『チコちゃんに叱られる!』まるで『カネオくん』再放送のような内容に……自局の成果に全力で乗っかるスタイルが定着!?

 10月22日放送『チコちゃんに叱られる!』(NHK)が取り上げたのは、以下の3つのテーマだった。

・なんで猫だけいろいろな模様があるの?
・なんで親指は太いの?
・なんでカップ麺の待ち時間は3分なの?

風景に擬態するより、目立つ柄で人に可愛がられて猫の生存率は上がった?

「なんで猫だけいろいろな模様があるの?」というテーマ、確かに今まで考えたことがなかった。育ってきた環境が違うからか、環境に応じて擬態できるようになったのか、はたまたいろんな柄になって人に可愛がられるためか。いや、もしかして人間が品種改良を行ったのか? チコちゃんが発表した答えは「人間が飼っているから」であった。

 その昔、家猫がまだ野生の動物だった時代、猫の柄は一つだったという。その後、人間に飼われるようになっていろいろな毛柄が生またとのこと。今、猫の毛柄は茶トラ、黒ブチ、三毛などさまざまで、その数60種類以上にも及ぶと言われている。でも、家猫の元祖の毛柄は茶色ベースに黒っぽい縞模様が全身に入ったキジトラのみだったというのだ。中東のキプロス島で今から9500年前くらい前の猫の化石が見つかっており、これがキジトラ柄のリビヤヤマネコだったのだ。だから、猫の元祖はキジトラ柄ということになる。

 では、猫の柄はいつからバリエーションが生まれたのか? 今から2000年ぐらい前の頃にはいろいろな色がいたらしい。古代ローマの遺跡から白黒の猫の絵画が見つかっているから、当時すでにいろいろな色の猫がいたということになる。キジトラから黒と白の猫が、さらに黒猫からサビ猫、サビ猫から三毛猫が誕生、時代を追うごとに柄の種類は増えていった。

 では、柄の種類が増えたのはなぜ? その理由は突然変異だ。本来、動物は親の毛色が遺伝子によって子どもに伝わる。その遺伝子のコピーに失敗し、まったく異なった柄や毛色になってしまうのが突然変異。確かに、親とは違う柄で生まれる子猫をよく見る。そして、突然変異の原因はまだ不明だそうだ。筆者はてっきり、メスが複数のオスの子を同時に産んでいると思ったのだが、そうではないのか……。

 しかし、同じネコ科の動物でもライオンやトラはみんな同じ柄だ。なぜ、猫だけ色んな柄がある? その理由は、猫が家畜化されたから。野生で猫が生きる場合、キジトラ柄には風景に溶け込む擬態の効果がある。敵に見つかりにくいし、獲物に気付かれにくいし、生きる上で有利。野生動物の世界では、背景に溶け込みにくい白や黒など自然で目立つ柄だと、見つけられて食べられたり、獲物に気付かれてエサが取れないなど、生存上不利になる。しかし、野生では生き残れなくても目立つ柄は人間にとっては特徴的だし、大切に飼われるようになるもの。人間が守ってくれるから、どんな色や柄でもOKなのだ。

 自然界で隠れて生きるより、目立つとしても人間に可愛がられ飼われたほうが生存率は高くなったわけだ。逆に言うと、キジトラ柄以外の猫はもう野生に戻ることはできない。だから、猫は人間が責任もって育てないとダメだ。ただ、一つだけ気になったのは野生の猫は突然変異しないのか? ということだった。

 二つ目のテーマ「なんで親指は太いの?」の答えは「石を握りしめるため」であった。なんだ、指パッチンするためじゃないのか……。確かに、親指がなかったら物は掴めない。例えば、親指がない状態で自転車に乗ったら不安定この上ないだろう。

 実は、動物の中でこんなに親指が太いのは人間以外ほぼいないという。人間に最も近いとされるチンパンジーの親指も、人間と違って細いのだ。なぜ、人間だけ親指が太いのか? 

 その昔、人類は食糧危機に陥り、おなかがペコペコになった。生き延びるために食べ物を追い求めた結果、親指がこんなに太くなったというのだ。親指が太くなったことで、人間は動物の世界を支配することができたのだ。

 およそ440万年前、人類の祖先は森の中で果実や葉っぱなど様々なものを食べて生活していた。しかし、地殻変動によって彼らが住む森は乾燥地帯へと変化。食料は激減し、人類の祖先は空腹に。そこで370万年前、アウストラロピテクスの時代になると食べ物を求めた人類の祖先たちは森を出て草原に進出した。

 当時の人類は狩りをする能力が低く、逆に肉食獣に襲われるようなか弱い存在だった。そこで飢えをしのぐ手段として、肉食獣が食べ残した動物の骨の中にある骨髄を食べるように。しかし、「食べ残されている=非常に食べにくい」ということでもあり、大きくて硬い骨をそのまま食べるのは不可能だ。そこで人類が考え出したのは、骨を砕いて食べるという方法。その際に使われたのは石だった。硬い骨を割るためには石を強く握りしめる必要があったので、人間の親指はそれに適した形へと進化したというのだ。確かに、素手だと人間は犬にさえ勝てない動物である。あと、ケンタッキーを食べた後に骨をボリボリ食べたくなるのはこの頃の名残りだろうか?

