【上白石萌音「カムカムエヴリバディ」インタビュー】“14歳役”で大切にしたこと SixTONES松村北斗の魅力も明かす「純粋に憧れてついていった」

【モデルプレス=2021/10/30】2021年度後期のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で初代ヒロインを務める女優の上白石萌音(かみしらいし・もね/23)が、このほど行われた取材会に出席。共演したSixTONESの松村北斗や俳優の村上虹郎らとの撮影裏話や役作りについて語った。<前編>

◆2021年度後期連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」

連続テレビ小説105作目となる今作は、連続テレビ小説「ちりとてちん」の藤本有紀氏が、ラジオ英語講座と、和菓子と野球とジャズと時代劇を題材に書き下ろすオリジナルストーリー。

安子・るい・ひなたとして、母から娘へとバトンを繋ぐ、戦前から戦後、そして令和までの物語をヒロインの3人が紡いでいく。初代ヒロイン・橘安子を上白石、二代目ヒロイン・るいを深津絵里、三代目ヒロイン・ひなたを川栄李奈が演じる。

安子は、1925年3月22日、日本でラジオ放送が始まった日、岡山市内の商店街にある和菓子屋「たちばな」で生まれる。御菓子司「たちばな」の看板娘で、和菓子とおしゃれが大好きなごく普通の女の子。ラジオ講座をきっかけに英語を学び始める。

◆上白石萌音、“朝ドラ”初出演への想い

― “朝ドラ”への出演が決まった時のお気持ちを教えてください。また、出演決定はどのように伝えられましたか?

上白石:オーディションの手応えがなかったのに加え、しばらく連絡もなかったので、落ちてしまったものだと思っていました。なので出演決定の知らせを聞いた時は本当に信じられない気持ちでした。後でじわじわと、安子を演じられる喜びがこみ上げて来ました。仕事で地元に帰っている時に、マネージャーさん伝いに知らせを受けました。

― 出演が決まったとき、ご家族や周囲の反応はいかがでしたか?

上白石:マネージャーさんの計らいで、家族が私より先に知らされていたのですが、喜ぶ私を見てみんな本当に嬉しそうにしてくれました。祖父母にも電話で伝えたところ、「で、誰がヒロインなのね?」と聞かれました。しばらくピンとこなかったようです(笑)。

― “朝ドラ”のイメージと、実際参加されてみた感想を教えてください。

上白石:やはりずっとひそかに憧れていました。毎朝15分を積み重ねて人生の長い時間を描く、濃厚で重厚なイメージでした。今回はヒロインが3人いるので、濃度も重みもスピードも全部3倍、という感じでした。“朝ドラ”の歴史の中でもけうな体験をさせていただいたように思います。

― 完成した第1週をご覧になった感想を教えてください。

上白石:ささやかで温かくて優しくて、なんていとおしいドラマだろうと思いました。共演者の方々やスタッフさんたちが恋しくなって、連絡先を知る限りのみなさんに見終わってすぐご連絡しました。自分の芝居は冷静に見られませんでしたが、全体を通して、藤本さんの脚本を読んだときに感じた温かみがそのままそこにあるような気がしました。キャストの皆様の細かい表情ひとつひとつや、おいしそうな和菓子、凛と立つラジオ、歌うような英語、全てに心が動きました。

◆役作りのため空襲博物館へ

― 安子というキャラクターの魅力について教えてください。共感する部分や似ている部分、自分とは違う部分はありますか?

上白石:穏やかで健やかで真っ直ぐであると同時に、とても思考が深く、行動力がある人です。自分の運命を自分で選んでいく強さを内に秘めているように思います。とても憧れます。何より素敵なのが、家族にこの上なく愛されて育ち、安子も家族や家業を心から愛しているところです。私も家族が大好きなので重なる部分がありました。

― 昭和の女性を演じるにあたって、事前に学ばれたことや特に意識されたことはありますか?

