ごはんが、ワインがとまらない。浅草・路地裏の絶品タレ焼肉と亀有・下町のイタリアンは本当に旨かった

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―[ツレヅレハナコの旨いもの閻魔帳]―

 緊急事態宣言がようやく解除され、あの店、この店と飲み歩き、食べ歩いている方も多いだろう。そこで今回は人気フード編集者として、数多くの飲食店を取材したツレヅレハナコさんに宣言が明けたから今だからこそオススメしたい店を、近著『ツレヅレハナコの旨いもの閻魔帳』から紹介してもらった。

◆淡々と旨い肉を出す浅草の名店

 浅草ビューホテル前の国際通りを入ったところに、年季の入った渋い焼肉屋さんが密集している路地がある。通称“焼肉横丁”。かつては数十軒の韓国料理屋が軒を連ねていたそうだけど、今あるのは10軒ほど。1960年創業の冨味屋はそのうちの一つ。

 焼肉ってテンション高く「さぁ肉を食べるぞ!」とか「A5の稀少部位が〜」みたいなノリがあるけど、冨味屋はちょっと違っていて、ちゃんと「ごはんを食べに行くお店」。

 1960年創業で歴史もあるから、業者に言えばいわゆる「稀少部位」も手に入るんだろうけど、そういう浮ついたのとは一線を画している。地に足をつけて、しっかりと肉に“仕事”をして出し続ける姿が、なんともカッコイイ。

◆ぜひタレを味わってほしい。そして裏メニューも……

 もちろん、焼肉はものすごくおいしい。なんてったって肉質がめちゃくちゃいいし、そして安い。タンやカルビ、ハラミやホルモンはどれも一皿1000円以下で、三角バラやカイノミといった希少部位ですら一皿オール1500円!

 盛りもいいし、ホルモンは光り輝いてるし、ハラミは並と上を食べ比べた結果、並のほうがむしろ肉々しいから断然好み。

 でもね、塩辛やセンマイ刺し、キムチがものすごくおいしいので、私のメインはむしろそっち。裏メニューの卵焼きもマストで!ホテルのオムレツのように美しくて、ふわとろでおいしいんだから。

◆居酒屋のようなイタリアン

 東京の東には、いい酒場はあっても、おいしいイタリアンはないという話をしていたら、「近所にあるよ!」と亀有の住人が教えてくれたのが、このお店「Osteria Luce」。店名の「オステリア」はイタリア語で「居酒屋」だから、酒場じゃん!と思ったら、お酒は自然派のイタリアワインとクラフトビールが中心で、そのラインアップは超マニアック。

「細かいことは考えずにとりあえず行ってみて!こんなところにこんな店が!?」と思わずにいられない。

◆ワインが止まらない素材の味を引き出した料理

「見た目に美しい料理は他のお店にお任せします。朴訥とした家庭料理がうちらしさかな」

 店主の馬場澄人さんが話すように、色止めはせず、くたくたになるまで煮っぱなしのいんげんだったり、どろどろに煮くずしたリッボリータだったり。素朴で目にも胃にも優しく、しみじみと味わい深い。毎日でも食べたくなる味。

 それでいて料理はどれもきっちり塩が決まっていて、ワインを飲まずにはいられない。

 イタリアンは素材を大事にする料理。フレンチみたいにソースを食べる文化じゃなくて、素材の旨みを味わうから塩がとても大事になる。だからイタリアンのシェフって塩の見極めとセンスが問われるのだけど、馬場さんのセンス、本当にたまらない。

文/ツレヅレハナコ 構成/長谷川大祐(SPA!編集部)

―[ツレヅレハナコの旨いもの閻魔帳]―

【ツレヅレハナコ】
食と酒と旅をこよなく愛する編集者。雑誌などのメディアやTwitter、Instagramでレシピや美味しいお店を発信中。新刊『ツレヅレハナコの2素材で私つまみ』がKADOKAWAより好評発売中。他にも『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコの薬味づくしおつまみ帖』(PHP研究所)『ツレヅレハナコの南の島へ呑みに行こうよ!』(光文社)、『女ひとり、家を建てる』(河出書房新社)など著書多数。Twitter@turehana instagram@turehana1

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  • 日刊SPA!

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