ワクチン接種券を隠す夫にウンザリ「陰謀論を信じる主人の姿が気持ち悪い」

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 7月より発令されていた緊急事態宣言も9月30日の期限で解除され、10月下旬の現在、街に賑わいが戻りつつある。

 ワクチンの接種も国民の半数以上が2回目を完了。3回目の接種については、厚生労働省の専門家などが集まった分科会で検討されている最中だ。そんな中、いわゆる陰謀論をSNS上などで広めている人々も多数存在する。そして、その根拠のない情報を信じてしまい、ワクチン接種を拒む人が大勢いるのは事実だ。

「最初は『私がなんとかしなくちゃ!』と思って、いろいろと話をしたのですが、私の声は全く届かなかったです。私の言うことは全てバカにした態度で聞いて、反論してきてウンザリしています」

 と話すのは、都心から離れた地方に住む横山智子さん(仮名・40代)。彼女の現在の夫(40代)もSNSやYouTubeに横行している陰謀論を信じてワクチン接種を受けていない。横山さんはそんな夫に連れ添うことに疑問を感じ、今、“ワクチン離婚”を真剣に考えている。

◆マスク未着用で飲み会に参加する夫

 横山さんと夫は、仕事を通じて知り合い、交際から8年で結婚に至った。

「彼のポジティブで、人の悪口をめったに言わないところに惹かれて結婚しましたが、まさか結婚して子どもができてから、彼にこんな一面があることに気づくなんて……。コロナ禍でなかったら全く知らないままでした」

 夫はコロナ禍になっても、マスクを着用することなく、コロナ感染者が多い地域へ不要不急の外出ならびに外泊を繰り返し、たびたび飲み会にも参加していたという。

「三男の妊娠をきっかけに、彼が変わってくれると思ったのですが……」とため息まじりに話す横山さん。彼女はこう続ける。

「立会い出産と、1日15分の面会が出来ると産院から聞いていたのに、それでも県外への不要不急な外出を主人はやめてくれなかった。だから立会い出産も、面会も出来なかったです」

◆夫の口から飛び出した“ありえない言葉”

 やがて、彼女は無事に元気な男の子を出産。産後入院を経て家に戻った。しかし、そこで待っていたのは、子育てに全く協力してくれない夫だった。横山さんは、退院したその日から、家事、育児を一人でこなしてきたという。産後は安静にしていなくてはならないはずなのだが……。

 産後まもなく家事と育児を両立していた横山さん。無理がたたったのか、彼女は大きく体調を崩し、38度の熱を出して寝込んでしまう。そんな横山さんの姿を見た夫はありえない言葉を彼女へ言い放つ。

「『家事ができない』と言うと不機嫌になっていたくらい、私のことを気づかってくれない。だから、心配するどころか『熱は自分の免疫が戦っているからいいことなんだよ』と笑顔で言われました。挙句の果てには『で、ゴハンは? なんで風呂沸いてないの?』とまで。あのときは言い返す気力もなく、部屋に閉じこもってしまいました」

◆ワクチン接種券を家族に隠す陰謀論信者の夫にウンザリ

 なんとか横山さんの体調は回復。しかし、夫の無関心は続く。やがて時はワクチン接種の時期になり、横山さんのところにもワクチン接種券が届くはずだったのだが……。

「自分たちの接種券が発送になったのに一向に届かないので主人に『まだ接種券こないね?』と言うと彼はしどろもどろになり、問い詰めると隠していたことが発覚しました。

 そこで話し合いをしたら『コロナは茶番! マスクは免疫を下げる! PCR検査はただの風邪でも陽性になる! ワクチンなんてこんなの打つものじゃない、5Gが! 接種後の死亡者数が!』などと喚き出しました」

 横山さんが冷静に話そうとなだめても、夫は彼女の発言を遮って一生懸命ワクチンの危険性を唱えたという。

「一つ一つ『正しい情報はこうだよ』と言っても『どうせネットやろ? それが正しいという証拠は? 俺は正しい情報を勉強して調べたから知っている!』と、まともに話も聞かずに小馬鹿にしたような態度を取られました。

『それって陰謀論って言うんだよ』と私が言うと、逆上して凄んで睨んできて『もうお前とは話にならん!』と言ってマスクも付けずに外へ飛び出す始末。

 別の日の話になりますが、子どもたちにも『ワクチンなんて打たなくていい!』と怒鳴ったり、『マスクとか意味ないから! しなくていい!』と外させようとしました。子どもたちにワクチンを受けさせたいと伝えると途端に不機嫌になり、書斎にこもって壁に八つ当たり。その挙句、生活費も渡してくれないので、下手なことが言えないのが我が家の現状です」

◆生活費を盾に意見を聞こうとしない

 生まれたばかりの乳幼児を含む3人の子どもを育てている横山さん。言うまでもなく子どもを育てるには、夫からもらえる生活費が頼りだ。

 生活費を盾に横山さんの意見をまともに聞こうとしない夫の態度には怒りを覚える。横山さんは怒りを通り越しウンザリした様子でこのように語る。

「毎日FacebookやYouTubeを見て、自分から喜んで洗脳されている姿を見ると気持ち悪い。YouTubeに規制が入ったら『ほら、やっぱり真実は都合が悪いから隠されている!』と主人は話していました。

 最近では自然派の健康補助食品等を売っている人の所に行っているようで、塩、酵素等が家の中に増えています。もう後戻りの出来ない所まできているのではないかと思い、本気で離婚を考えています」

◆無事に1回目の接種を終えたが…

 横山さんはその後、夫の隠すワクチン接種券を自力で探して、1回目の接種を終えたと話す。

「家中を探して接種券を見つけたのですが、予約できる所がなくて困りました。ですが、Twitterで予約状況をツイートしてくれている方がいらっしゃって、空いている所がわかって予約が取れました。近日中に2回目も接種します。主人はもちろんワクチンを打っていませんし、主人には私がワクチンを接種したことを伝えていません。聞かれたら答えますが、まだ聞かれていないのが現状です。なんせ私に無関心なので……」

 最後に横山さんは、現在の夫の姿を見て、このように嘆く。

「この人はなんでこんな風になってしまったのか、なんでここまで無責任でいられるのか、なにが原因なのか、私が悪いのか……」

 もちろん、横山さんは悪くない。常識的な考えを持っていればそれは一目瞭然だ。問題は、過度に陰謀論を信じてワクチン接種を拒むどころか、家族を巻き込み自身の考えを押し付ける夫にあるだろう。

 今、横山さんはワクチン離婚を真剣に考えている最中だ。ワクチン離婚は案外我々の身近に存在しているのかもしれない。

<取材・文/相模玲司>

―[「コロナ離婚」を考えた瞬間]―


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