夫「ライブ行きすぎ!」妻「あなたも時計にお金使ってるじゃん!」…お金の使い方で揉めるのはなぜか?
こんにちは、斗比主閲子です。
編集者さんと何を書こうか相談してみたところ、こんな話がありました。
妻と夫の趣味が異なる場合、それぞれかかる支出を相手にどう納得させてるのか気になります。
相手から、仕事の付き合いだからとか、生きがいだからとか言われると、止められないですけど、使ってない側からすると不公平だと感じますよね。みなさん、どうやってクリアーされているんでしょうか? お金を使いたい側がプレゼンするとか聞きますけど、本当ですか??
あるあるなモヤモヤだなと思いまして、今回の記事では配偶者のお金の使い方で揉める問題を扱ってみます。
趣味が同じでもお金の使い方で揉める
お金がかかる趣味は色々ありますけど、例えば、車や時計なんかだと数百万円ぐらい使ったりしますよね。
ブランド物のバッグを集めるのも典型的だけれど、それ以外に、スキューバダイビングが趣味で海外にちょくちょく行くとか、アイドルの地方巡業を全部コンプリートするとか、好きなものに数十万円ぐらいかける人もいます。
お金の使い方は人それぞれです。以前も書いた通り、ほとんどの人はお金を稼ぐために自分の時間の大半を費やしているわけですから、お金の使い方に、その人の人生観が現れてくるのは当然のことです。人生観が人それぞれで違うのは当たり前のこと。
翻って、冒頭に紹介したモヤモヤでは、夫婦で趣味が異なる場合にどうするかということですけど、仮に夫婦で趣味が同じだったとしても、趣味へのお金の使い方がまったく同じなんてことはなかなかありません。
映画が趣味だといっても好きな映画のジャンルが同じということはないだろうし、音楽が好きだといってもコンサートに行くのが好きな人もいれば、家の音響にこだわる人もいます。
趣味が同じでも、相手のお金の使い方が自分と違うことはありますし、お互いが同じ趣味を一生涯追い続けるかどうかも分かりません。
人生長いですからね、結婚生活が数十年続けば、その間に配偶者だって変わっていきます。
何が言いたいかというと「夫婦で趣味が同じであれば、相手のお金の使い方が気にならないのに…」は幻想だということです。
夫婦の趣味が同じでもお金の使い方で揉めることはあります。
プレゼンは有効です
ただ、趣味が同じであれば、揉めにくくなるのはたしかです。
まったく音楽に興味がない人からすれば、スピーカーやら配線やらなんやらにお金を使うオーディオマニアの行動はまったく理解できないでしょうが、音楽好きなら気持ちは分からなくもないですよね。
その分野に対して、多少理解があれば、相手のお金の使い方にも想像が及ぶわけです。
実はこれが家庭で相手のお金の使い方に揉めないためのヒントになります。
その趣味にそれぐらいのお金を使う価値があることをお互いに分かっていれば、相手のお金の使い方にある程度納得できるということ。
だから、数万円、数十万円のお金を、もっぱら自分のために使いたい場合、相手にプレゼンをするというのが有効になります。
仕事でお客さんや上司に自分がやりたいことをプレゼンしますよね。プレゼンなしに商品を売ることなんてなかなかできません。だって、お客さんも上司も、価値が分かっていないのですから。
同じように、妻や夫に対して、どうして自分が趣味にお金を使いたいか、どれだけお金を使う価値があるかを説明するわけです。
一番大事なのはお金の使い方に関するコンセンサス
プレゼンはやったほうが断然揉め事を減らせます。
でも、プレゼンがまったく効かないときもあります。どれだけ一所懸命説明しても、相手が納得してくれず「私にはお金を使う価値があるとは思えない」と言われてしまう。
たぶん、そういう姿が想像できるから、プレゼンなんて本当にするのか、しても意味ないんじゃないかと考える人もいるんだと思います。
では、なぜプレゼンが機能しないときがあるか。これが実は一番重要で、プレゼンが機能しないのは、夫婦の間で、どこまで何にお金を使って、どれくらいお金を貯めるかというコンセンサスが取れていないからなんですよね。
自分が趣味のために数十万円使いたいと言ったとしても、相手の頭の中で「子どもが生まれたら収入が不安定になる」「子どもの教育費にお金がかかるかもしれない」「今は賃貸だけど持ち家が欲しいから、あと数年で頭金ぐらいは貯めたい」ということがぼんやりとでも渦巻いていたら、どんなプレゼンも効果は乏しいです。
長期的な資金繰りに悩んでいる社長に、社員が「新しくこの事業に投資しましょう!」と夢を語ってもなかなか通らず、「うちの会社のトイレは古いので新しくしてください!」という地道な話をしても色好い返事が期待できないのと同じようなことですね。
家庭という小さな共同体でも、長期的なお金の使い方に共通の見解ができていなかったら、趣味のお金に限らず、日々の小さな支出でも揉めることは多々あります。
「趣味のことにお金を使いすぎ!」と夫婦のどちらかに不公平感が生まれているなら、夫婦で何にどれくらいのお金を使うか、将来設計をどうするかお互い噛み合っているか、一度話してみるといいですね。
Text/斗比主閲子