「真夜中のクリームソーダ」の作り方、おとぎ話に出てきそう
ページをめくれば青のグラデーション。異国の空をドリンクにしたようなクリームソーダときらめくデザート。『空色の喫茶店Recipe』には、おとぎ話に出てきそうなレシピがギュッと詰まっています。著者はクリームソーダ職人であり、旅する喫茶の店主でもあるtsunekawaさん。
◆夢のクリームソーダが手作りできる
私は今まで、クリームソーダは緑色のソーダにバニラアイスとさくらんぼがのっているものだと、固く信じていました。しかし、本書のクリームソーダは空の色、海の色、夜の色、花の色と実にさまざま。作る人の心によって、緑色も青色も変幻自在になるのです。
喫茶店でいただくクリームソーダもいいけれど、とっておきのグラスを用意して、自分だけのために緑や青を調合した、唯一無二の手作りクリームソーダをいただいてみませんか。一口飲んで目をとじれば、あなたも異国へ旅立てるかもしれませんよ。
◆作ってみたくなる魅惑のドリンク
今日と明日の境界線、夜の12時って不思議な時間ですよね。まだ真夜中なのに、新しい何かがはじまりそうな予感。シンデレラの魔法がとけたのも12時ですが、魔法がとけなければ本当の幸せにはたどり着けませんでした。
そんな秘密の扉をあけてしまうような、魅惑のクリームソーダを本書から紹介しますね。
◆☆am00:00のクリームソーダ
材料(1杯分)
・濃紺色シロップ
青色シロップ 35ml
グレナデンシロップ 5ml
竹炭パウダー(食用) 0.05g
炭酸水 160ml
水 適量
バニラアイス 適量
ミント 適量
◆作り方
1 計量カップに濃紺色シロップの材料と炭酸水を入れ、そっと混ぜる。
2 グラスに氷を入れる。
3 1の炭酸水をそっと注ぐ。
4 バニラアイスをのせ、ミントを添える。
※竹炭パウダーはほんの少し入れるだけで深い夜の色味になります。竹炭パウダーなしで作りたい場合は、青色シロップとグレナデンシロップの量を調整し、お好みの深い青を作ってみてください。
どこまでも深く妖しげな夜に、淡い光を放つ月がぶらさがっている、そんな時間を形にしたようなクリームソーダです。仕事の悩みや誰にも言えない恋など、クリームソーダに閉じ込めて甘く味わってみませんか。
青色シロップを購入して、私も作ってみました。夜と一体化してしまうソーダの色と、月を思わせる乳白色のバニラアイスが実に絶妙! 青色シロップは1000円前後で、インターネットでも購入可能です。
◆超簡単、超可愛い、今すぐ作れるデザート
クリームソーダを手作りしたら、カラフルなデザートが食べたくなってきました。でもデザート作りって難しそう、そんな思い込みも本書が解決してくれました。
冷蔵庫にある材料でササッとできて超簡単、超可愛い。翌日のクリームソーダタイムにそなえて、作ってみませんか。
◆☆いちごのヨーグルトカッサータ
材料(16×7×高さ6㎝のパウンド型1台分)
プレーンヨーグルト 400g
A
グラニュー糖 80g
はちみつ 20g
レモン果汁 小さじ2
いちご 適量
ピスタチオ 適量
◆作り方
1 ボウルにキッチンペーパーを敷いたザルを重ね、ヨーグルトを流し入れる。
2 ラップをして冷蔵庫で一晩置き、約半量になるまで水切りする。
3 2の水切りヨーグルトにAを加えて混ぜ、型に流し入れる。
4 いちごをひと口大に切り、3の中央にバランスよく入れる。
5 冷蔵庫で半日ほど冷やし固める。
6 好みの厚さに切って器に盛り、ひと口大に切ったいちごと砕いたピスタチオをのせる。
口当たりもさわやかな、ヘルシーなデザートです。ヨーグルトのなめらかな甘さといちごの酸味、ソーダの心地いい刺激とバニラアイスのこっくりとした甘さ。いろんな「おいしい!」のせめぎ合い。クリームソーダに添えたら、お互いを引き立て合うコンビになりそうですよね。
本書に掲載されているクリームソーダ&デザートは37種類。季節感たっぷりの金木犀のクリームソーダや、イベント感満載のハロウィンのクリームソーダまで、私達の想像をはるかに超えるレシピに、ため息がとまらなくなりますよ。
―小説家・森美樹のブックレビュー―
<文/森美樹>
【森美樹】
1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)を上梓。Twitter:@morimikixxx