ブーム沸騰中「大人向けぬりえ」の緻密すぎる線画は誰が描いている?

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はみださないように…、お手本通りきれいにしあがるように…。
息をつめて絵に意識を100%そそぐうちに、気がつくとあれ、夕方?

色をぬる、ただそれだけ。すごくシンプルなのに「はまる」人続出のぬりえ。ぬっている間の没入感、ぬりあがったときの達成感、そして、集中して作業したあとに感じる心地よい疲労感が「いいストレス解消になる」と根強い人気ですが、コロナ禍で増えたおうち時間を有意に過ごすアイテムとして、今やそのクオリティは芸術の域にまで進化しているようです。そんな「大人向けのぬりえ」は線画(色をぬる前の線だけの画)も繊細で緻密。いったいどんな人が、どうやって描いているだろう…。気になったので、取材してみました。

■「大人向けぬりえ」の緻密すぎる線画は誰が描いている?

『ぬりえ花言葉・花図鑑』(ユーキャン刊)は超本格派のボタニカルアートをぬりえで楽しめる一冊。ラナンキュラス、ガーベラ、アネモネといったなじみの花から、パッと見では名前が浮かばない花まで、美しくいきいきと描かれ、色がついていなくても植物の表情が伝わってきます。

これら花ぬりえの線画とぬり見本を制作したのは、イラストレーターの今井未知さん。お話を聞いてみると、この繊細で緻密な線画は「手描き」で制作されたのだそうで…。

「紙にえんぴつで描くとどうしても線の細さに限界があります。でも今回は、細部まで繊細に描き込まれた線画にこだわりたくて、タブレットにアップルペンシルで描き込む方法をとりました。ただ、デジタルで描いてはいますが、えんぴつの質感が出るブラシを選んでいるので、仕上がりとしてはえんぴつで描いたようなタッチになっていると思います(今井さん)」

『ぬりえ花言葉・花図鑑』の線画のベースには、2年前に刊行された『ちいさな花言葉・花図鑑』(ユーキャン刊)に掲載されている、構図が愛らしい花々の写真が採用されているそう。しかし、制作の過程で今井さんは「写真をそのまま線画に描き起こすだけでは、その花の「らしさ」は表現できない」と感じたとか…。

「写真では、葉や花びらのつき方やおしべ、めしべの生え方など、花の構造がリアルにはつかみにくく、描きにくいことが多々あります。なので、花屋さんで実際に花を買ってきてぐるぐる回して観察したり、あるいは植物図鑑といった資料を確認しながら描きました。細かいところが少し違うだけで、その花「らしさ」が消えてしまったりするんです(今井さん)」

■陰影、グラデーション、立体感…色鉛筆を駆使するプロの技

ぬりえの線画を何色で、どうぬって仕上げるか…。ぬる人それぞれの自由な発想で楽しめるのが、そもそもぬりえの醍醐味ではありますが、まずは今井さんが着彩した「お手本」を参考にしてみるといいかもしれません。今井さんは、デジタルで描いた線画を画用紙に印刷して、ふつうの人と同じように「色鉛筆」でぬって仕上げたそうです。

着彩の作業で今井さんが一番意識したのは、単なる「お手本」でははく、ながめたり飾ったりしても楽しめる、作品としてのクオリティだとか。

「もしぬるのに飽きてしまっても、この本が、買ってくださった人のくらしを豊かにするのに役立てば、と…(今井さん)」

でも、できれば全部、楽しくぬってほしい…。スタッフと相談して「プロは同じ色鉛筆でもこう使う」といった、今井さんならではの着彩テクニックを「コマ送り」の写真つきで、わかりやすく紹介することにしたそうです。

手先が不器用で…という人も、そもそも絵に自信がない人も、本書の「プロに教わるぬり方の手順」や「プロのぬり方テクニック」を参考にすれば、自分でびっくりするほど上手にぬれるかもしれません。影をつけたり、色を重ねてグラデーションをつけたり、立体感を出すテクニックの解説には「色鉛筆でここまでできるの?」と、正直驚きます。

これからぬりえをはじめたい人も、すでに楽しんでいる人も、本書で「ただぬりつぶすだけ」ではない、ひと味もふた味も違ったぬりえの世界を、じっくり体験してみてはいかがでしょうか。

(新刊JP編集部)

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  • 10/28 18:00
  • 新刊JP

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