曽野綾子さん90歳が、人間関係に悩む人に贈ることば5選「初めから諦めればいい」

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 家族、会社の上司・後輩、友人、恋人……。人間関係って本当に難しいですよね。自分の気持ちが上手く伝わらなくてイライラしたり、ちょっとした出来事でものすごく傷ついたり。そんな他人との距離感に悩むあなたに贈る5つの言葉。
 作家で、『誰のために愛するか』など名エッセイストとしても知られる曽野綾子さんの言葉は、芯があって、力強く私たちを支えてくれます。きっと、あなたの光になる言葉が見つかるはずです。

※以下、曽野綾子さんの言葉を集めた新書『自分の価値』から抜粋。( )内は初出

◆一切、初めから諦めればいい

 相手の非を衝いて思いなおさせること。自分の行動の真意を理解させること。自分は相手のことを考えているとわからせること。そうしたことを一切、初めから諦めることの方が私にとっては、自分の人間性を保ち、穏やかな気持で生きられることを見つけたのである。友達に誤解されることも、身内の誰かと意思が通じないことも、最初から諦めてしまえば、どうということはない。(『人間関係』)

◆ただ静かに遠ざかればいい

 怒り、ののしることは、自分を受け入れられなくなることに対する八つ当たりだと自戒したい。関係のない人やものに対しては、怒ることも、ののしることも必要でなく、どうしても関心や同感がもてなかったら、ただ静かに遠ざかればいい。 (『完本 戒老録』)

◆変わった人でも、会えてよかった

 このごろ年をとったよさをしみじみ思う。まるで短篇小説のような人生の片々がたくさん記憶にあって、そのどれもが、いぶし銀のように輝いているのである。
 若い時には、いい人か悪い人か、好きか嫌いか、であった。しかし今では、どんな変わった人も、おもしろい、会えてよかったと思う。退屈な人は一つのグループだけで、「権力欲の強い人」と「有名人に近づきたがる人」だけである。他の人はどんな癖も楽しく思える。(『「群れない」生き方』)

◆要求したら得られないものとは

 しかし考えてみると、優しさもまた、要求したら得られないものの典型である。「あの人に愛してほしい」という求愛の感情といっしょで、「私を愛してください」と要求したら、まず相手はうんざりして逃げ出す。
 世の中には、追い求めたら逃げていき、求めない時だけ与えられるという皮肉なものが、意外と多い。優しさもまた同じだ。
 優しくしてほしかったら、自分が優しくする他はない。あるいは、周囲の状況や他人の優しさに敏感に気づき、感謝のできる人間になる他はない。 (『人生の醍醐味』)

◆誰かに「必要とされる」ことの幸せ

 人はある能力によって、他人に思い出してもらえる時に幸福なのだ。ただ単に「大食い」だからでもいい。野外で食事の支度をしていたら、大鍋の汁を作り過ぎた。多分余りそうだから、「あいつを呼ぼう」でもいい。そこに一人で三杯汁どころか五杯汁だって平気という豪傑がニコニコ笑いながらやって来て、おつゆを何杯もお代わりして平らげてくれれば、食卓全体が明るくなる。
 誰でも「呼ばれている」という感覚は嬉しい。どんな小さなことでもいい。だから呼んで頼むこともいい。頼まれた人も、ひがまずにいそいそとそのグループに加わって自分のできることをするのだ。
(略)
 しかし今でも、誰かに呼ばれている、必要とされている、ということは、どんな些細なことでも、神が呼んでいる、神がその人をその時必要としている、ということでもある。そう思えば自分の現在を惨めに思うどころか、楽しくなる面も見いだせるはずだ。(『死生論』)
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◆ひとつの言葉がお守りになる

 人間関係の悩みは、相手もあることなのでなかなかすっきりとは解決しないですよね。深く落ち込んで、心を痛めてしまうケースもよくあります。でも、指針になる言葉をひとつでも持っていると、心持ちはふっと軽くなるものです。人生の達人とも言える曽野綾子さんの言葉をお守り代わりにしてはいかがでしょうか?

【曽野綾子(その あやこ)】
1931年9月、東京生まれ。聖心女子大学卒。幼少時より、カトリック教育を受ける。1953年、作家三浦朱門氏と結婚。小説『燃えさかる薪』『無名碑』『神の汚れた手』『極北の光』『哀歌』『二月三十日』、エッセイ『自分の始末』『自分の財産』『人生の醍醐味』『人生の疲れについて』『老いの才覚』『人間の基本』『人間にとって成熟とは何か』『夫の後始末』『自分の価値』など著書多数

<文/女子SPA!編集部>

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