ワニに脚を噛みつかれた60歳男性 小型ナイフ1本で撃退後、自ら病院へ向かう(豪)

男性がワニに襲われたのは、豪クイーンズランド州北部ヨーク岬クックタウンにある「McIvor River」という川だった。この場所は男性の自宅近くにある所有地の一部で、釣りを楽しむために訪れていた。

男性はいつも通りに釣りを始めようと川の土手を降りたが、釣り竿を垂らすのに良さそうなスポットに牛がいたので追い払ったという。そして水際に立ち、狙いを定めて釣り糸を投げ入れようとした。しかしその瞬間、水中に身を潜めていたワニが飛び出して男性の脚に噛みついた。

おそらくワニは最初にいた牛を狙っていたのだろうが、男性は牛を追い払ってその場所に立ってしまったので、運悪くワニに襲われてしまったのだ。

男性は体長4~4.5メートルはあったというワニに襲われる直前、ワニの姿を目にしていたという。だが逃げることは間に合わず噛みつかれてしまい、そのまま水中に引きずり込まれそうになった。

咄嗟の判断でそばにあったマングローブの木の枝を掴み、必死に抵抗した。しばらく綱引き状態になったがワニの強すぎる力には勝てず男性は力尽きてしまい、枝を掴んでいた手を離してしまった。

絶体絶命の状況だが、それでも男性は諦めなかった。男性は枝から手を離すとベルトに装備していた小型のナイフを手に取り、ワニの頭めがけて振り下ろしたのだ。

何度か刺すとさすがのワニもこの攻撃にひるんだようで、噛みついていた男性の脚から離れて逃げていった。男性はこの隙に、急いで土手の上へ登って安全な場所へ逃れた。勇敢にワニと戦った男性の行動には驚嘆してしまうが、驚くのはこれだけではなかった。

ワニの強靭な顎で噛まれた脚は酷い怪我をしていたはずだが、男性は救急車を呼ぶことはせず、自ら車を運転して近くのクックタウン病院(Cooktown Hospital)へ向かったのだ。しかし男性は重傷だったようで、その後は設備の整ったケアンズ病院(Cairns Hospital)へ搬送された。治療を受けた男性は、現在快方に向かっているそうだ。

今回の件について、クイーンズランド州環境局のマット・ブライエンさん(Matt Brien)は「こんな芸当ができる確率はゼロに近いですよ」と男性の行動に目を丸くしたという。またこのニュースを知った人からも「この男性はどうやって運転したんだろう」「この人は幸運すぎるね」と怪我をしながらも生還した男性に驚きの声があがっている。

なおワニが人を襲った場合には安全のために捕獲・殺処分されることもあるが、今回は男性の所有地内であったことからワニはそのまま放置されるという。

画像は『What’s Now 2021年11月11日付「Australian, 60, fights crocodile with pocket knife and drives to hospital | World news」』『Channels Television 2021年11月10日付「Australian Man Fights Off Crocodile With Pocket Knife」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 iruy)

2021/11/11 19:33

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