安本彩花(私立恵比寿中学)[インタビュー]ありのままの自分を愛することで生み出した渾身の1st写真集「自分の素直な気持ちを表現できてよかった」

私立恵比寿中学の安本彩花が、悪性リンパ腫公表からちょうど1年となる2021年10月29日に1st写真集『彩aya』を発売した。セルフプロデュースで作り上げた渾身の一作となった同作には、ファンへの感謝をはじめ、今の彼女が抱くさまざまの想いが込められている。制作時のエピソードや現在の活動について、出来上がったばかりの写真集を前に語ってもらった。

取材&文:井手朋子
撮影:曽我美芽(インタビューカット)

写真集を通じて誰かの自信になったら嬉しいなって想像しながら作りました

――今回の写真集はどの写真も作りこまれていて、本当に綺麗でアーティスティックで、相当考えを巡らせて作り上げたんじゃないですか? セルフプロデュースということで難しくなかったのかなと。

安本:
自分で言い出したのはいいけれど、出したいっていう気持ちだけで進んで、いざ自分が頭に描いてるものを形にするとなったら、やっぱり難しいことだらけでとても悩みました。でも普段からお世話になっているスタッフのみなさんと制作させていただいたので、わからないことは素直に相談して、何とか形にすることができて。もう大満足してるんです(笑)。

――どんなことに1番時間がかかって悩みました?

安本:
伝えたいこと、やりたいことがたくさんありすぎて、1冊にまとめるのにアイディアが多すぎて、そこを絞っていくのが難しかったというか。1冊の写真集として、ストーリーや流れを作るのが大変でしたね。いろいろなトピックがありすぎると取っ散らかっちゃうじゃないですか。そのあたりのバランスが難しくて、写真もいいのがたくさん撮れたので、セレクトするのも時間がかかりました。

――最初に全体のテーマを決めて衣装や撮影場所を決めていったんですか?

安本:
そうですね。自分が伝えたいことをまず絞って、打ち合わせが始まってからは、どう表現しようかって1つひとつ決めていきました。

――“伝えたいこと”として、最初に浮かんだのは?

安本:
まず1つすごく大事にしていたのが、今まで私のことを信じて待ってくれていたファンのみなさんに、感謝を伝えて恩返しができるような1冊にしたいなと。それから、ありのままの自分の姿を受け入れることで、今がすごく楽しいんだよって心の底から思えたので、その2つは表現したいなと。その2つを大事に、写真集を通じて誰かの自信になったら嬉しいなって想像しながら作りました。

――前半はカッコよくて、後半は生き生きとした表情が見られて、元気になったということが伝わる1冊に仕上がっていますよね。そもそもセルフプロデュースにしようと思った理由は?

安本:
今回、写真集を作るというのは自分の意志で始めたことだったので、周りは“伝えたいことをストレートに伝えるべきだ”って言ってくださって。マネージャーさんも“俺は何も言わないから好き勝手やっていいぞ”って言ってくれたんですけど、アイドルでなかなかそういうことってないじゃないですか。自分の中でもせっかく出すなら意味のあるものにしたいと思っていたので、こうしてセルフプロデュースという形でできてすごく嬉しかったですね。

――中でも気に入ってるカットやこだわったカットを教えていただけますか?

安本:
まずこの写真集を出すにあたって1番やりたかったのが、黒いドレスのカットなんです。治療の影響で髪が抜け落ちてしまった時に、勇気を与えてくれたのが海外で自ら髪を剃り上げてドレスを着てレッドカーペットを歩いている女優さんやモデルさんたちで。本当に心の底からそのファッションを楽しんでるし、むしろ“髪の毛を剃ってからの方が自分を好きになれたの”って自信を持って立ってる姿がとてもカッコよくて、その姿にすごく勇気をもらったんです。私も頑張ればああいう風になれるんだって自信を持たせてもらったので、その頃からずっとそういう写真を撮ってみたいなと思っていて。だから、黒いドレスのカットは1番魅せたいですって伝えました。

――ドレスの色を黒にするか白にするか、色でも迷いませんでした?

安本:
とても迷いましたね。赤いドレスもいいなと思ったし、真っ白もそれはそれで真っ直ぐなイメージがあってカッコいいし。でも女性としての強さや生命力を表現したかったので、いろいろ考えた中で黒が1番強さをアピールできるかなと思って。生命力という意味では、最初の方に森の中でフワフワしたドレスを着ているカットを入れたんですけど、最初はそのカットを撮る予定はなかったんです。黒のドレスを選んでいる中で、やっぱり森って力があるよねって話になって、急遽これも入れました。

――そういうことを1番に相談していたスタッフさんは?

安本:
カメラマンさんと1番お話ししました。最初に自分がやりたいことを伝える時も、カメラマンさんと編集さんと3人で話して、カメラマンさんも“自分にもたくさんアイディアはあるけど、これは彩ちゃんの作品だから彩ちゃんのやりたいことをどんどん意見して”って言ってくれて。困った時は手助けしてくれたんですけど、基本的には“彩ちゃんが思う方を選ぼう”とか“思うことをやろう”って尊重してくださったのでやりやすかったですね。ホントに自分の素直な気持ちを表現できてよかったなと思います。

――実家でリラックスしているカットも収められていて、この実家編は最初から入れる予定だったんですか?

