カラダノート・佐藤代表「子どもがいると人生が豊かになると思う」妊娠・育児系のサービスに注力

笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DIGITAL VORN Future Pix」。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。10月30日(土)の放送は、株式会社カラダノート代表の佐藤竜也(さとう・たつや)さんをゲストに迎え、お届けしました。

笹川友里、佐藤竜也さん

◆ヘルスケアサービスのパイオニア

佐藤さんは、1984年生まれ茨城県出身。慶応義塾大学経済学部卒業後、株式会社フラクタリスト(現・ユナイテッド)にインターン入社。モバイルSEO事業立ち上げをおこない、2008年より事業部長に就任。2009年には株式会社プラスアール(現・株式会社カラダノート)を創業し、代表取締役に就任。創業以来、モバイルヘルスケア事業を展開し、現在はwell-being(幸福)を実現させるヘルスケアサービスの提供をおこなっています。

同社では、“家族の健康を支え、笑顔を増やす”というビジョンを掲げており、「家族と向き合うすべての人のアシスタントとして、心身ともに健康な生活を支援しようという事業開発会社です」と佐藤さん。その言葉通り、妊娠・育児中の方向けのアプリや中高年向けの健康管理アプリなど、さまざまなヘルスケアサービスを手掛けています。

創業時は、体の悩みや不安などのヘルスケア全般に重きを置いていたものの、ニーズをいち早くキャッチし、2011年には妊娠・育児中の方向けのさまざまなアプリ開発にも着手。妊娠~1歳未満の子どもを持つ親におけるダウンロード率は87%を誇り、「(開発当初の)10年前とは違って、今はみなさんいくつものアプリをダウンロードされているので、他社さんのものも使っているとは思いますけど、弊社は(その分野の)パイオニアとしてやってきたので、多くの方にダウンロードしていただいている」と胸を張ります。

現在は、陣痛間隔計測アプリ、離乳食管理アプリ、授乳・睡眠・排せつなど、赤ちゃんのお世話を記録するアプリ、予防接種の記録や接種スケジュールを登録・管理できるアプリなど、そのジャンルも多岐にわたります。また、どのアプリも作りがシンプルで使いやすいのも特徴の1つ。

「今でこそ多機能のアプリでも(多くの方が)使いこなせるようになってはいるんですけど、最初にアプリを出した10年以上前は、本当にシンプルな形じゃないとなかなか使われない時代でもあったので」と、その理由に触れます。

ここで笹川が、デジタルと健康の関係性について尋ねると、「日本の国民皆保険制度は、とても手厚くて簡単に医療を受けられますし、非常に安価に受けられることもあって、医療現場のテクノロジーは進化しているんですけど、予防の部分やウェルネス的なところは海外に比べても対応が遅かったので、ここから進化していかなければならない領域だと思う」と話します。

そして、ニーズがあることもさることながら、なぜ妊娠・育児系のサービスに注力しているかというと、「“子どもを持つこと”って、人生において絶対になくちゃいけないわけじゃないんだけど、子どもがいると人生が豊かになると思っているので、そこをためらってしまう方がいるとしたら、その不安を取っ払ってあげたい。そうすることによって、より豊かな人生が送れるサポートをしたい」と思いを語ります。

◆佐藤代表が思い描く、未来のヘルスケア

テクノロジーの進化が著しい昨今、佐藤さんは「あらゆる疾患の予防や早期発見はすべてデジタルになり、さらには自宅でできるようになっていくのでは」と予見します。

毎日の血圧を簡単に記録・管理ができるアプリ「血圧ノート」は、2013年からサービスを開始し今年9月に100万ダウンロードを突破。今後は「ただ(血圧を)測るだけではなく、スマホのマイク機能を使って心疾患、心臓の雑音があるかどうかの記録ができます。これによって、大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう)の判別ができるんじゃないかということで、東京女子医大の心臓外科の著名な先生と一緒に、その研究開発もしている」と話します。

さらに「心疾患早期発見の研究に関しては、今後の可能性が非常に期待されていて、心臓だけじゃなく脳血管などの音も録れるんじゃないかと考えています。スマホの機能を使って、そういった疾患を予防できるようなものも作っていきたい」と展望を語ります。

また、佐藤さんがとても大好きだという渋沢栄一さんの著書「現代語訳 論語と算盤」を引き合いに、仕事をするうえでのこだわりについても言及。「“社会性と収益性の両立をしていかないと事業は永続しない”という内容なんですけど、私としては社会のためになること、その一方で収益もしっかりないとサスティナビリティ(持続可能性)が保てなくなるので、社会性と収益性の両立をするためのアイデア、事業づくりにはこだわっている」と語ります。

最後に、ITが変えるヘルスケア領域の未来について問うと、「コロナ禍ということもあって、“オンライン”の部分が強調されています。ヘルスケアでもウェルネスでも IT を駆使して進化していくと思いますけど、そのオンラインと“リアルで会う”コミュニケーションの部分とがうまく組み合わさると、また人生が豊かになっていくんじゃないかなと思います」と話していました。

次回11月6日(土)の放送は、日本化粧品のキュレーションプラットフォーム「Cosme Hunt」CEOの高橋クロエさんをゲストに迎え、お届けします。米・シリコンバレーで活躍する女性起業家の視点による、ビジネスの貴重な話が聴けるかも!? どうぞお楽しみに!

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聴取期限 2021年11月7日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>

番組名:DIGITAL VORN Future Pix

放送日時:毎週土曜 20:00~20:30

パーソナリティ:笹川友里

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/

2021/11/4 11:40

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