自分がいまどんな流れの中にいるのかを客観的に知ること 無理せず、自分のペースで進んでいく

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吉元由美の『ひと・もの・こと』

作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。

たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。

人生の『雨の夜』もマイペースで

雨の夜の、高速道路を走るのが苦手です。苦手と言うより、「怖い」と言った方がいいでしょうか。車は好きですし、運転することは大好きです。

大学生の時に免許をとってから40年以上、車はなくてはならない相棒のようです。

20代の頃は少々無茶もしたし、思い立って真夜中に首都高速を走って気分を変えたりしたこともありました。怖いものがなかったとはあの時代のこと。スピードを出すことが心地よかった。

あれこれと悩んでいたことがちぎれていくような感覚があって、万能感に満たされるような感覚もありました。

怖さを感じることがなかった、怖さ。若いということは、そんな怖さがあることすら知らない時代なのかもしれません。だから、冒険という名の無茶もできた。

海外の知らない街を歩くことは怖くなかったし、森の中に一人で入っていくことも怖くなかった。それが、子どもが生まれてから、夜道を歩くことが怖くなり、車でスピードを出すことが怖くなった。

ひとりで海外にいったときも、夜は早々にホテルに戻ったり。臆病なくらい、慎重に動くようになっていました。

そんな自分を自覚したとき、自分のためだけに生きてきた時代が終わったことに気づいたのです。

人生の歩き方にも、それぞれのスピードがあり、それぞれのタイミングがあります。アクセルを踏む時期、緩める時期。

無意識のうちにそのように動いているのですが、時にアクセルを踏む時期ではないのに踏み続けてしまうことがあります。

自分の中の焦りや欲が先走ってしまう。すると、物事がボタンを掛け違えたように空回りしてしまうものなのです。

若い頃にはできませんでしたが、自分がいまどんな流れの中にいるのかを客観的に知ることは大切です。そして、しなくてもいい無理を課さないこと。

そんなことを思ってか、最近の私はゆるゆるとしたペースで歩んでいて、こんなのんびりとしていていいのかしらと思いつつ、アクセルを踏み込むタイミングが来たら逃さないように。

この感覚は運転しているときにも通じます。法定速度で走る快感、高速道路ではどんどん抜かされますが、我が道を淡々と進んでいる感覚を覚えます。

早いスピードの『怖さ』を避けるためには、それがいちばんなのです。感覚を研ぎ澄まし、自分自身に寄り添いながら進んでいく。

人生の『雨の夜』も、無理せず、自分のペースを守りながら。

※記事中の写真はすべてイメージ

作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー

[文・構成/吉元由美]

吉元由美

作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
吉元由美オフィシャルサイト
吉元由美Facebookページ
単行本「大人の結婚」

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