安本:
2回目の打ち合わせで実家を入れたいということを伝えたんですけど、ドレスのカットでは強さを見せたけど、一方でやっぱり少し弱い自分もいるじゃないですか。実家は治療していた場所ということもあって、よくも悪くも思い入れが強くてセンチメンタルな気持ちにもなってしまう空間だったりもして。でもギャップというか、カッコよく綺麗に着飾る自分だけじゃなくて、本当の素の姿の自分も見てほしかったので、その対比は大事にしたいなと思って入れました。

――普段使っているであろうゴミ箱も普通に置かれていて(笑)、プライベートの安本さんを垣間見れた感じがしました。

安本:
そうです(笑)。ゴミ箱に近所のスーパーの袋をかけてるんですけど、全部そのまんま(笑)。こんなに大事な写真集で、なかなかありのままを出すっていうのはないかなと。でも、そういうのも、もともと抵抗がないというか。そこまで素の自分を出すというのもあまりないので、面白いからやっちゃおうって感じでやってました。

色とりどりの自分なんだなってハッとした部分があって、この漢字は使いたいなと思いました

――衣装やロケーションもそうですけど、髪の毛の色でもけっこう印象が変わるじゃないですか。メインのカットはグリーン系で、それはどのぐらいの段階で考えたんですか?

安本:
やるからにはとてもおしゃれで、みんなが真似したくなるようなヘアスタイルがいいなと思って。でも、実はもともとあんまり派手髪は得意じゃなくて、割と恥ずかしいと思ってしまうタイプだったんですね。だけど、なんだかその時は吹っ切れてたというか。全部自分だし、やれることを全部やってみたいなと思えたんですよね。そこでいつも髪を切ってくれるヘアメイクさんと相談して、淡い緑の色を入れたら私っぽいんじゃないかっていうことになって、いざやってみたらやっぱりすごく気に入りました。髪を染めた瞬間からさらに明るい気持ちになれたというか。見た目のカラーって意外と自分の気持ちにも反映されるんだなと思って、そこから派手髪にハマって今やピンクにしてみたりしてるんですけど(笑)。やっぱり色が明るいと気持ちもハッピーになって、すごく楽しいですよね。

――写真集の中でも何色か変えていますよね。

安本:
そうですね。最初は薄めの緑で、実家パートがけっこう濃い緑だったり。単純におしゃれを楽しむ中でいろんな緑を楽しんでました。

――ほかに撮影に関して印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

安本:
実家で撮影した時ってやっぱりいろんな想い出が蘇ってくるから、少し寂しげな表情をしているんですよ。瞳の色が違うというか。写真が上がってきた時にそう思いました。最後の方に出てくる赤いTシャツ姿の写真とかは渋谷周辺で撮ったんですけど、そういうところに出てきた私はすごくキラキラしてるというか。そういうのも自分の中では面白いなと思って。心情が本当に表情に出るんだなと思って、そういう細かいところも楽しんでいただけると思います。自分で見てても“この時こんな気持ちだっただろうな”って楽しんじゃってます。

――写真集を発売するにあたって、“ありのままの自分を好きになれた”ってコメントしていますけど、今はご自身のどんなところが好きですか?

安本:
何でも楽しめるっていうのは病気を経験してからすごく変わったことで、当たり前のことを楽しめてるということがすごく幸せなことだなって思えて。そういう自分も好きだし、スーパーの袋が写り込んでても使っちゃう自由さも自分らしくて好きだなと思います。

――写真集のタイトルも『彩aya』でご自身の名前が入っていて、“ありのままの自分を見て”という気持ちが本当に伝わってきますよね。タイトルは最初から決めていたんですか?

安本:
写真が出来上がってから決めたんですけど、写真を見ていると本当に素の自分が写っていて、だったら自分の名前を入れたらいいんじゃないかなと。しかもいろんな衣装を着て、いろんなメイクをして、彩られている自分の姿を見て、この漢字を使いたいと思いました。

――だから“彩”という字が入ってるんですね。では、ファンの方には特にどんなところを見てほしいですか?

安本:
“今、すごく楽しんでるんだよ”っていうことを伝えたいですね。ファンのみなさんには特につらそうにしてるところを見せてしまった瞬間があったと思うし、たくさん心配をかけてしまって。家族のように心配してくださる方がたくさんいて、そういう人たちに安心していただきたいというか。“もう彩ちゃんは大丈夫だ、安心して応援しよう”って思ってもらえたら嬉しいなって。だから、楽しんでる姿をぜひ見てほしいですね。

――最後の方に笑顔が多めのカットが集中しているので、見ている人もきっとホッとして見終わるんじゃないかなと思います。最後にこれからの目標を教えてください。

安本:
自分はやっぱり歌うことが大好きで、また絶対ステージの上に戻って歌いたいという想いを糧に一生懸命頑張ってきたので、これからも表現者として音楽を通じていろんなものを表現していけたらって思いますね。音楽を作ることもすごく好きなので、継続してもっともっとみんなに伝わるような作品を出せるように頑張っていきたいなって思います。

――8月に横浜アリーナで開催された<@JAM EXPO 2020-2021>では、約1年ぶりにステージ復帰を果たしましたからね。緊張しました?

安本:
それが全然緊張しなくて(笑)。とにかく“やったー! やっと戻ってこれたー!”っていう喜びが大きくて。直前は一瞬足が浮き上がるぐらいフワっとなったんですけど、その緊張感もむしろ“楽しい〜! これこれ〜!”みたいな気持ちになって、緊張さえも楽しんじゃってましたね。

――今はかなりパワーアップしていて、話していても力がみなぎっている感じが伝わってきます。新生・安本彩花のこれからを楽しみにしていますね!

安本彩花1st写真集『彩aya』

著者:安本彩花
発売中
価格:¥3,080
サイズ:B5
ページ数:128ページ
ISBN:978-4-910528-03-8
発行:SDP

発売記念イベント

11月28日(日)11:00スタート
内容:オンラインお話会

関連リンク

発売記念イベント詳細ページ写真集特設ページ安本彩花 公式Instagram私立恵比寿中学公式サイト

画像をもっと見る

関連リンク

  • 11/1 12:00
  • Pop’n’Roll

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます