きていたと思います。ただまずは、我々がベトナム戦で勝たなければいけない試合だということで、アウェイで厳しい、難しい戦いになることを考えながら、より攻撃の部分で選手たちがアグレッシブにプレーしてくれた形が、南野が前線の内側に入り、長友が高い位置を取り、そこのスペースで守田がボールを受けると。相手のシステムが5-3-2で、我々がうまくスペースを突くという部分では、選手たちが賢くプレーしてくれたと思っています。おっしゃる通り、相手のアンカーになかなかうまくプレッシャーがかけられなかったり、遠藤が広範囲にカバーしないといけないところはありましたが、そこは攻撃から守備に切り替わった時、選手たちがリスク管理をしながら、難しい守備の対応をしてくれたと思いますし、我々の攻撃の部分で相手も守備で手こずっていたと思います。痛手にならないことを考えながら、リスクを負って試合を進めた判断として受けとっていただければと思います。(監督の狙い通り?)練習が少ししかできていないので、選手たちがいい判断をしてくれました。

―――予選は勝つことがすべてではあるが、一方で得点は1。得点への課題。

追加点を奪えた方がいい試合だったと思いますし、我々が今後W杯の出場権を掴むために、より多くのゴールがあった方が、得失点差を考えたときに有利になるということは認識しています。1-0から2-0、さらに追加点へとつなげられればという理想は常に追っていきたいと思いますが、2点目があれだけスーパーなゴールで、もしかしたらレフェリーによってはオフサイドではないかもしれないというところ、レフェリーの判断は100%リスペクトしていますので、それに対して意見を言うつもりはありませんが、2点目は奪ったと言ってもいい形ができていたと思います。決定力という部分では、公式記録上の2点目を奪うチャンスはあったので、決めきることができれば、ということはあったと思います。そこはチームとして、攻撃のチャンスを作ってくれた選手たちにはさらに要求をしていきたいと思います。しかしながら、現地に立っていただくと一番わかりやすのですが、映像上よりもタフな試合で、ベトナムも粘り強く、球際も非常に強いチームで、チームとしても守備が整理されている中、あれだけチャンスが作れていたところを、選手たちがやってくれたことを評価していきたいと思います。もっと得点を奪えるように目指して、後半戦に準備していきたいです。

―――酒井宏樹の状態。オマーン戦まで時間もない。

ベトナム戦に向けてはプレーするのが難しいという報告を受けて、メディカルサイド、本人は次のオマーン戦に向けてプレーできるように、別メニューで調整しています。最終的にはこれから経過観察して、試合に出られるかどうかを見極めたいと思います。現段階ではオマーン戦に向けて、プレーすることを目指して別メニューでトレーニングをしています。

―――原口元気をインサイドハーフで起用。クラブではやっているポジションではあるが、起用の意図。

(守田英正が)イエローカードをもらっていたからではなく、試合を勝ち切るために元気の守備力、いい守備からいい攻撃につないでいける推進力といった特長を生かしていければということで交代枠を使いました。形は4-3-3とは違いますが、ウニオン・ベルリンでは3-5-2のインサイドハーフで良さを出していると確認しているので、本人がチームの中で非常に生きているポジションで起用しました。役割は3ボランチや1アンカーのインサイドハーフで違いはあるかもしれませんが、中盤選手3人の関係でいい守備からいい攻撃につなげていこうというところで彼の良さを生かせるということで交代カードを切りました。

―――交代枠5人を使った。オーストラリア戦は5枠を使わず。5枠を使っての戦い方。

代表活動に集まってくれている選手たちは日ごろの活動で、所属クラブでの存在感を発揮して参加してくれていますので、できれば全員ピッチに立たせてあげることができればと思っている中で、なかなかそういう状況を作ってあげられていないことは、選手たちにストレスをかけているなと。僕自身はできれば使ってあげたいという思いを持っている中で交代枠があり、チームとして先発する選手、サブの選手、サポートの選手がいて試合に勝っていくことができ、チームとしての戦い方としてはいい形かなとは思います。しかし、交代枠が5人であったり、時には使わなかったりとありますが、勝つために、そして試合の流れを見ながら最善だということで交代枠を使わせてもらって、結果はすべて勝てるわけではありませんが、勝利を目指して少しでも、そしていい戦いができるということで交代枠の選択をしているので、そこは理解していただければと思います。

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