「負け組の正社員」と「早期退職してフリーランス」どっちがいい? 専門家に聞いた正解は

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 かつては安泰の代名詞だった正社員。だが、終身雇用や年功序列が崩壊、正社員といえども9割は負け組に落ちようとしている。では負け組正社員としてでも会社に居座るのと、早期退職しフリーランスとして独立、どっちがいいのか考えてみたい。

◆まずは“負け組”正社員にならないこと

 負け組正社員にならない、もっとも普遍的な解決策はひとつ、労働市場でニーズのある“スキル”を持ち続けることだ。

「人事異動など会社の方針に委ねるばかりで、自らのキャリアを自律的に形成していないことが “負け組”の共通点と言ってもいい。今からでも遅くないので、これまで培ってきたスキルとキャリアを棚卸しし、自分の持つスキルがどんな場で求められるのか。何が不足し、何を学び直すべきなのかを客観的にチェックすべき」(400社以上で人材育成を支援する前川孝雄氏)

 負け組からの脱出にはスキルの棚卸しが急務であるのは大前提。「長らく日本企業に勤めてきたフツーの正社員」が生き残るためは、いまの自分をいかに客観的にみられるかにありそうだ。

 残念ながら会社で必要とされる“スキル”もなく、負け組正社員が確定してしまったら、どうすべきなのか?

◆いっそ正社員を辞めてフリーランスになる道は!?

 会社の居心地の悪さに耐えるより、いっそ「正社員はやめるべき?」と考える人も多いはず。脱サラしてフリーランス化する生き方についても考えていきたい。

「1年で37.3%、3年で62.4%。10年で88.4%。これはフリーランスとして独立してからの廃業率です(中小企業庁調べ)。どんなにスキルがあっても、人脈や営業力がなければクライアントを継続できず、残りの人生をフリーランスとして稼ぎ続けるのは至難の技。厳しい言い方ですが、現時点で1割の“勝ち組”に入れていない会社員が、どこまでフリーランスとして生きていけるか……。

 個人的見解として『正社員の人は絶対にその地位にしがみつこうとすべき』だと言いたい。その上で副業に勤しむのが、生き残り方としてはベター。45歳定年制が実現するまであと10年はかかるとしたら、昇給の見込みはなくても10年間は猶予があるということ。それまでに月5万円でも副業で稼ぐ努力をしたほうがいい」(経営コンサルタントの中沢光昭氏)

◆明るい未来がなくても正社員?

 明るい未来こそないが、可能な限り正社員という地位にしがみつくべき――。中沢氏に限らず、他の識者からもほどほぼ同様の見解が聞かれた。「稼ぎ続ける」「より高い収入を得る」ことのハードルが社会全体で上がるなか、正社員という地位をかなぐり捨てるのは現時点でリスキーな判断のようだ。

「悲観的な話に気が滅入りがちですが、そんなときはこれからの人生にかかるコストを真剣に試算することをオススメします。色々と穴はあるが、日本には年金制度も健康保険制度もある。『これだけの稼ぎと蓄えがあれば、なんとか生きていける』という残りの人生のマネープランに安心できれば、やりたいことに打ち込む希望も見えてくるものです」(前川氏)

 正社員の特権は今後も失われていく一方だろう。だが、その事実から目を向けないことが、今我々に求められるスタンスなのかもしれない。

◆【FeelWorks代表 前川孝雄氏】
「上司力研修」を提供する研修会社「FeelWorks」創業者。近著に『人を活かす経営の新常識』(株式会社FeelWorks)、『本物の「上司力」』(大和出版)など

◆【経営コンサルタント 中沢光昭氏】
経営コンサルタントとして活動する傍ら、経営者として破綻企業などの再生を行う。『好景気だからあなたはクビになる!』(扶桑社新書)など著書多数

<取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/杉原洋平 モデル/加藤昌夫 伊藤義浩>

―[正社員[9割は負け組]説]―


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  • 日刊SPA!

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