「GUの最新コラボ」絶対に買い逃してはいけない傑作アイテム3選
―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第350回目をよろしくお願いします。
◆「GU×UNDERCOVER」コラボ第2弾がついに発売
GUと老舗ブランドUNDERCOVERのコラボ第2弾が10月29日から発売スタートします。
一足先に全型チェックしてきましたので、今回は早々に完売しそうな人気アイテムを3つ紹介させていただきます。メルカリで値段高騰が予想されるので……気になる方は早めにGETしておくことをおすすめしますよ。
GUはもちろん、UNDERCOVERはバイヤー時代から10年以上見てきた個人的にも愛情と付き合いの深いブランド。GUもUNDERCOVERもどっぷり知っている僕がおすすめを語っていきますよ!
◆★MA-1ブルゾン UNDERCOVER 4990円
まずはこちらMA-1。今年のメンズのトレンドアウターでもあるMA-1。各ブランドデザインやディティールに凝ったMA-1が展開されていますが……今回のコラボは意外にもシンプルです。
ZIPをはみ出させたフロントディティールやUNDERCOVER得意のグラフィックなどを入れたバックスタイルなどが印象的ですが、それ以外はシンプルな出来。今回のコラボでは刺激のあるデザインも多いのですが、こちらはどなたでも取り入れられるアイテムとなっています。
◆軍モノを彷彿とさせる重厚な風合い
オーバーサイズですが着丈が程よく短めになっており、だらしない印象が出ないのがポイント。オーバーサイズ苦手な方でも自然に着こなすことができるでしょう。
また、素材もGUとは思えないほど本格的で軍モノを彷彿とさせる重厚な風合いがあります。
値段も驚くほど手頃で4990円。今回のイメージグラフィックの表紙を飾っているアウターでもあるし、こりゃ完売も早いだろうな……と思った人に朗報。実は最終手段があります(笑)。
実はこのアウター、GUの既存ラインで展開しているMA-1とほぼ同じなのです(笑)。もちろんポケットデザインや背面のグラフィックなどはコラボ品ならではですが、基本的な素材とシルエットは特に変更がありません。
◆GUの既存ラインでもかなり満足
なので、もしUNDERCOVERコラボを買い逃してしまったら最悪GUの既存ラインのほうで購入すればOKです。物足りない感があるけれど、それでもベースは同じなので十二分に楽しめるでしょう。
もちろんUNDERCOVERのロゴはないのでファンからすれば違うかもしれませんが、「見た目」だけならそれなりに満足できるはずです。
「コラボ品だけど既存品とほとんど変わらないってことは……実はコラボってちょっと監修してるだけでほとんどGUが勝手に作ってるんじゃないの?」と邪推される人もいるかもしれません。
◆コラボ対象のデザイナーの意向も強く反映
内部事情を完璧に知ってるわけではないですが、複数もらった情報を統合すると、こうしたユニクロGUのコラボは対象となるデザイナーがかなり深くモノ作りに入っているようなのでご安心を。
それではなぜこうしたことが起こるか、というとコラボ企画というのはUNDERCOVERのデザイナーが「一人ですべて作る」のではなく(おそらくそうしたイメージを持たれている方が多いのではないかと思います)、GUのデザインチームとコラボ相手のデザイナーがともに作っていくものだからです。
なので、GU側も意見も踏襲するし、UNDERCOVER側の意見も反映する。ともにもの作りをするから「コラボ」なのですね。デザイナーが一人ですべてデザイン画を描いているわけではありません。
◆ユニクロ「+J」もジル・サンダーが深く関与
なので、今回のMA-1は既存ラインの出来がよく、それをUNDERCOVER側も認めたのでベースアイテムとして採用されたのでしょう。
ユニクロの+Jなども「ジル・サンダーは実はハンコ押すくらいでほとんど関わってないんじゃないか?」なんて思っている人もいますが、私が知る限りまったくそんなことはないようですよ。
生地の選定など細かな部分までジル本人が手がけており、指揮を行っているようです。このへんはUNDERCOVERファンもご安心を。
◆★グラフィックスウェットシャツ(長袖) UNDERCOVER 2490円
わかりやすくUNDERCOVERコラボを楽しめるアイテムがこちら。ブランドの得意なグラフィックが全面に出たスウェットです。単にいつものGUスウェットにグラフィックを載せただけでなく、このコラボのためにオリジナルでデザインされており、こだわりがみられます。
肘部分にはアクションプリーツがあり腕の曲げ伸ばしがしやすくなっていると同時に、デザインのアクセントにもなっています。サイドにはスウェットでは珍しくZIPつきのポケットが装備されており、スマホ入れなどの機能面もそうですが、いいアクセントとなっています。
素材は普段のGU以上に気合が入っており、肉感のあるもっちりとしたスウェットが特徴。表面はしっかり光沢があり、高級感があります。
シルエットはショルダーが落ちたルーズなサイズ感ですが着丈はさほど長くないのでだらしない印象もなし。ZIPやピスネームなどもすべてこのコラボのためにオリジナルで製作されており気合の入れようが伺えます。
◆プリントの品質は「値段の限界」
一点、唯一値段の限界を感じる部分としてはプリント。
UNDERCOVERの繊細で美しいグラフィックですが、今回のものは特に線が細いため、プリントで表現しきれていない。荒いプリントで近くで見ると、ちょっとピンとがボケたようになってしまっているのが少々残念。
本家ならこれはなかったことでしょう。「プリント」ってなんでも同じように感じるかもしれませんが、実は細かく、技術があり「このブランドにしかできないプリント技法」なんてのもあるくらい職人の世界なのです。
ただ、2490円という価格ではもちろんこれで合格点だと思いますが、本家ファンからすると魂となるグラフィックがもうちょっときれいに出てくれていたら、と思う人もいるかもしれませんね。
◆★ヘビーウェイトスウェットシャツ(長袖) UNDERCOVER 2990円
最後もスウェットになっちゃうのですが、こちらはディティールがかなり凝ったもの。プリントではないデザインディティールで差別化しています。
フロントは斜めに走るZIPが大きな特徴。開けるとグランジファッションの様なカットしたスウェットのような印象に。もちろん開けずともこのZIPデザインがしっかりアクセントとして利いてくれます。
ネック部分もレイヤードしているような二重構造になっており、首元のバインダーがふたつ重なった面白いもの。
袖先にはMA-1などでよく見られるZIPポケットが落ちてきたようについており……どこかパズルをバラしてぐちゃぐちゃに合わさってしまったかのような脱構築性を感じます。
◆主役になれる無地スウェット
また、ヴィンテージのチャンピオンなどで見られるように脇下はリブ素材の切り替えになっていたり、素材はグラフィックスウェットとはまた違うものを採用していて肉感のある古着のような質感に。
遊びのあるデザインだけでなく、素材やディティールに本格的なものを盛り込むことで説得力も備えています。
「こんなにデザインがあると着回しにくいんじゃ……」と思うかもしれませんが、GUはいつも写真で損をしている。商品写真だとなんだか明るく撮影しすぎてディティールが目立ちすぎていますが、実物見ると、わりとシンプルなものなので抵抗なく使えます。
主役になれる無地スウェットはなかなか珍しい。地味にならず、スラックスと合わせるだけ「ぽく」なります。ぜひ手に取ってみてください。個人的にも今回のラインアップの中で、これが指折りで気に入っています。
以上、GU×UNDERCOVERコラボ・マストバイでした。ぜひご参考に!
―[メンズファッションバイヤーMB]―
【MB】
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