【アルゼンチン共和国杯】大きく飛躍する馬が現れる東京の名物ハンデ重賞/長岡一也

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【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆長距離色の濃い種牡馬の産駒が活躍するレース

 東京の2500米のハンデ重賞、アルゼンチン共和国杯は、決め手にスタミナがプラスされてもとめられている。スタート地点が直線の坂下で、このスタンド前はレースの終盤と合わせて2度坂越えすることになる。前半はゆったり流れていても、向こう正面の3コーナー手前からペースが上がり、そこからゴールまでずっと我慢比べが続いていく。似たようなコース取りでもダービーやジャパンCより100米長いだけで、もとめられるものが少し違っている。これがアルゼンチン共和国杯の特異的なところであり、味わい深いところでもある。

 この10年の勝ち馬の父は、ハーツクライが最も多く3回、ゼンノロブロイが2回、あとはスターリングローズ、スクリーンヒーロー、ステイゴールド、ルーラーシップ、オルフェーヴルが1回ずつとなっていて、芝の中長距離で圧倒的に強いディープインパクトの名前がないのだ。もう少し詳しくみてみると、この8年で産駒が15頭出走してきたディープインパクトは、2着が一度あるだけ。2017年に準オープンのソールインパクトが53キロで健闘した以外は、すべて馬券圏外に終わっている。これに対しハーツクライは、9年間で18頭が出走して3勝、2着2回と存在を示してきた。より長距離色の濃い種牡馬の産駒が活躍してきたと言ってもいいのではないかと感じている。

 こうしたこれまでの傾向の中で、これぞアルゼンチン共和国杯と思ってきたのがスクリーンヒーローだ。2008年、格上挑戦の53キロの軽ハンデでしっかりと末脚を伸ばして勝利し、続くジャパンCでは9番人気をくつがえし、大金星を上げていた。このときは、ウオッカ、ディープスカイ、メイショウサムソンの3世代のダービー馬に、菊花賞のオウケンブルースリ、有馬記念のマツリダゴッホが出走して、正に頂上決戦だったが、初めてのGIの舞台にもかかわらず好位集団の外でスムーズに折り合いをつけ、早目先頭で立って粘り勝ちしていた。成長力に富むグラスワンダーの仔のスクリーンヒーローは、菊花賞を前に骨折、約1年ぶりに札幌で復帰していた。

 そして3ヶ月余りでGI馬に上り詰めたのだが、実にその産駒のゴールドアクターが、2015年に似たような快挙を成し遂げている。菊花賞3着から約9ヶ月ぶりに函館から復帰、条件戦を2連勝してアルゼンチン共和国杯を勝ち、暮の有馬記念で頂点を極めていたのだ。スクリーンヒーロー産駒は、これまで10年で2頭しかアルゼンチン共和国杯に出ていないが、今年は2頭いるのでちょっと気にしたくなっている。奥手で成長力のあるもの、この東京の名物ハンデ重賞にふさわしいものはと、思いをめぐらせてみたい。スクリーンヒーロー、オルフェーヴル、ルーラーシップといった産駒に目がいくレースだ。

「夢新た 飛躍の秋に また一歩」

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  • 11/6 12:00
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