槙原寛己「大谷翔平の活躍は投手経験者からするとありえない」

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 大谷翔平選手の大活躍、侍ジャパン悲願の金メダル獲得、セ・パともに最後までもつれたリーグ優勝の行方など、話題が尽きない今季の野球界を、解説者の槙原寛己氏を迎え、クライマックスシリーズ前に大総括! 天才テリーが気になる巨人失速の理由と、大谷の来季を占う。

テリー まだこれからCS(クライマックスシリーズ)もありますけど、今季はすごく野球が盛り上がって。僕としては巨人が優勝してくれれば、もっとよかったんですけど。

槙原 そうですね。

テリー でも、それは置いておいて、まずは大谷翔平選手。ほんとに楽しませてもらいました。

槙原 まぁ、我々からすると、あのぐらいはやるだろうというところもなくはなかったんですけど。でも、やっぱりビックリしましたね。

テリー ねぇ。ピッチャーで6回も7回も投げたら翌日は普通ヘトヘトですよ。それがホームランって、何なんですか、あれ。

槙原 ピッチャー経験者から言わせてもらうと、あり得ないですよね。

テリー ミスター・パーフェクトの槙原さんから見てもあり得ない! なんで彼はできるんですか。

槙原 ひとつは早めに手を打って、18年に右ヒジ、19年に左ヒザの手術をしたことでしょうね。だいぶ時間はかかりましたけど、上半身と下半身の感覚がうまく合ってきた。今季だけ見ても、開幕の頃と終盤を比べるとピッチングもどんどん安定してきて、打たれなくなりましたから。やっぱり馴染んでくるんですよ。

テリー なかなか勝利投手にはなれなかったですけど、失点もだいたい1とかね。

槙原 まぁ、当然ですけど体に不安を抱えてると「またやっちゃうんじゃないか」って思い切れないですから。ましてヒジなんかに不安があったら、思い切り投げてても球が抜けちゃいますし。だから、投げるほうも打つほうも、今季の好成績の要因はやっぱり体の不安がなくなったのが大きかったんだと思います。

テリー 大谷って日本にいた時はヒョロッとしてましたけど、向こうへ行って体がどんどん大きくなってるじゃないですか。メジャーリーグの中でもいちばんいい体してるんじゃないかと思うぐらい。

槙原 かなりハードにウェイトトレーニングをやってますよね。

テリー でも、それもたぶん、日本にいたらコーチなんかに止められてたと思うんですよ。それこそ清原(和博)さんがマッチョになった時も「それじゃ野球選手としてダメだ」とか言われたじゃないですか。

槙原 ただ、大谷の場合はなめらかさとかしなやかさも保ちながら筋肉を大きくしてますからね。だから、ゴツゴツしてないというか、ムキムキに見えない。

テリー なんかターザンみたいなね。

槙原 筋肉を付けるとパワーも増えますが、ケガ防止につながりますから、大谷はそっちに重きを置いてトレーニングしてるんじゃないかと思うんですよ。僕なんか見ても「よくそんなの上がるな」ってぐらいのバーベルを普通に上げてますよね。

テリー あ、そうなんだ。

槙原 はっきり言ってウェイトトレーニングって、やりすぎると気持ち悪くなって吐きますから、僕は嫌いだったんですよ。それを地道に続けられるのも大谷のストイックさだと思います。

槙原寛己(まきはら・ひろみ)1963年、愛知県生まれ。愛知県立大府高校卒業後、ドラフト1位で読売ジャイアンツへ入団。初登板で初完封、その年に12勝を挙げ、当時の日本最速である155キロを記録するなど、藤田・王・長嶋監督のもとで、巨人黄金時代を支える投手として活躍した。94年、対広島戦で20世紀最後の完全試合も達成。98年、シーズン途中からリリーフへ転向し、01年に現役を引退。現在は野球解説者として、プロ野球、メジャーリーグなどの解説で活躍中。

*「週刊アサヒ芸能」11月4日号より

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