高級ブランド「ボッテガ・ヴェネタ」がSNSから撤退しても“絶好調”な理由
―[MBのヘビーユース108(心底惚れ込んで愛用しているアイテム)]―
◆105/108 キーリング(BOTTEGA VENETA)3万7400円
若き天才ダニエル・リーがデザイナーに就任して以来、ファッショニスタから熱狂的に支持されているボッテガ・ヴェネタ。
以前までは「職人気質な財布やバッグのブランド」というイメージがぬぐい切れませんでしたが、ここ最近ではトレンドセッターとしてウェアからシューズまで幅広く受け入れられています。
◆新しいトレンドの火つけ役に
有名なスクエアカットのボリュームブーツなどは国内外のあらゆるブランドが模造品を作るほどの大人気ぶり。ZOZOで検索しても似たようなデザインシューズが山ほど出てくる。
フレアシルエットがメンズで広まり始めたのもボッテガのコレクションの影響が大きかった。最近、街で目につく鮮やかな「グラスグリーン」カラーの服もボッテガが火つけ役です。
◆あえてSNSから距離を置くブランディング
ボッテガは、特殊なブランディングも特徴。まず彼らは今現在、SNSから距離を置いています。公式インスタグラムはもはやブランドとしてマストですが、彼らはこれらを廃止したのです。
また、ロゴなどのアイコンを用いないのも異例。メゾンマルジェラの4本のステッチ、ディオールの蜂マークなど、通常、ハイブランドにはアイコンがあります。
しかし、ボッテガはアイコンを作らない。それどころか製品にブランド名の刻印をすることすら消極的なのです。
◆クオリティの高い製品こそアイコン
もともと職人ブランドであるボッテガは卓越した技術力で良品を作ることにこだわっており、「クオリティの高い製品こそがアイコンである」という思想を持っています。
ブランドを代表する編み込みレザーは技術の高い職人でないと不可能なものですが「これができること自体がブランドの主張になる」と考えているわけですね。
◆小物にまで宿る独特の色表現
評判を自分たちでつくるのではなく、あくまでユーザーに委ねる姿勢は他ブランドと一線を画すものです。そんなボッテガですが、やはり価格は相応に高い……。
そこでこうしたキーリングやAirPodsケースなどの小物から入ってみてはどうでしょう。クオリティの高いレザーやダニエル・リーならではの独特の色表現はこうした小物にも生きています。
今後のファッションを牽引するボッテガのアイテム、一つ持っておくことをおすすめしますよ。
商品、衣装/すべて私物 撮影/林 紘輝(商品) 岡戸雅樹(人物)
―[MBのヘビーユース108(心底惚れ込んで愛用しているアイテム)]―
【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』ほか関連書籍が累計100万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)
ソフィア
11/8 4:13
全然撤退してない件