ハネムーンの東南アジアで「案内するヨ!」と声かけられついていったら大後悔した話
旅先でちょっと厄介な人に出会ってしまったら、どう対処すればいいか――。
野田アンナさん(30歳・仮名)はコロナ前にハネムーンで東南アジアのとある国を旅したとき、現地の人から迷惑行為を受けたといいます。
◆日本語が堪能な男性に声を掛けられたが…
野田さんはハネムーンの最終日、現地の人が利用するスーパーでお土産を買うため、空港のある島から船で10分ほど離れた離島に行くことにしました。
「空港がある島に地元の人が利用するスーパーがなかったので、スーパーがある島には船で気軽にアクセスできることを知り、軽い気持ちで行ってみました」
船を降りてスーパーを目指そうとガイドブックを広げると、現地人と思われる男性に声を掛けられました。
「30代後半くらいの中肉中背の男性から『ドコに行くの?案内するヨ!』と、流ちょうな日本語で声を掛けられました。せっかく声を掛けてくれたし、現地の人が案内してくれるなら心強いと思い、スーパーに行くことを伝えて案内をお願いしました」
◆いきなり宗教施設を案内された
野田さんと夫はその男性の後をついていくかたちで市街地を歩き始めました。聞けばその男性、日本での仕事をしていたらしく日本語がペラペラだったそうです。
ガイドブックの地図を見ながら男性についていくと、スーパーとは明らかに違う方向に向かっていることに気づいた野田さん。
「『スーパーってこっちじゃないですよね?』と聞くと、『そうだけど、チョットついてきて!』と言われて、現地の人が利用する宗教施設を案内されました。
『ここで信者が集まってお祈りするンダヨ』と、さながら観光ガイドのごとく施設を紹介されました。確かにきれいな建物でしたが、私たちが行きたいのはスーパーだけで別に観光はしたくなかったので、ちょっと困惑しました」
◆お土産屋を経由してようやくスーパーへ
「飛行機の時間もあるから早くスーパーに行きたい」と男性に伝えた野田さん。「ワカッタ、ワカッタ!」と言う男性の言葉を信じて、今度こそ地図のどおりにスーパーへ向かいます。
「やっとスーパーに行けると思ったら『その前にココを見ていって!』と言われて、スーパーが入っている敷地の中にある土産店に案内されました。そこの店員も日本語を少しだけ話せる人で『こんなお土産どうデスカ?』などとしつこく押し売りされました」
店員の押し売りに加え、スーパーで買い物する時間がどんどんなくなっていくことに、次第にイライラ……。
「可愛い雑貨もあったのでひととおり商品を見て選んだのですが、レジで会計しているときにも『コレもついでにいかが?』と押し売りされるありさま。『もういりません。時間がないので早くしてください!』ときつい口調で言ってしまいました」
結局、飛行機の時間が迫っていたためスーパーでの買い物はわずか10分程度だったそう。「もっとゆっくり買い物したかったのに」と、男性についていったことを後悔しながら帰路へ。
◆帰国後、ガイドブックには「キャッチに注意」の注意書きが…
その後帰国してから旅の余韻に浸ろうと思い、自宅でガイドブックを見返していた野田さん。そこに書かれた注意書きを見てびっくりします。
「『船を降りてすぐのところに観光客を狙ったキャッチが待機している。ガイドブックを出すと観光客だと思われ、声を掛けられて土産屋に案内されるので要注意』と書かれていました。私たちは見事にキャッチに捕まったのですね。この注意書きをはじめから読んでいればあんなに嫌な思いをしないで済んだのに。本当に悔しいです」
コロナが落ち着いたら旅行がしたいと考えている皆さん。旅行に行けない今からでもガイドブックを読んで現地の情報を知っておいても損はないのかもしれません……。
<取材・文/林加奈 イラスト/朝倉千夏>