登坂広臣、ØMI名義のソロ活動で見つけた“新たな旅”とは。新曲から読み解く

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 2021年10月15日にØMI名義でのデジタルシングル『ANSWER... SHINE』をリリースした、「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」(以下、三代目)のボーカル・登坂広臣

 今回はLDHとイケメンをこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、登坂のこれまでの歩みを振り返りつつ、2021年5月に本格始動したプロジェクト「CDL entertainment」とLDH史上最大規模のオーディション「iCON Z Dreams For Children」について考察する。

◆リアル・シンデレラストーリーだったデビュー

 2010年、『EXILE presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 〜夢を持った若者達へ〜』でCHEMISTRYの「You Go Your Way」をペアで歌った今市隆二とともに最終審査へ進み、合格者となった登坂広臣。

 音楽プロデューサー松尾潔によってすぐにレコーディングが行なわれた「Best Friend’s Girl」で「三代目」のボーカリストとして早くも同年11月10日にメジャーデビューすることになった。

 元は美容師で、ボイス・トレーニングの経験すらなかった登坂がオーディションに合格し、夢を掴むまでのスピード感には驚いてしまう。

 そんなリアル・シンデレラストーリーを叶えたデビュー曲を聴き返すと、「三代目」の楽曲の特徴であるストロングなサウンドの中で、登坂の歌唱は繊細ながらセクシーなフレージングとファルセットが美しく、思わず耳が喜ぶ。

 当時から登坂はすでにスウィートでメロウな調子で独自の表現性を確立していた。

◆「Who Are You ?」という問いから

「三代目」のボーカリスト2人がソロデビューを果たしてからも、自身のルーツである「R&B」を追求する今市と「EDM」調の登坂というそれぞれの路線追求となるが、登坂本人も語るようにボーカリストとしての彼は、基本的にジャンルを選ばない自由な表現スタイルだ。

 だから、どんな音楽ジャンルを追求するかと言うより、どんな音楽表現によって自分自身の世界が表現可能なのかと考える。そのためには、自分が納得がいくまで何度でも表現のスタートラインに戻ろうとするのが、凄いところだ。

「HIROOMI TOSAKA」名義で2020年1月8日に発売されたアルバム『Who Are You ?』では、自らに「Who Are You ?」と問いかけている。

 まるでハリウッド映画を思わせる閉塞感のある取調室がスタイリッシュなMVでは、「あなたは誰だ!」と外国人俳優から何度も問いかけられ、答えが見つからず悶える姿があった。

「答えを見つけるまで 探し続ける」と歌詞にあるように、このときの登坂は確かに答えを見つけようとしていた。しかし表現の世界に明確な答えは当然ない。

 そこで自分が理想と思うスタイルで独自の表現世界をコンセプチュアルに深めていこうと大胆に舵を切る。

◆「Who Are You ?」の答えを探す『ANSWER...』シリーズ

 今年2021年、本格始動したプロジェクト「CDL entertainment」がそれだ。「CDL」とはフランス語「Clair De Lune」の略でクロード・ドビュッシーの有名なピアノ曲「月の光」にもある美しい意味を持つ。この言葉には、「三代目」のカリスマ的存在であるクールなイメージと、ソロアーティストとして自らの表現性を追求する上でのよりシャープな一面が込められている。

「光と影」の表現。登坂が表現しようとする世界観はこう設定され、『ANSWER...』シリーズとして非常にコンセプチュアルな世界観を持って「Who Are You ?」に対する答えが探求される。

「HIROOMI TOSAKA」から改め「ØMI」名義で5月12日にリリースされたEP作品『ANSWER... SHADOW』では、まず初めに「影」の部分にスポットが当たる。

 リード曲「ANSWER... SHADOW」は、登坂の内に秘められていた影の世界が深海のイメージで表現され、サビの「答えのない In My daek Moon Light」が、見えない答えを求め、必死でたぐり寄せようとするもどかしさを深海世界から伝えてくる。

 しかも登坂には珍しく抑制された歌唱が、掴みきれない感情の襞(ひだ)を繊細に表現。この抜け感は、まさにボーカリストとしての真骨頂と言え、これまで以上に高い表現レベルを示している。

◆「新たな旅のはじまり」を告げる『ANSWER... SHINE』

 続くシリーズ第2弾となる先日10月15日リリースのシングル『ANSWER... SHINE』では、『ANSWER... SHADOW』から打って変わって「光」の世界がポジティブなエモーションで歌われている。

 そのリード曲「You(Prod.SUGA of BTS)」で「この場所でわかったんだ」と歌う登坂が見つけたのは、おそらく答えではないが、あるかないかも分からないものを求める長い旅の過程であり、それがひとつのターニングポイントにはなっていると思う。

 この曲は、登坂のセルフプロデュースではなく、今や世界的アーティストとなった「BTS」のSUGAがプロデュースしており、カントリーな雰囲気の冒頭から、BTSらしいオーセンティックなサウンドが心地よい。

 MVも『ANSWER... SHADOW』のダークな深海世界はどこへやら、木々や水面に優しげな陽光が降り注ぎ、大自然が広がる水辺のベッドに登坂が寝そべる。深海世界の記憶から目覚めた朝の瞬間なのか。ときおり聴こえる口笛が爽やかで、ブルーのオープンカーで山並みのハイウェイを疾走するロケーション撮影も登坂の表現世界がどこまでも広がっていくような壮大なイメージとなって「新たな旅のはじまり」を告げている。

◆「夢を与える側」になったプロデューサー・登坂広臣

 さて、この『ANSWER...』シリーズ、この先どんな新コンセプトが展開されていくのか、第3弾リリースが早くも楽しみだが、そんな登坂がソロの表現世界と並行して、新たな才能を求めてオーディションのプロデューサーに挑戦する姿にも注目しておきたいと思う。

 LDH史上最大規模となる「iCON Z Dreams For Children」 は、「EXILE TRIBE新グループ」、「男性ソロアーティスト」、「ガールズグループ」の3部門から構成され、「ガールズグループ」部門のプロデューサーを登坂が担当する。テレビ東京では、このオーディションに独占密着する番組『〜夢のオーディションバラエティー〜Dreamer Z〜』が木梨憲武MCでスタート。初回10月24日(日)放送で、EXILE HIROから3人のプロデューサーのひとりとして紹介された登坂は次のように意気込みを語っていた。

「夢を叶えようと思っていた人が、夢を与える側になれた」

 2010年の『EXILE presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 〜夢を持った若者達へ〜』に参加していたときにはまだ「夢を叶える側」だった登坂が、こうして11年の時を経て、今度は「夢を与える側」になったという、ほんとうに夢のある話だ。

 登坂が一体どんな逸材を発掘し、金の卵として育て上げていくのか。「Love」、「Dream」、「Happiness」をモットーとする“LDHドリーム”をリアルに体現してきた登坂プロデューサーの動向から目が離せない!

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。 ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」や「映画board」他寄稿中。日本大学映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu

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