ラジコンはOKなのにドローンはNGのワケ。日本のドローン規制事情

拡大画像を見る

―[得する!使える!ガジェット裏マニュアル]―

◆産業用ドローンが際立っていた時代

 日本でドローンというと、規制でがんじがらめにされており「自由に使うことが出来ないと」回答する人が多い。せっかくの新技術なのに日本は規制だらけでドローン後進国だと言う人もいるだろう。

 ドローンと対比されてよく話題に上がるのが、「農薬散布用ヘリコプター」。日本は農業大国ということもあり、ドローン登場前は無人ヘリコプターによる農薬散布がよく行われていた。

 この分野ではヤンマーやヤマハの無人ヘリコプターが非常に優秀で、農協や民間企業が決められた時期に散布を行っており、農家は外注して農薬散布を行ってもらうのが通例となっていた。

 ラジコン業界も「双葉電子工業株式会社」や「ヒロボー株式会社」、「キーエンス」など空モノラジコンでは日本メーカーは一流として広く知れわたっており、エアプレーンやヘリコプター時代には日本メーカーの信頼性は超一流と言っても過言では無かっただろう。

◆簡単にドローンを手に入れられる時代が到来

 しかしクワッドコプター、いわゆるマルチコプターが登場し1989年にはキーエンスからドローンの元祖とも言うべきジャイロソーサーが発売され、当時はイロモノとして扱われていたものの、一定の需要がありクワッドコプターは広く普及していく。

 2010年にParrot社がAR.Droneを発売したことで一般でも簡単にドローンを手に入れられる時代が来たわけだ。(※注釈 ラジコンヘリやマルチコプターは無線操縦する無人機。ドローンは完全自立で無線操縦を必要としない機体。現在は無線操縦が必要な機体でもマルチコプターならドローンとネーミングされていることもあるので購入の際は注意が必要だ)

◆気軽にドローンを飛ばせなくなったあの事件

 日本で起きたドローンによる事件と言うと多くの人が2015年に起きた「首相官邸無人機落下事件」を思い出すことだろう。この事件をきっかけに、「小型無人機等飛行禁止法」が設立されドローンを日本で気軽に飛ばすことが難しくなった。

 現在では200g以下のトイドローンなら気軽に遊べる余裕が残っているが、これもまた2022年6月から100g以上のドローンは機体情報や所有者情報の登録が必須となり、今現在200g以下のトイドローンで遊んでいる人たちにも影響が出ることとなる。

 無論、トイラジコンも登録が必須対象となるので模型愛好家からは反対運動が起きている。こういった情報だけ見ると海外では自由に飛ばせるのに日本は規制ばっかと言うかもしれない。しかし、アメリカなど諸外国でも同様に法整備されており、飛行規制ルールが設けられている。ドローンを飛ばすのが面倒なのは日本だけではないのだ。

◆無線免許が必要なケースも

 現在、多くのドローンが2.4GHz帯の周波数を使い、有視界の範囲で操作したり、スマホとドローンカメラを使ったFPV(First Person View)、つまりドローンから一人称視点映像で操縦している。

 しかし、最近ではFPVは伝送のタイムロスが少ない5GHz帯を使うことが多くなり、この帯域には無線従事者免許が必要になっており、個人で楽しむためには「アマチュア無線4級」以上、ビジネス用途では「第三級陸上特殊無線技士」が必要となっている。

 アマチュア無線といえば枯れた趣味とも揶揄され、今どき無線通信なんてダサいとも言う人もいるかもしれない。しかし、最近では災害時の非常時通信手段やドローン操作の為など、免許の取得や無線局の開局数も一時期よりは増えており、若年層の免許取得率も増えてきている。

「本格的なドローンはちょっと」という人にはチョロQサイズほどの小型ドローンなどもトイドローンでは販売されている。トイドローンや産業用ドローンの今昔は次回以降詳しく説明していこう。

<文/板倉正道>

―[得する!使える!ガジェット裏マニュアル]―

【板倉正道】
テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク

関連リンク

  • 10/29 15:51
  • 日刊SPA!

スポンサーリンク

この記事のみんなのコメント

1
  • 『日本で起きたドローンによる事件と言うと多くの人が2015年に起きた「首相官邸無人機落下事件」を思い出すことだろう。この事件をきっかけに、「小型無人機等飛行禁止法」が設立されドローンを日本で気軽に飛ばすことが難しくなった』 一部のモラルのない方の『やらかし』で規制

記事の無断転載を禁じます