平成生まれの経営者が「自己肯定感の維持」を最優先課題にするワケ

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―[ダメな自分でも武器になる]―

 コンビニバイトはクビでも社長はできた――。かつてヒカルやラファエルといった人気YouTuberを抱え、設立4年目で年商14億円企業に成長したインフルエンサープロダクション「VAZ」。その創業者の森泰輝氏は、実は元々は引きこもり大学生だった。

 周囲と馴染めずに家から出られなくなり、始めたアルバイトも次々とクビに……。「自分は何もできない人間だ」と悩んだ末にたどり着いたのは、苦手なことでは努力をせず、ひたすら得意なことを伸ばすという人生哲学だった。

「ダメな部分を認めると、自分の活かし方がわかる」と語る森氏が教える、自己肯定感維持の重要性とは?

*本記事は森氏の著書『ダメな自分でも武器になる』を再構成したものです。

◆人生のどん底を経験した「VALU炎上騒動」

 自分が苦手なことや失敗ばかりを見ていると、「俺は何もできない人間なんだ」と自分を信じられなくなり、本来の持ち味すら活かせなくなります。僕にも、そんな経験が何度もありました。

 もっとも痛感したのが、「VALU炎上騒動」のときです。今振り返れば、マネジメントが杜撰だったことや、タレントの影響力が社会から見てどれほど大きいのかに想像が及んでいなかったことなど、反省材料は山のようにあります。「騒動前にこうすればよかった」と思い返すことも、一度や二度ではないです。

 ただ、騒動が起きた直後の自分は、まさに「人生のどん底」にいる気分で、一体どうしたらいいのかさえ考えられない状態でした。

 朝から晩までクライアントへの謝罪に足を運び、クタクタになって会社に戻れば、社員からは冷たい目で見られる。そんな毎日を送った結果、「俺は本当にダメなやつだ」と自信を失い、どんどん自分が嫌いになりました。そんな精神状態だと、仕事はことごとくうまくいかなくなります。

◆失敗した事実にばかり目を向けると「自己肯定感」が崩壊

 どうにか会社を建て直そうと、マネジメントの改善を試みても、社員からの反発が強く進まないし、セールス資料の見直しに取りかかっても、完成した資料の出来栄えがお粗末なもので、現場からは不評の嵐でした。

「あれもこれもやらなくては」と焦った結果、本来自分がやるべきことがおろそかになっていき、失敗が増えていきました。

 その仕事上の失敗は「自分は何もできないダメな人間だ」という自己否定を生み出し、負のループへ引き入れます。

 自分が犯した間違いは誠実に受け止め、反省し、改善の努力をしなくてはいけません。 しかし、失敗した事実にばかり目を向けると「自己肯定感」が崩壊します。 僕の経験上、そこから這い上がるには途方もないエネルギーが必要です。

◆自己否定の負のループから抜けだす秘訣

 VALU炎上騒動が起きてからしばらくは“どん底”にいる気分だった僕ですが、そこから這い上がれたのは、やはり「自分が本来やるべきこと」にもう一度集中したからでした。

 自分が「苦手だ」と思うことに時間を割くのをやめて、これまで自分が成果を発揮してきたタイアップ案件の営業や投資家との交渉にエネルギーを集中したのです。

 すると、世の中全体のYouTuberに対する追い風もあり、少しずつ売り上げが回復。そうして再び一から成功体験を積むことによって、ようやく自己肯定感が回復した気がします。言うなれば「本来の自分」を取り戻せたような感覚でした。

 ミスや失敗をして自分が嫌いになりそうなときは、むしろ過去の成功体験や「自分が本来すべきこと」に目を向けることで自己肯定感を維持すべきだと思います。

―[ダメな自分でも武器になる]―

【森泰輝】
1990年、兵庫県生まれ。2015年にYouTuberなど動画インフルエンサーのプロダクション「VAZ」を起業。インフルエンサーマーケティング事業やSNSプラットフォーム事業などを手がけて同社を急成長させる。現在はTikTok運用に特化したマーケティングエージェンシー「Pien」の代表を務める。著書に『「ダメな自分」でも武器になる』 (Twitterアカウント:@taiki_pien)

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  • 日刊SPA!

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