日本名輪会・山口健治の「江戸“鷹の目”診断」/低迷中の松浦より地元の清水に勝機

【「防府記念」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人!】◎清水裕友/○松浦悠士/▲新田祐大/△稲川翔/守澤大志/村上義弘/香川雄介/小倉竜二/諸橋愛/桑原大志/吉田拓矢/太田竜馬

 断然人気を覆そうとするのは、人気にならない選手の意地でもある。

「防府記念」(10月31日【日】~11月3日【水】)は、断然の連係実績を誇る黄金コンビのマッチレースが濃厚だ。

 本命はこの地元記念を3連覇しているように、絶対の自信を持っている清水裕友。展開不問で、自在に仕掛けて突き抜ける。

 清水とコンビを組むのが松浦悠士。2人の前後は調子しだいだが、今回は清水の前回りになるのではないか。松浦を対抗にしたのは、近況の停滞ぶりからだが、獲得賞金は断トツのトップで余裕があり、レースメイクは巧み。清水をガードしながら逆転の可能性も十分ある。

 あとは、まくりが強烈な新田祐大と、清水─松浦を分断できれば、稲川翔の台頭もある。

 今回、中四国から多数が勝ち上がりそうで、別線も十分ありえる。四国は太田竜馬─小倉竜二─香川雄介で並び、司令塔の小倉のゴール前の伸びとハンドル投げの妙技にファンはいつも驚かされている。2、3着には押さえておきたい。

 守澤太志は1カ月半ぶりの実戦になるが、獲得賞金でSS班の維持を確実にしている。車券の対象にするのは、初日を見てからだ。

 劣勢の関東勢では好調の吉田拓矢に期待している。主導権を取りきれば一発がある。

【大穴この1車】松坂洋平(神奈川・89期)。

 今年のGIII戦は4場所中3場所がアウェイ。それも西日本ばかりなのだが、1場所に1本は万車券を演出している。6月別府2日目2着の約7万円を筆頭に、7月小松島初日1着が4万円超。前々走の久留米(【1】【5】【7】【1】)初戦は1万円オーバーで、最終日は5万円を超えた。まずは高配当のゴールを決める初日を狙いたい。

【狙い目の伏兵3人】

 町田太我(広島・117期)は、来期1月から1班昇級が決まっている。6月GIII松山(【1】【1】【3】【1】)を挙げるまでもなく、実績は2班で突出している。ファイナリストまで昇り詰め、地元ラインの先頭で戦ってもおかしくない。

 町田と同期で8月末に特昇した兼本将太(熊本)は、S級2場所目の平塚記念(【5】【未】【1】【8】【3】)の2走目、打鐘から発進して初勝利を飾った。ここもチャンスとみれば一気に踏み込む。

 阿部架惟都(宮城・115期)は、1年ごとに昇級して7月にS級入りした。まだFI戦で苦戦しているが、GIIIは3場所目。得意の33バンクだけに後半戦で逃げ切りがある。

山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

2021/10/27 17:58

こちらも注目

新着記事

人気画像ランキング

※記事の無断転載を禁じます