ハロウィンの装飾用コンタクトレンズで失明しかけた女性「レンズと一緒に角膜が剥がれた」(米)

米ワシントン州シアトルに住むジョーディン・オークランドさん(Jordyn Oakland、27)は、昨年のハロウィンパーティで仮装するためファッションブランド「ドールズ・キル(Dolls Kill)」のオンラインショップで購入したコスチュームコンタクトレンズを装着した。

そしてそのレンズを外す際、眼球の表面が一緒に剥がれてしまい失明の危機に陥ったという。

ジョーディンさんは当時のことをこのように振り返っている。

「昨年のハロウィンで『人食いエステティシャン』の仮装をするために真っ黒なコンタクトレンズを使いました。みんなで遊んでいると目に刺激を感じて不快になってきて。私は以前からコンタクトを使っていて、いつものように外そうとしたらうまく取れず、強く引っ張ったんです。すると涙が溢れてひどい傷ができたように感じました。」

「目は真っ赤に充血して何かの破片が刺さっているような気がして、それを取り除こうと目薬をさしたり、ひたすら目を洗いましたが何も出てきませんでした。友人に懐中電灯で見てもらって何か入っていないか確認してもらいました。」

「寝れば治ると思っていましたが、あまりの痛さに翌朝6時に目が覚めて。目が腫れていて今まで経験したことのないような痛みで目を開けるのがやっとでした。救急病院に向かう車の中でも燃えているような引っ掻かれているような痛みがずっと続いていました。」

診察を受けたジョーディンさんは医師から「コンタクトレンズが角膜の外側の層を剥がしてしまっていて失明する可能性もある」と告げられたが、幸いなことにその2日後から奇跡的に回復し始めた。しかし視力が低下し、再発性角膜びらんの可能性があると言われたそうだ。

ジョーディンさんは「痛み止めを飲んで1週間寝込んでいました。最初の2日間が一番怖かったです。視界が完全にぼやけて何も見えなくて、右目が見えなくなってしまうのではないかと心配しました。『再発性角膜びらん』の可能性があるということはある朝、目が覚めた時にまたあの恐ろしいことが起こるかもしれないということです」と語り、さらに現在の状態についてこう明かした。

「あれ以来、目の中心が常に乾燥していて敏感になっているので、サングラスをかけずに太陽の下に出ることはできません。もともと右目の視力が左目に比べて弱かったのですが、今はさらに悪くなっています。目の前にあるメモ帳を右目で見ても文字が見えないのです。」

「コスチュームコンタクトを試してみようかなと思って注文してみたものの、ウェブサイトにはメーカーの情報や使用している人のレビューや写真がなかったので嫌な予感がしました。それでも人気のあるオンラインサイトだったので大丈夫だろうと思ったのです。コスチュームコンタクトを使っている人はたくさんいるので、正直こんなことが起こるとは思いませんでした。」

この経験からジョーディンさんは「デビットカードを使ってオンラインで何かを注文することは、若者たちにとってどれだけ簡単なことかと思うと怖いです。コスチュームコンタクトを装着する時には事前にしっかり調査をすることが大切です」と呼びかけた。

これに対しファッションブランド「ドールズ・キル」の広報担当者は、このレンズの製造者ではないとしながらも「私たちはお客様の健康と安全を非常に重視しており、取り扱う製品やメーカーを慎重に精査しています」と話している。

またレンズメーカー「カムデン・パッセージ(Camden Passage)」社の広報担当者は、次のように述べた。

「装飾用、視力矯正用にかかわらず、すべてのコンタクトレンズは規制対象の医療機器です。怪我をしないためには使用説明書にしっかりと従う必要があります。今回のケースでは、お客様は付属の使用説明書を読まれていませんでした。臨床研究によると避妊薬、アルコール、アレルギー薬などドライアイの原因となるものは、コンタクトレンズの装着を不快にし有害事象の可能性を高めます。当社のコンタクトレンズは視力矯正用のコンタクトレンズと同じ基準で製造されており、コンタクトレンズの製造において世界的に最高レベルの認証である『MDSAP』と『ISO13485』の認証を受けています。また年に一度の監査で使用実績調査が行われており、コンタクトレンズ事業を始めてから11年間は有害事象が発生したことはありません。」

画像は『The Daily Star 2021年10月30日付「Make-up artist suffers Halloween horror after contact lens rips off layer of her eyeball」(Image: Kennedy News and Media)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 上川華子)

2021/11/6 4:00

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