上白石:私は現代劇よりも昭和以前の役のほうがしっくりくるんです(笑)。周りから昭和っぽいと言われることも多いので、「その時代に馴染むように」という意識はあまりしなかったです。ですが、やはり現代とは社会の雰囲気や年齢の捉えられ方が全然違いますし、安子は16歳で「ちょうどいい見合いの頃合いだ」と言われたりするので、現代とのギャップや時代背景をきちんと汲みながら演じたいと思っていました。

また、ストーリーでは戦争も挟むのでその頃のこともしっかりと勉強したくて、事前に岡山の空襲博物館に行って資料を見たり、私の祖父母に戦争体験を聞いたりしました。歴史を物語ではなく現実のこととして捉えるために、自分の中に色々な情報を蓄えました。

◆上白石萌音、“14歳”演じるために意識したこと

― 初登場シーンは14歳ということでご自身よりも若いところから演じられていますが、演じるにあたって意識したことを教えてください。

上白石:結構掴むのが大変でした。今の14歳ともまた違いますし、本当にすれていなくてもっと幼いような印象もあったりして。でも安子はどこかすごく大人びているし、不思議な子だなと思っていました。声の出し方、表情の作り方は監督とご相談しながら変えていきました。やはり難しく、カットがかかって監督が走ってきて「安子ちゃん!今14歳です!」とツッコまれた時もありましたが(笑)、自分でも14歳だと思い込みながらやっていました。ですが、衣装や髪型が年齢に応じて変わっていったので、そこから雰囲気を変えることができました。

また「ピュアにやろう」と思いながらやるのはピュアではなくなってしまうので、できるだけ削ぎ落として脚本に書いてある温かさをそのまま届けたいという純粋さを大切にしました。最初の方の安子は言葉の裏に何かがあるということがあまりないので、監督からはまっすぐ捉えてまっすぐ話すという重要さを教えていただきました。

― 表情の作り方などは具体的にどう意識していたのでしょうか?

上白石:その年齢の頃はあまり人からどう思われているかを気にせずに、100%の感情で揺れ動いているところがあるのかなと思ったので、そこを感じながら演じていました。

― 逆にご自身の年齢よりももっと先の人生も演じられていますが、そちらはいかがでしたか?

上白石:年齢が上がれば上がるほど馴染む感覚があって、それは出産シーン以降特にそうでした。目の前に小さい子がいて、「この子を守らなきゃ」という気持ちに自然となれました。それは共演した小さな女優さんたちのおかげだと思っていますし、あの子たちが私を自然と母にしてくれたと思います。

― ずっと下駄を履かれているのも印象的でした。

上白石:安子はワンピースに下駄というところがすごくいいなと思いました。監督が衣装合わせの時に「絶対にこれだ」とおっしゃって、安子はお母さんになってもずっと下駄を履いていたのですが、それが時代の変化を自ら表現しているようで。私も下駄の音が大好きなので、安子が色々な感情で歩いたり走ったりするのに下駄の音がついてきて、その木の温もり、一歩一歩に音がある感じがいいなと思っていました。

◆上白石萌音、松村北斗&村上虹郎との撮影秘話

― 岡山の印象や、岡山での撮影中の思い出を教えてください。また、岡山弁の台詞を使った演技はいかがでしたか?

上白石:物語の舞台にもなっている旭川が本当に素敵で、撮影がない時も散歩に行っていました。河原で大事なシーンをたくさん撮影したので、注目していただきたいです。岡山弁、大好きです。甲本雅裕さんがネイティブで、現場ではずっと岡山弁をしゃべってくださっていました。今でも連絡を取り合う時は岡山弁です(笑)。イントネーションに苦労もしましたが、語尾の悠長さやちょっとしたニュアンスなど、安子のキャラクターを掴むヒントもたくさんありました。

― 松村さん・村上さんとのシーンが多いですが、それぞれ初対面の印象から変化はありましたか?

