西オーストラリア州カーナボンの街から約75キロ離れたブローホール・キャンプ場で3日未明、18日間行方不明となっていたクレオちゃんが無事発見された。

クレオちゃんは先月16日、母親エリー・スミスさん（Ellie Smith）と継父ジェイク・グリッドンさん（Jake Gliddon）、そして幼い妹と同キャンプ場に宿泊していた。ファミリー型の大きなテントの中は子供と両親の部屋が仕切りによって分かれており、クレオちゃんは妹のベビーベッドの横でエアベッドを敷いて寝ていたという。

クレオちゃんは16日の深夜1時半ごろに目を覚ますと、水を飲んで再び床に就いた。

そして翌朝6時頃、エリーさんが目を覚ますとクレオちゃんの姿は寝袋とともに消えていたのだ。すぐにエリーさんは緊急電話番号「000」に連絡し、警察官やボランティアなどによる大規模な捜索が始まった。

そのうち“クレオちゃんが寝袋とともに姿を消したこと”“テントの入口は閉じており、上部にある開閉ジッパーにクレオちゃんは届かないこと”などの状況から、クレオちゃんが何者かに連れ去られた可能性が浮上した。

また監視カメラにより同日午前3時過ぎに急いでキャンプ場を走り去る車の姿も確認されたが、映像は不鮮明であった。西オーストラリア州政府はクレオちゃん発見につながる有力な情報提供に100万ドル（約8500万円）の懸賞金を掲げ、クレオちゃんの行方を州をあげて追った。

赤土の乾いた大地と一方に広がる海岸線、この2つの対象的で広大なエリアをドローンやヘリコプター、衛星サテライト、またパースから派遣された100名以上の警察官やボランティアなどによる捜索が連日続けられた。

有力な手がかりが得られないままでクレオちゃんの生存を国民が案じ始めていたが、今月3日の深夜1時頃にクレオちゃん発見のニュースが一斉に報じられた。

西オーストラリア州警察のクリス・ドーソン長官（Chris Dawson）によれば2日の夜、走り去った車について有力な情報が寄せられたという。この情報を手がかりに3日午前0時46分、州住宅委員会によって管理されている1軒の家屋に警察が踏み入ったところ、施錠された家に1人でいるクレオちゃんが見つかったのだ。

クレオちゃんを救出した捜査官の1人であるキャメロン・ブレイン刑事部長（Cameron Blayne）は、発見当時の様子をこのように述べた。

「（発見した時は）クレオちゃんがそこに座っているのを見て、信じられない気持ちでした。そして、すぐに（発見の）高揚感に包まれました。」

「クレオちゃんの両親に『あなた方と話したがっている人がいますよ』と連絡したんです。」

「（クレオちゃんと両親の再会に立ち会えて）非常に光栄です。」

また西オーストラリア州警察のコル・ブランチ警視副総監（Col Blanch）は、警察官の1人がクレオちゃんを抱き上げ「君の名前は？」と尋ねたところ「私の名前はクレオよ」と答えたことを明かしている。

まもなくして警察は同家屋に住む36歳の男を現場近くで拘束したが、男は勾留中に留置場で頭を負傷し、救急車で病院に搬送された。男はクレオちゃんおよび家族とは接点がなかったという。

男は警察にも知られた存在と伝えられているが、捜査の初期段階にあるとして男に関する詳しい情報は明かされていない。

このクレオちゃんの無事を伝えるニュースにオーストラリア中が歓喜に沸くなか、スコット・モリソン豪首相（Scott Morrison）も公式ツイッターに以下のような声明を発表した。

「なんという素晴らしい、ほっとするニュースでしょうか。クレオ・スミスが発見され、無事に家に帰ってきました。」

「私たちの祈りが通じたのです。クレオの発見と家族のサポートに携わった多くの警察官に感謝します。」

またクレオちゃんとの再会に涙するエリーさんも、自身のInstagramにて満面の笑みを浮かべたクレオちゃんの写真を添えて「私たち家族はまた一つとなりました」と綴っている。

クレオちゃんは現在、両親に付き添われて病院で過ごしているが、怪我もなく元気いっぱいであるという。

画像は『7News　2021年11月3日付「Missing four-year-old girl Cleo Smith found ‘alive and well’ in locked house」（Credit: 7NEWS）』『9News　2021年11月3日付「Items seized as Cleo spends first night at home with family」（Supplied）、2021年11月3日付「How Cleo Smith was found」（Nine）』のスクリーンショット

（TechinsightJapan編集部　YUKKE）