『最愛』ギャップが鍵に?吉高由里子&松下洸平 “一気に戻る”方言、落差に心掴まれる

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吉高由里子主演の金曜ドラマ『最愛』(TBS系、金曜よる10時~)。殺人事件の重要参考人となった若き女社長・真田梨央(吉高)、かつて梨央が思いを寄せていた事件を追う刑事・宮崎大輝(松下洸平)、そして梨央を守ろうとする弁護士・加瀬賢一郎(井浦新)を中心に描かれるサスペンスラブストーリーだ。



22日に放送された第2話、SNSでは大輝が不意に梨央を引き寄せ、梨央の持っていたシュークリームが大輝の洋服についてしまうシーンに「わたしも引き寄せられたい」「シュークリームで緊張がほぐれて方言で話すシーン最高」などとの反響が。さらに15年前の加瀬の姿に「純朴な従順感があっていい」「可愛すぎる」との声もあり、3人が見せるギャップも見どころとなっている。物語の要となるサスペンス部分の緊張感が高いほどそのギャップも際立っている。(以下、第2話ネタバレあり)



殺人事件の重要参考人と刑事として15年ぶりに再会した梨央(吉高由里子)と大輝(松下洸平)。再会であったはずなのに、梨央は「はじめまして」と挨拶し、大輝も刑事として接するのみ。お互いの真意を探るような事情聴取は、言葉だけではなく、わずかな動作や表情で2人の心理がわかる一瞬たりとも見逃せない演出が秀逸だった。

足を組んで話を聞く梨央は大輝の目を見ないし常に敬語。15年前の知っていることも知らないと言い放つ。大輝は固い表情で次々と質問していき、最後に康介(朝井大智)の遺留品から梨央に大輝が渡したお守りがあったとこを伝えると、梨央の指がわずかに動く。そこではじめて大輝を見ると顔を近づけ、「刑事さんはこれ、見覚えありませんか」とまさかの質問返し。虚をつかれた大輝は梨央からそれ以上の証言を引き出せず、梨央は挑戦的な笑みを浮かべていた。ここでは15年前の2人の面影はどこにもなかった。


しかし、その後の2人には15年前とそんなに変わっていないとわかる瞬間が見られた。

大輝は捜査資料を見て、梨央が新薬を開発していることを知る。梨央が病気の弟・優のためにちゃんと15年前の夢を追いかけているとわかり、ついつい笑顔に。声を出さないようにこらえる感じも子供のようでかわいい。一方の梨央も、加瀬との食事で苦手なにんじんを加瀬の差し出す皿に次々と入れたりと幼さを残していた。そんなふとした瞬間に現れる人間味が、サスペンス部分とのギャップでグッとくる。


食事のシーンは、加瀬が梨央からにんじんを当たり前のようにもらう様子からは、15年間で培われた絆が見えた。

梨央が上京した直後の食事では、加瀬は密かににんじんをよけていたところを目撃し、何にも言わずに微笑んでいた。そこから梨央が遠慮せずににんじんをあげるようになるまでに、加瀬はずっと梨央を支えてきたはずだ。その表情からは仕事だけではないものを感じさせる。梨央が好きなのだろうが、加瀬の人柄からくる優しさが見えて温かい気持ちになる。


加瀬は梨央が困っていればさりげなく助けるし、東京で生き抜くためには本音を不用意に見せないことと、説教がましくなく教えてくれる。そして「この家では私があなたを守ります」との宣言。はっとなる梨央に、「一応、(母親の)梓さんに言われたから」と明らかな言い訳をする加瀬。切れ者なのに不器用な感じも加瀬にひきつけられる理由だと思う。


一方、2007年の大輝。ここで刑事になった理由が明らかになった。

大輝と同じ陸上部員の長嶋(金井成大)が大麻所持で逮捕され、白山大学陸上部は1年間の活動休止。大輝は内定を取り消されていた。さらに長嶋の友人である康介に薬物を飲まされて襲われたという被害者が次々と現れた。大輝は梨央に告白した日、梨央の腕に傷があったことを思い出し、梨央も被害にあったのではないかと考えるように。その後、梨央との電話で警察官の試験を受けることを話した大輝だったが、梨央が微妙な顔をしていたことは知らない。警察官を目指したのは梨央のためだったはずだが、まさか梨央を追い詰めることになるとは思わなかったはずだ。


梨央は、大輝との電話の後から強くなる。それは大輝との決別だったのかもしれない。加瀬の助言もあって、ずっと意地悪をされていた兄の政信(奥野瑛太)を黙らせることに成功する。

公園で本を読んでいた加瀬は、梨央からメールで報告を受け、「やるじゃん」と独り言を。そんな言葉も使うのかというギャップ。しかも周りに人がいるためか、背伸びしながらうれしさを隠し切れない感じが少年っぽさを感じさせてかわいい。


梨央の東京での生活が軌道に乗る中、梨央が康介と会って意識を失っていたときの、さらなる衝撃の事実も明かされた。

冬に岐阜に帰った梨央は、優の携帯に保存された動画から、自分が意識を失っている間に康介から梨央を守ろうとして、優が刺してしまったことを知る。梨央と優は東京で一緒に暮らすことになったが、5年後に優が失踪したことも判明した。このことも、梨央が康介のことを隠し通すと決意を強めた一因だったはずだ。


しかし、運命は思わぬ形で狂う。


2021年。シュークリームを食べながら夜道を歩く梨央の後ろを車がつけていた。何となく気になりながらも歩いている梨央の腕を大輝が道の横から引っ張り、抱き寄せた。ここで宇多田ヒカルの主題歌『君に夢中』が。スローモーションで重なり合う2人の姿に主題歌のピアノのイントロが流れたのが印象的だった。


抱き寄せた瞬間、梨央のシュークリームは大輝の胸でつぶれることになり、大輝は思わず方言に。抱き寄せながらも顔が梨央をつけていた車のナンバーを刑事の顔でしっかり確認したあとに、方言が出てしまうというギャップ。そして梨央もつい方言で返してしまう。突然すぎてもはや初対面を装うことはできない。いたずらっぽい顔で「これって罪になるんかな。何罪?」。急激に昔に戻った2人。大輝は「できれば友達として話したい。秘密は守る」と話す。そのころ加瀬は梨央と大輝が会っていることを知り、動き出していた。梨央と「警察が来たら弁護士を通してくださいと言う」と約束したのに、嘘をつかれた加瀬が切ない。

2人の再会の一方で、康介の父親・渡辺昭殺害事件の当日、現場付近の防犯カメラに梨央が映っていたと判明する。


梨央には加瀬から、大輝には同僚の桑田(佐久間由衣)から電話がかかってくるが、それには2人とも出ない。しばらく見詰め合っていたが、梨央の「何から話す?」で物語は終わる。


第3話の予告では大輝が「ずっと何してるのか気になっていた」とのセリフが流れた。これから2人は何を話すのか。


『最愛』はギャップがカギとなる物語だ。ラブとサスペンスのギャップ。15年前と現在のギャップ。岐阜と東京のギャップ。落差が激しければ激しいほど切なくなる展開。垣間見る梨央や大輝、加瀬のふとした瞬間の素顔にギュっと心がつかまれる。ハラハラする展開を見守りがらも、ふとした瞬間の登場人物たちの素顔で切なくなりたいのだと思う。



■金曜ドラマ『最愛』
毎週金曜よる10:00~10:54

(C)TBS


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