上白石:松村さんは、SixTONESとして活躍されている方なので最初はやはり「今の人」というイメージが強かったのですが、お会いしてお話する中で「こんなに昭和が似合う令和の人はいない」と思いました(笑)。すごく奥ゆかしくてオールドソウルを持っている、とても信頼できる方だなという印象です。

虹郎くんは最初に会った時はベテランの風格で「さすがだな」と思っていたのですが、話していく中で「この人子どもだな」って(笑)。少年らしさをずっと持ち続けていて、すぐいたずらをしたり、すれ違うだけでハイタッチしたりするんです。色々なことを知っている円熟な一面と、5才児のような無邪気さを兼ね備えている楽しい方です。本当にみんなに愛されていますし、お芝居も素晴らしいです。

◆松村北斗が演じる稔の魅力

― 安子と稔(松村)の初々しい関係性も素敵ですが、稔とのシーンで意識したことや2人の関係で共感した部分はありますか?

上白石:安子にとって稔さんは、本当に憧れの年上のお兄さん。誰しも一度はそういう経験があると思うのですが、第1週の安子の中にはそれが恋愛感情かどうかわからないという気持ちがあるのかなと想像していました。なので、ほんのりした淡い夢のようなものを抱いた安子をどう表現するのかは、監督ともたくさん相談しながら演じました。

ですが2人はすごく純粋ですし、英語という同じ興味に向かって話ができるような、とてもアカデミックな仲なのかなと思っています。なので、2人のレベルに差はありますが、そういう品の良さやある意味でのかしこさといった部分も雰囲気から滲み出るといいかなと考えていました。実際、そのような雰囲気は全て松村さんがお持ちだったので、私はそこに純粋に憧れてついていったという感じです。

― 松村さんは、稔と安子の岡山弁でのやりとりが難しかったとコメントされていましたが、そのキャッチボールはいかがでしたか?

上白石:最初はお互いに苦戦して、一回テストをやったら方言指導の先生が飛んできて長めにご指導していただく…ということもありました(笑)。ですが、そこで一緒に苦労したことは絆が深まるきっかけにもなりました。私は個人的に稔さんが話す岡山弁は端正で人柄をそのまま表している感じがして、とても好きでした。苦労しましたが、頑張ってよかったです。

― 特に印象に残ったシーンや、注目してほしいシーンがあれば教えてください。

上白石:安子と稔さんの出会いのシーンです。オーディションで類似のシーンを演じたので思い入れが深かったです。物語の中でも、素朴ながらとても印象的なシーンになっていると思います。加えて、橘家みんなで食卓を囲んでいるシーンがどれも大好きでした。カメラが止まってもみんなしゃべり続け笑い続ける幸せな空間で、濱田岳さん(安子の兄・算太役)は橘家のことを「おもしろお菓子屋」と呼んでいました(笑)。

― 安子と稔の出会いのシーンの撮影で、印象に残っているエピソードはありますか?

上白石:あの場面では、稔さんが注文したお菓子を安子が紐で結びながらのお芝居でした。安子は小さな頃からお店を手伝っているのでスムーズにやらなければならなくて、ドキドキしていました。セリフと合わせて時間内に稔さんに渡すところまでやるという集中力の必要なシーンでしたが、和菓子指導の先生に数日前から教えていただきながら複雑な結び方を頑張って習得して、撮り終えた時はやっと「たちばな」に入れた気がしました(笑)。

※後編に続く!

(modelpress編集部)

◆上白石萌音(かみしらいし・もね)プロフィール

1998年1月27日生まれ。鹿児島県出身。2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞受賞し芸能界入り。2014年、映画「舞妓はレディ」で初主演、日本インターネット映画大賞・ニューフェイスブレイク賞、日本映画ベストインパクト賞、全国映連賞・女優賞、第38回日本アカデミー賞・新人俳優賞など各賞を受賞。2016年、映画「ちはやふる -上の句/下の句-」「溺れるナイフ」に出演し注目を集め、驚異的な大ヒットを記録している映画「君の名は。」では、ヒロイン・宮水三葉役を務めた。さらに「恋はつづくよどこまでも」(TBS系/2020年)「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」(TBS系/2021年)「青天を衝け」(NHK/2021年)など、歌手やナレーターとしても活躍している。

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  • 10/30 13:00
  • モデルプレス

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