 人間の手は物を持つ際、人差し指から小指にかけて空間が広がる構造。これは下に広がって大きくなる石を持つのに適した形だ。それをそのまま下に向かって叩きつければ良いわけで、そうなると親指と他の指でその衝撃に耐える必要が生まれる。こうして、石で骨を砕くことで人類は食料難を乗り切った。だとすると、物を掴んで投げるのが死活問題のアスリートも、親指が太いのだろうか?

 人類にとってラッキーだったのは、骨髄には脳の発達や機能に関わる脂肪酸が豊富に含まれていたことだ。骨を食する以前と以後で比べると脳の大きさはおよそ400cc→およそ1000ccへと増え、骨髄を食べることで脳の成長につながった。結果、高度な道具を作り出すことに成功した人類は約180万年前より草原で狩りを始めるようになり、ついに動物の世界を支配したのだった。そうと聞いたら、明日からは現代人ももっと骨髄を食べていくべき!? でも、そうなるとヴィーガンは進化できないということになるな……。あと、骨の髄まで食い散らかすハイエナたちの脳が発達しなかったのも不思議。あと、最も気になるのは手じゃなくて足の親指が太い理由である。人間は足で石を握らないから。

 何にせよ、環境に適応できない動物は絶滅していくしかない自然界の摂理を再認識した。もしかしたら今後、人類はスマホ指に進化していくのだろうか?

「なんでカップ麺の待ち時間は3分なの?」というテーマだけで、語る余地は山ほどある。実のところ、決して3分に限らないのが現状だ。だって、ホームラン軒は4分待つし、ノンフライ麺は5分の場合が多い。2分で硬麺を食べたいときだってあるし、10分置いてふやけた麺を食べたいときもある。俳優の別所哲也はお湯を入れたと同時に食べ始めるのが常だと聞いた。ともかく、チコちゃんが発表した正解は「焦らすため」であった。そういえば、レトルトカレーも3分待つもんな。

 詳しく教えてくれるのはカップ麺の開発者・安藤百福の秘書を務めた、「安藤百福発明記念館 横浜(愛称:カップヌードル記念館)」の館長・清藤勝彦さんである。曰く、カップ麺の待ち時間3分は安藤百福が決めたらしい。百福と言えば、インスタントラーメン開発までの夫婦の奮闘を描いたNHK連続テレビ小説『まんぷく』のモデルにもなった人物。百福は1958年に袋麺を発売して一大ブームを起こすと13年後の1971年にカップ麺を世に送り出し、これまた世界的大ヒットに。百福は“インスタントラーメン”の父と呼ばれている。

 実は、3分という時間は心理的に一番おいしく食べられる時間だそう。禁止されたものほど誘惑されやすい「カリギュラ効果」という心理的現象がある。例えば、『鶴の恩返し』で「覗かないでね」と見ることを禁止されたら、むしろ見たくなってしまうアレだ。カップ麺にお湯を入れて3分待つという行為は「3分は食べちゃダメ」と言われているようなもので、ダメと言われると食べたくなるカリギュラ効果が発揮されているという考え方である。でも、焦らすほどおいしいのであればなぜ待ち時間を3分以上にしなかったのか? 百福曰く、「空腹のときはどうしたって3分以上は待てない」という思いがあり、長すぎず短かすぎず、満足度が一番高まる魔法の時間が3分だったようだ。

 そういえば、明星が1分で食べられる「Quick1」というカップ麺を発売したものの多くの人が癖で3分間待ち、のびた状態で食べる人が続出したためすぐに廃れたという話を聞いたことがある。今年2月20日放送『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK)で紹介していたエピソードだ。この後、番組はカップ麺の製造工程を紹介したが、前述の『カネオくん』でほぼ同じVTRを見たばかりである。再放送じゃないんだから……。「妻の仁子さんが夕食に天ぷらを揚げている姿を見て、フライ麺の製造方法を百福は考案した」というエピソードも、すでに『カネオくん』でインプット済みだ。

 自局の他番組の成果に全力で乗っかっていくスタイルが、最近の『チコちゃん』からは妙に目につく。あと、「空腹時は3分以上待てない」の説に乗っかるとすると、お湯を沸かす時間を勘定に入れていないのは説得力不足である。

  • 10/29 20:00
  • サイゾー

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