台湾発の江浙料理店『點水樓』(新宿)で上海ガニのフルコースを堪能してきた!

 中華圏で秋から冬のご馳走といえば、上海ガニを思い浮かべる人も多いはず。ベストシーズンは9月から2月と言われていますが、秋が深まりつつあるこの時期は、ぎっしりと詰まった卵が格別なんです。本場でも、高級食材として人気の上海ガニ。それを思う存分コースで味わえると聞き、早速出かけたのは新宿の高級台湾江浙(こうせつ)料理店『點水樓』(ディエンシュイロウ)です。こちらは日本ではまだ珍しい、中国東部の江蘇省・浙江省で発祥した伝統的な料理の「江浙料理」が食べられるというから期待も高まります。

『點水樓』は台北でも有名な高級台湾江浙料理店。台湾版ミシュランと呼ばれる「台湾レストラン評価」で、2度の5つ星を獲得しています。その高級台湾レストランが日本に上陸したのは2018年のこと。四ツ谷店をオープンすると、待ちかねていた日本のファンや美食家たちから支持を得て、たちまち人気店に。2020年には新宿店をオープン。高級感漂う雰囲気の中、旬の食材を使った美味しい台湾江浙料理が食べられると評判のお店なのです。

豪華絢爛な贅を尽くした台湾江浙料理を堪能!

 あまり聞き慣れない「江浙料理」とは、どんなもなのかとお店のスタッフに伺うと、「季節の農産物や、長江、東シナ海で獲れる豊富な魚介類を生かし、旬の食材を使った料理です。さっぱりとした塩味をベースに、柔らかな歯ごたえと鮮やかな盛り付けを特徴とした料理なんです。」とのこと。中国東部の江蘇省・浙江省で発祥した伝統的な料理は、台湾で評判となり、満を持して日本へ上陸しました。

 さあ、その「江浙料理」の冬のメニューは、上海ガニがフルコースで登場します。前菜から始まって、繊細な身と濃厚な蟹味噌がふんだんに味わえる上海ガニの料理からスイーツまでの全7品。台湾江浙料理店に来たならば、絶対食べておきたい小籠包にも上海ガニがたっぷり入って大満足。そしてメインの料理は、上海ガニを丸ごといただく「蟹斗」です。

 前菜、そして運ばれてきたのは「上海ガニの茶碗蒸し」。蟹味噌の特製餡がたっぷりとのっています。卵は滑らかでやわらかく、口当たりがよくて美味。そして「白菜の蟹味噌あんかけ」は、蒸した白菜に、上海ガニの身と蟹味噌のソースがたっぷりとかかっています。白菜の甘みと、豊かに香る上海ガニの風味がたまりません。

 次はパスタのフィットチーネのような幅広の春雨「銀皮(平春雨)の蟹味噌掛け」が登場。これまた蟹の身と蟹味噌がこれでもかとふんだんにのって、春雨によく絡んでとっても美味。ここまででも上海ガニの旨さにすっかりやられていますが、次には筆者的最大のメイン料理「蟹斗」がやってくるんです。ああ、楽しみ!!

足の先まで余すとこなく一杯全部食べられる上海ガニを実食!

 丸ごと一杯の上海ガニが運ばれてきました。メニュー名の「蟹斗」とは何かとお店のスタッフに聞いてみると、「蟹斗と書いて、シェードゥと読みます。意味は、蟹の升の盛り合わせということで、上海ガニを食べやすくほぐしたものを甲羅に盛っています。」とのこと。なるほど甲羅には、ほぐした身、卵、蟹味噌がたっぷりとのっています。

 ほかの蟹とは違い、身が小さくて繊細な上海ガニの脚を食べるのは、なかなか大変。でも、こちらはさすが高級店。小さな脚まで食べられるよう、きちんと処理をしてくれています。

 そして甲羅には、蒸してほぐした身と卵、蟹味噌がふんだんに盛られています。一口いただくとそれはもう、口いっぱいに上海ガニの風味が広がって、たまらなく美味しい! 糸のように細かい身は、はじめての食感です。繊細と表現されることが多い上海ガニですが、食べてみるとその意味がよくわかりました。

台湾江浙料理の王道、小籠包にも上海カニがぎっしり!

 せっかく台湾江浙料理店へ行ったなら、やっぱり食べておきたいのが小籠包。上海ガニの小籠包は、カニの身と蟹味噌がぎっしり。『點水樓』の小籠包の美味しさの秘密は、極限までに薄く伸ばされた生地。透けるような生地が、旨みをぎゅっと閉じ込めて、上海ガニの美味しさを逃さないのです。

 ほかにも秋の味覚が楽しめ、この季節ならではの贅沢な食材、松茸や、パクチーと鯛の小籠包がセットになってお目見え。そうそう、この餡には、小田原名物のかまぼこの名店「鈴廣」のすり身を加えているのだとか。名店同士のコラボはほかのメニューにもあるんです。

 今秋はじめての試みは、小田原のかまぼこの名店「鈴廣」とのコラボです。茨城県の霞ヶ浦産の蓮根に、鈴廣のすり身をたっぷり挟んだ「レンコンのはさみ揚げ」や、香りとふわふわの食感が美味しい「松茸と豚肉の小籠包」など、期間限定で鈴廣コラボメニューが登場しています。高級台湾江浙料理と小田原名物のかまぼこなんて、そりゃあ、期待が高まります。こちらは上海ガニのコース料理にも入っている「押し湯葉巻きと揚げ麩肉詰めスープ」。金華ハムと鶏肉のダシをたっぷりと含んだ、鈴廣のすり身を巻いた湯葉の美味しいこと。もうたまらない一品で、寒い冬にはピッタリなんです。鈴廣コラボメニューは、12/30までの限定商品なので、ぜひ試してほしい一品です。

 上海ガニは小さいので、身をふんだんに食べることが難しいというイメージがあった筆者。これまではソフトシェルの揚げ物や、味噌汁の具材でしか味わったことがありませんでした。でもこのコースのように、存分に上海ガニを味わえるなんて、しかも小さな脚まで丸ごとそのまま味わえるとは驚きです。繊細で香り高い上海ガニの旨さといったら、それはもう素晴らしく大満足でした。

●SHOP INFO

店名:點水樓 本館(ディエンシュイロウ)新宿店

住:東京都新宿区新宿5-16-1
TEL:03-5363-7220
営:ランチ11:30~14:30(L.O.14:00)、ディナー17:30~22:30(L.O.22:00)
休:無休

●著者プロフィール

矢巻美穂(やまき・みほ)
国内外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国、ウラジオストクなどのフォトガイドブックを執筆。近著は『東京で台湾さんぽ』(イカロス出版)。また、YouTubeで「旅ちゃんねる MinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。

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