東日本大震災で揺れている最中に“ホテル予約”!? 帰宅困難者にならないために重要な「想像する力」とは?

手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMの番組「防災FRONT LINE」。10月30日(土)の放送では、都市防災を研究している東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授の廣井悠さんに、地震が起きたときの「一時滞在施設」についてお伺いしました。

※写真はイメージです

首都直下地震の際、最大で517万人の帰宅困難者が出ると言われています。帰宅困難者のうち、近くに職場がなく行き場がないと予想される人は、92万人にのぼると言われています。

廣井教授は、10月7日(木)午後10時41分頃に首都圏で最大震度5強を観測する地震が発生したときの状況を振り返り、災害が起きたときの一時滞在施設についてこう話します。

「一時滞在施設というのは2種類あります。1つはいわゆる公共施設です。ただ、公共施設だけでは100万人もの人数を収容するスペースがありません。なので、企業・事業所のスペースを善意で開放してもらい、そこを一時滞在施設として帰宅困難者対策を手伝ってもらう、という枠組みで対策しています。

とはいえ、事業所も一時滞在施設を開放するときにはマンパワーが必要ですから、先日のような(夜の遅い)発生時間に急に言われても対応できない、という現実があると思います。なので、あのような時間帯では、基本的に公共施設でなんとか対応するしかないのかなと思います」

東京都では現在、一時滞在施設が1,137ヵ所あり、受け入れられる人数は約44万5,000人となっています。この一時滞在施設の情報は、「東京都防災Twitter」や区市町村のWebサイト、民間施設のWebサイトで開設についての情報を知ることができます。一度アクセスしてみてください。

また廣井教授は、帰宅困難者にならないためにも“想像する力”が大切だと話します。「東日本大震災の教訓を忘れないのも重要ですが、別の環境で地震などの災害が発生したら、“また違った社会現象が発生する”ということをきちんと考えておくべき。そのために重要なのは、自分がどういう状況に置かれてしまうのか、そして、どういう行動を取れば良いかという想像する力。きちんとイメージしておくことが重要ではないかと思います」

東日本大震災の際、廣井教授が多くの帰宅困難者にヒアリングをしたなかで、2人だけホテルに泊まれた人がいました。なぜ(予約が)取れたかというと、その先を考える想像力が長けていたからです。その方いわく、地震で揺れている最中に、“この後、電車が止まって自分は帰宅困難者になる……そうすると、ホテルがいっぱいになる”。そこまで見越して、揺れている最中に電話をかけたのだそうです。

「“洞察力”“将来を見通す想像力”があれば、被害をぐっと抑えることができる」と廣井教授。防災グッズなどの備えだけではなく“想像する力”を養っておくことも防災力につながります。

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聴取期限 2021年11月7日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>

番組名:防災FRONT LINE

放送日時:毎週土曜 8:25~8:30

パーソナリティ:手島千尋

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/

2021/11/5 6:40

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