「学校に行くのも家にいるのもつらい」10代の声と寄り添う言葉

ラジオの中の学校、TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」。11月4日(木)の放送では、番組の掲示板に書き込まれた投稿から気になるものを取り上げ、パーソナリティのこもり校長とぺえ教頭が直接その話を聞いていく『掲示板逆電』をお届けしました。

今回は生放送パートの時間すべてを使って、15歳の女性リスナーの言葉に耳を傾けました。そのやり取りを、前後編にわたって紹介します。その前編。

こもり校長:生徒(リスナー)が、今日あったことだったり、今の気持ちだったりを、いつでも何でも書いていい場所が、我が校のウェブの中の教室「学校掲示板」です。今日はその書き込みのなかから、直接話を聞いていきたいと思います。

――リスナーから届いた書き込み

「居場所がない」

中3の私は、立場上受験生です。

しかし、学校にはほとんど行っていません。

行ったとしても授業一コマいるかどうかくらいで、いわゆる不登校です。

中2の秋に家庭環境がガラリと変わったことでいろいろ崩れてしまい、授業に出るのがつらくなり、提出物も遅れ始め、テストの点も下がって、成績も落ちて……と以前の私とは別人のようになってしまいました。

学校にいるのがつらいなら家にいればいい、とも思いますが、家にいてもスマホしかせず、勉強は全くしません。家事も苦手なので必要最低限のことしかせず、よく母に怒られます。そういう自分が大嫌いです。

家も学校も嫌で、どこにいればいいのかわからなくなっています。

何回か全部終わりにしようとも考えました。

でも、学校の違う親友が電話で何回も励ましてくれて、いろいろ落ち着いたらディズニーとかいろんな所に遊びに行こうねと約束しているので、それがなんとか生きる気力になっています。

それでも、やっぱりつらいものはつらいです。

どんどん自分が嫌いになっていきます。

(一部抜粋)

こもり校長:もしもし! 掲示板に書き込んでくれてありがとう。ちょっといろいろ聞かせてもらってもいい? もし途中で思い出しちゃったり、いやだ、ってなっちゃったら、言わなくていいからね。

リスナー:はい。

こもり校長:いま、学校は行けていないのかな?

リスナー:スクールカウンセラーの先生とのお話とかもあるので、最低でも週に1回は行っていて。でも授業には出ていないです。

こもり校長:うん……自分のなかで「学校に行くのが嫌だな」となったのは、いつごろからなの?

リスナー:学校にほとんど行かなくなったのは3年生になってからなんですけど、少しずつお休みしたり早退したり……というのが増えてきたのは、2年生の最後ぐらいです。

こもり校長:そうか……きっかけというのは、何だったのかな?

リスナー:もともと父が、暴力をしつけの一貫だと考えている人で。小さいころからそういう圧力とかに怯えていたんです。(中学)2年生の秋ごろに私が我慢できなくなって文句を言ったら、それがきっかけとなって父と別居することになったんです。

ぺえ教頭:うん。

リスナー:そういう家庭内の環境がガラっと変わったことが、大きなきっかけでした。

こもり校長:うん……全部をわかってあげられるわけではないけど、(父親に言ったことは)文句ではないと思うよ。もしそこで自分を責めてしまっていたり、「あの一言さえなければ」と思っているなら、それは思わなくていいことだと思う。

ぺえ教頭:うん。

こもり校長:それからはお母さんと、きょうだいと住んでいるのかな? 引っ越しもしたの?

リスナー:いや、引っ越しはしていないです。

こもり校長:じゃあ(書き込みにあった)『家庭環境がガラリと変わった』というのは、いままで経験したことのないような言葉を聞いたり……という環境の変化が、自然とストレスになっていたのかな?

リスナー:たぶんそうだと思います。

こもり校長:それから学校でもいろいろできなくなったということだけど、それは自然とできなくなっていったの?

リスナー:家で普通にしていた勉強ができなくなってきて……手につかなくなってきて、学校で授業を受けるのもつらくなって早退とかもして。それでまた勉強ができなくなって……という悪循環というか。それで、段々とできなくなっていったという感じです。

こもり校長:そうか……でも家にもいづらいんだよね? (書き込みに)『家事も苦手で…………母に怒られます』とあったけど、どう怒られるの?

リスナー:私も忘れることが多くて、言われて「あっ」と思って「忘れてた」と言う前に、「何でやってないの?」と言われちゃう感じです。

ぺえ教頭:やろうとはしているんだけどね。

こもり校長:そうだね……それで自己嫌悪に陥っちゃうのかな?

リスナー:はい。妹のほうが家事とか母に貢献するようなことができているので、「お姉ちゃんなのに、何でこんなにできないんだろう……」とか。

こもり校長:そうか。妹からも何か言われるの?

リスナー:学校にも部活にも塾にも行かず、家でずっとスマホをやっているその状況を見て、「お姉ちゃん、この世にいる意味ないんじゃない?」って言ってきて……。

ぺえ教頭:うん……。

こもり校長:じゃあ家にいるのもつらいな。

リスナー:はい。

こもり校長:家の外に出ることはあるの?

リスナー:祖母がよく家事の手伝いに来てくれるんですけど、よく「お散歩に行こう」と言って買い物に連れて行ってくれたりします。

ぺえ教頭:おばあちゃんに、自分の気持ちを相談したことはあるの?

リスナー:相談はないですけど、環境が変わった直後くらいに自分の気持ちを紙に書き出したことがあるんです。その紙を見られちゃって、知られちゃったみたいな。

ぺえ教頭:じゃあおばあちゃんは、気持ちを察してくれているんだね。

――書き込みにもあるように、『何回か全部終わりにしよう』と考えたことがあるというリスナー。ですが、いつも話を聞いてくれる友達の存在で踏みとどまることができたといいます。

こもり校長:そのときに、友達の言葉を思い出したの?

リスナー:はい。つらくなったら、その友達によく電話をしているんです。そのときに「頑張れ」とか「生きて」とか言われると、逆にプレッシャーになっちゃってすごくつらいんですけど。その子はそういうことは言わずに、「俺は全然遊び足りないけど」みたいな感じで遠回しに引き留めてくれて。もちろん私もいっぱい遊びたい気持ちもあるから……。

こもり校長:うん。今日はよく話してくれたよ。ありがとう。

ぺえ教頭:うん。

こもり校長:それは踏み出さなくていい一歩だからね。よく立ち止まれたね。俺は今日話せて嬉しいぞ。

ぺえ教頭:そうだね。

こもり校長:校長と教頭と職員(スタッフ)と生徒のみんなもいるよ。いや~今日よく来てくれたね。

リスナー:はい……。

ぺえ教頭:いいのよ我慢せずに、泣きたいときに泣いて……全然いいわよ。付き合うわよ~。

こもり校長:うん……(笑)。

リスナー:(笑)。

――ここで、22時台が終了。23時台も、校長、教頭、リスナーの3人で話をしていきました。

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聴取期限 2021年11月12日(金)AM 4:59 まで

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<番組概要>

番組名:SCHOOL OF LOCK!

パーソナリティ:こもり校長、ぺえ教頭

放送日時:月~木曜 22:00~23:55/金曜 22:00~22:55

番組Webサイト ⇒ https://www.tfm.co.jp/lock/

2021/11/5 17:40

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