母系にGI4勝のクロノジェネシス、アドマイヤジェイがデビュー/関西馬メイクデビュー情報

 先週は菊花賞ウィークが伝説の新馬戦だという話題に触れたが、決してその週だけに将来の大物が集まるわけではない。昨年は4回東京、4回京都の最終週の新馬戦を勝ち上がった2頭が日本ダービーへ出走している。

 京都芝2000mを勝ったのがディープモンスター(栗東・池江泰寿厩舎)。春は皐月賞、ダービー、そして先週の菊花賞と牡馬三冠に皆勤している。東京芝1800mはグレートマジシャン(美浦・宮田敬介厩舎)。こちらは4戦目にダービーに出走したが、毎日杯2着という実績が評価されて3番人気。やはり、秋開催の新馬戦はクラシックを賑わせる存在になるということだろう。

【10月30日(土) 阪神芝2000m】

◆グッドフェイス(牡、父キズナ、母アイリーグレイ、栗東・松下武士厩舎)

 おばに芝で2勝、ダートで2勝を挙げたカホマックス(父クロフネ)がいる血統。カホマックスは1400m以下の距離ですべての勝利を挙げているが、本馬については「気性的に長いところが合いそう」と松下武士調教師。

 10月14日のCWでは新馬と併せて、相手を1秒以上突き放しての先着。6F82.3秒と全体時計も速く、かなりしっかりと動けるようになってきた印象。「まだ緩いところはありますが、追うごとに良くなってきましたね」と同師。鞍上は松若風馬騎手が予定されている。

【10月30日(土) 東京芝1600m】

◆カミニートデルレイ(牡、父ジャスタウェイ、母フェイトカラー、栗東・大久保龍志厩舎)

 母系に芝で4勝を挙げ、2012年ジャパンダートダービーでは2着の実績もあるトリップ(父クロフネ)がいる血統。

 本馬は8月28日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。9月2日にゲート試験を合格すると一旦リフレッシュ放牧へ出て、10月2日に再入厩。10月13日には坂路で4F52.8秒、1F12.1秒と素晴らしい時計をマークしている。10月21日はレースで騎乗予定の福永祐一騎手が跨り、CWでの併せ馬。坂路とトラックを併用して、しっかりと仕上げられている。

【10月31日(日) 阪神芝1600m】

◆アドマイヤジェイ(牡、父ロードカナロア、母ライラプス、栗東・友道康夫厩舎)

 母系には今年の宝塚記念などGIで4勝を挙げ、凱旋門賞にも挑戦したクロノジェネシス(父バゴ)や昨年の香港カップを制したノームコア(父ハービンジャー)などがいる血統。本馬は2020年セレクトセール1歳にて、3700万円で落札されている。

 6月3日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩し、ゲート試験合格後はリフレッシュ放牧。9月19日に栗東へ再入厩すると坂路、CW、芝、ポリトラックと様々な調教コースを追い切りに利用。どんな馬場でも動きはしっかりしているし、10月13日のゲート練習ではスムーズな発馬を見せ、センスの良さも見せている。鞍上は吉田隼人騎手が予定されている。

◆ホープインザダーク(牡、父モーリス、母ラヴインザダーク、栗東・池江泰寿厩舎)

 おじに2012年日本ダービーを優勝したディープブリランテ(父ディープインパクト)がいる血統。ちなみに本馬のきょうだいはJRAで未勝利だが、父がモーリスは初めて。その産駒は今秋のスプリンターズSで初GI制覇を果たしている。

 8月25日にチャンピオンヒルズから栗東へ入厩し、9月3日にゲート試験を合格すると一旦放牧へ。10月2日に再入厩するとCWでの追い切りを開始して、その動きが目立ったのが14日。先週デビューしたアルファヒディを含めた3頭併せで、ゴール前は圧倒的な脚色で先着。あの動きが実戦でもできるようなら相当楽しみ。鞍上は武豊騎手が予定されている。

(取材・文:井内利彰)

2021/10/25 18:00

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