共産党は暴力革命を否定。本気で実力闘争を目指す中核派は? 若手活動家に聞いた

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◆八代英輝弁護士の発言を巡って共産党が注目される

 10月31日の衆議院選挙投票日を前に、全国各地で各党の選挙活動が続いている。首相交代による刷新ムードで議席数の安定を果たしたい自民党に対して、野党各党は「野党共闘」を掲げて政権獲得すら口にしていた。

 だが、選挙を通じて感じるのは、どうしようもないシラケムードが自民党に漂っているのは言うまでもない。野党共闘が多数の議席を確保しても、なにかが変わりそうな雰囲気はまったくないからだ。

 選挙協力などによって「野党共闘」で存在感を目指す日本共産党をめぐっては9月末に「暴力革命」をめぐる議論が再燃した。発端はワイドショー番組『ひるおび!』(TBS)でコメンテーターの八代英輝弁護士が発した次のひと言だった。

「共産党はまだ『暴力的な革命』というものを党の綱領として廃止していません」

 これに対して、日本共産党は「事実無根」と猛抗議。番組は謝罪に追い込まれた。支持者も含め日本共産党は「暴力革命」を否定し、今回の衆院選でも、リベラルと大差ない選挙公約を掲げているのが実情だ。革命政党かと思いきや革命を放棄した、いびつな党が「野党共闘」として存在感を強めている実情。

 そんな悲惨な実情を「暴力革命」を肯定する革命党はどう考え、将来にどんな展望を持っているのか……。

◆共産党内からも「本当の学生運動をやりたい」という声があがっている

 10月6日、千代田区にある法政大学市ヶ谷キャンパスの正門前は緊迫したムードに包まれていた。久しぶりに、中核派全学連などが呼びかける「法大包囲デモ」が開かれたのである。

 門を挟んで、20名あまりの学生を取り囲むように法政大学の職員、そして公安警察が対峙している中で学生たちの「法政大学を実力で解放しよう」という呼びかけが、こだましていた。

 これまでも、SPA!をはじめ多くのメディアの取材の中で彼らは日本共産党とは正反対に「暴力革命」を否定しない。むしろ、それを必然のものとして捉えている。だから、ワイドショーを発端として「暴力革命」の否定に走る日本共産党にも、今さら感を感じているようにみえる。

 中核派の活動家でYouTube「前進チャンネル」にも出演している石田真弓さん(元東北大)は語る。

「野党共闘を掲げるようになってから、日本共産党は日米安保廃棄を前面に出さなくなり、自衛隊も容認と、路線を大幅に変えています。いわば権力の側に入りたい一心で動いているわけです。

 そのおかしさは、共産党員自身がもっとも感じているんじゃないかと思います。現に、民青のメンバーの中にも我々の集会に参加する人が出ています。先日も『民青ではダメだ、真面目に学生運動がやりたい』という連絡がありました」

 彼らによれば、暴力にも臆することなく警察と対峙する「実力闘争」そして「暴力革命」を求める声は、想像以上に広がっているという。

◆実力闘争したいと連絡してくる若者

 彼らが、そのことを強く感じたのが、今年夏の反五輪闘争の経験だ。つい先日、全学連委員長に就任した赤嶺知晃さん(沖縄大)は語る

「五輪関連の行動では、デモに飛び入り参加する人も多かったですし、ヘルメットを被っている参加者もたくさんいて、実力闘争の盛り上がりを感じる出来事でした。

 ヘルメットは特に組織的に被ることを決めたわけではなかったのですが、若手は『これを被って反五輪闘争をやりたかったんできました』という人も多かったんです。

 YouTube配信では万単位の視聴者がいましたし、かなり無責任ですけど『中核派にもっと暴れて欲しい』という意見もたくさん届きました。いまコロナで追い詰められている中で実力闘争を期待している人は増えているのんじゃないかと思います」

 とりわけ赤嶺さんは普段の活動の中で、変化を感じるという。

「リモート授業が増えたために、キャンパスで学生と話し合う機会が減っていることもあるんですが、ネットを通じて活動に興味を持っている人と話し合う機会は増えています。

 そうした連絡をくれる人の多くは最初から『デモに参加したい』とか『実力闘争』をしたいといって連絡してくるんです。これまでの、まずは学習会を開いて……という感じじゃないんですよね」

◆暴力革命はもはやリアリティのある問題になっている

 口頭で「暴力革命」を口にするのは容易い。実際、これまでの歴史の中で「革命」と呼ばれる出来事は多くの血が流れることとイコールである。そうした「革命」は必然であり、既に始まっていることだと、石田さんは語る。

「暴力革命は必要であり必然でしょう。資本主義社会において、資本家階級は労働者を搾取することによってしか利益が得られないわけじゃないですか。いつの時代でも、矛盾が生じたからといって支配階級が『支配を止めます』ということはありません。

 むしろ、追い詰められるほどに、圧政を曳いてきてわけです。それを打ち破っていくためには暴力革命。最終的には、力と力のぶつかり合いになるのは必然でしょう。

 ちょっと世界をみれば、香港やミャンマー、アメリカですらトランプを支持する右派が議会を占拠したり、BLM運動が警察署を燃やしている。現実はどんどん進んでいると思っています」

◆この世に存在しないほうがいい人間がいる

 ただ、ここでどうしても考えてしまうのは頭で「暴力革命は必然」だと理解しても、いざ革命が始まった時に暴力を行使できるかという点である。

「自分は広島出身だったこともあって、もともと平和主義でした。ですから、革命のためだからと人を殺めるのはどうなのだろうと、思っていたこともありました。

 でも、法大闘争などの闘いに参加する過程で大学職員や教授、公安警察たちが、権力を笠に着て嬉しそうに超法規的な弾圧をしてくる姿を見て、『あぁ、この世には存在しないほうがいい人間もいるんだな』と考えるようになりました。

 ただ彼らなりの正義が存在していると思うんですよね、全く違う価値観に基づいた正義感が。実際、そういう人間と話し合いは成立しないですし、デモをはじめ様々な現場で日常的に対峙する関係にあります。ですので『いざとなったらやってやる』という気持ちはあります」

◆力があれば五輪会場に突入して中止に追い込めた

 いまはまだ血を流す段階ではないが、話の通じない相手に実力で対抗するという選択は成功も生んでいると彼らは声高に叫ぶ。

「五輪開会式で、メディアも開会式の最中に抗議行動の声が聞こえてくることに触れざるを得なかった。ああいった形で開会式を台無しにするということは実力闘争を追求していなくてはできなかった。

 もちろん、もっとボクらに力があれば会場に突入して、開会式そのものを中止に追い込むこともできた。現状そこまでの力がなかったのは認めざるを得ませんが、『力を持てば、現状を変えることができる』という可能性を示すことができたと考えています」

「暴力革命」が世間のから支持される選択肢になることは、果たしてあるのだろうか。

文/昼間たかし

【昼間たかし】
ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』

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  • 10/30 8:44
  • 日刊SPA!

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この記事のみんなのコメント

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  • やはりなあ。五輪開催を止めさせたかったのか?止めさせて何をやりたかったのか気になる。完全にテロじゃないか。八代弁護士の主張は正しかった。

  • 完全にテロリスト。あと、議会を選挙したりってなんだよ。

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