薄毛やED、男性の悩みにも貧富の格差が生まれるワケ

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 年収と健康には因果関係がある――近年、さまざまな研究によってそんな事実から明らかにされてきた。格差が広がる日本でも問題視され始めた「健康格差」が今、新型コロナの影響で深刻化している。今回は薄毛やED、男性の悩みにも貧富の格差が生まれる理由について医師に聞く。

◆薄毛やEDでも健康格差が生まれる?

 男性の悩みの種となる薄毛やED。貧困層にありがちな生活習慣や食生活は、それらの重大な危険因子になり得るという。まずは薄毛について、湘南AGAクリニックの阿部吉伸氏に話を聞いた。

「カップ麺やコンビニ弁当などの糖質過多な食事は、高血糖による酸化ストレス障害を招きます。また、遺伝でAGAの方はジヒドロテストステロンという男性ホルモンが分泌され、髪を作り出す毛母細胞の働きが低下。ひいては薄毛に繋がります」

 民医連が96の医療施設で行った「2型糖尿病患者」の調査によると、40歳以下で年収200万円未満の患者は57.4%にも及ぶという。こうした現状をEDの観点から見るとどうなるか。プライベートケアクリニック東京の小堀善友氏は話す。

「糖尿病の合併症である血管内皮障害や末梢神経障害は、EDの発生に有意に関わるとされています。日本性機能学会と日本泌尿器科学会が出している『ED診断ガイドライン』によると、糖尿病患者の35~90%にEDが発生し、EDの発生時期も非糖尿病患者より10~15年早まるということです」

 両氏が口を揃えて言うのは、薄毛とEDは共に「老化現象」であるということだ。特に夜勤などによる不規則な生活や睡眠不足が加齢を促進するという。

◆富裕層との違いはどのような部分に?

 では、富裕層との違いはどのような部分に出てくるのか。前出の阿部氏はこう語る。

「薄毛は遺伝的要因も大きいのですが、収入で明確に差が出るのは治療継続の面。なぜなら、保険が適用されない薄毛治療では、すべてが実費になるからです。フィナステリドやミノキシジルといった内服治療なら月3000円より、フルセットなら月1万円で、それを5~10年続けられる経済力があるかどうかなのです」

◆EDを治すには?

 EDに関しても、まったく同じことが言えるという。

「EDを治すには、バイアグラやレビトラ、シアリスといった薬を飲むしかありません。一粒1000円程度と決して高価ではありませんが、大切なのは継続すること。EDの発生要因はそのほとんどが生活習慣なので、経済的に苦しくてもとにかく生活改善、予防に徹することが重要です」(小堀氏)

 無論、すべての原因が貧困にあるとは言い切れない。が、富裕層と比べるとそこに格差が生まれることは明らかだ。

◆【阿部吉伸氏】
医療法人湘美会湘南メディカルクリニック新宿院院長を務めたのち、湘南AGAクリニック西新宿院で医師として現職。専門は心臓血管外科だが、AGA治療のプロでもある

◆【小堀善友氏】
プライベートケアクリニック東京東京院院長。男性性機能障害を専門とする泌尿器科医で、著書に『泌尿器科医が教える オトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)など

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[年収×健康 残酷な格差]―


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  • 11/9 15:52
  • 日刊SPA!

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