豚バラ肉のカロリーを劇的に減らせた!豚角煮のプロ級テク
お肉をガッツリ食べた満足感があって、お値段もリーズナブルな「豚バラ肉」。ジュワッと口に広がる旨味成分はもちろんのこと、コラーゲンなどの美容に良い成分がたっぷり含まれています。でも、気になってしまうのが、その華麗なるハイカロリーっぷり。
「太る肉」の代名詞として名を馳せる豚バラ様の脂身を、どうにか落とすことは出来ないのでしょうか? しかも美味しさはそのままで。
実は、豚バラ料理の中でも奇跡のメニューがありました。それは、丁寧な下処理を施した『豚角煮』。そこで今回は、余分な油脂を限りなくカットし、美味しさを凝縮させた本格角煮の作り方をご紹介。ちょっとした仕込みさえしてしまえば、後は簡単。専門店の味にも引けを取りません!
◆簡単仕込みだけで、アブラ54%、カロリー1034kcalもカット!
秘密は、前夜の「アブラ抜き」にありました。今回は、合計583gの豚バラ肉を使用し、固まって排出された油脂量を測定したところ、110gと衝撃の値が! これは、豚バラの脂質量から換算すると、アブラを54%カットできたことに。また、この油脂をラードのカロリーで換算すると、1034kcalダウンが実現。また、余分な脂と一緒に、雑味も除去することができるのです。
◆お酒だけはこだわりのものを使え
美味しさのポイントは、「良質なお酒」を使うこと。仕上がりも風味も格段に違ってきます。オススメは、香りがフルーティーなもの。私は、長野県諏訪市の地酒『真澄』を使っています。決まった正解はありませんから、お気に入りの銘柄探しを楽しみましょう!もちろん他の材料は普通で構いません。
◆美容度アップの秘訣はビタミンC
豚バラにたっぷり含まれるコラーゲンを効率良く吸収するために、ビタミンCを多く含む野菜を添えましょう。ネギは王道ですが、小松菜をたっぷり添えると、食べ過ぎも防げてバランスの良い角煮料理が完成します。
◆美味しくてヘルシー!絶品角煮の作り方
【材料4人分】
・豚バラ肉かたまり…2本(計600~800g)
・酒…2カップ
・水…2カップ程度
・ネギ…1本
・にんにく…2片
・ショウガ…厚切りスライス2枚
・ゆでたまご…4個
・小松菜…1/2束
・醤油…大さじ3
・砂糖…大さじ2
・みりん…大さじ2
【作り方】
◎前夜
(1)豚バラを水洗いし、軽く水気を拭き取り、7~8センチ長さに切り分ける。鍋に均等に入れ、ネギ1/2本(白髪ねぎにする根元部分を残す)、皮をむいたにんにく、ショウガを乗せて、酒と水を注ぐ。材料がしっかりかぶるくらいの高さが良い。
(2)火にかけ、沸騰してきたら火を弱める。アクがたくさん出てくるので丁寧に取る。フタをして弱火で1時間~2時間煮る。火を止めて自然放置し、粗熱が取れたら冷蔵庫へ
◆固まった油脂をスプーンで取り除くのがコツ
◎当日
(3)冷蔵庫から鍋を取り出す。水面にびっしりと油脂が固まっているので、スプーン等で取り除く。驚くほど綺麗に取り除ける。
(4)水量が足りない場合、豚バラの高さの6割になるまで水を足し、フタをして火にかける。砂糖とみりんを加えて20分弱火で煮込む。煮ている間に小松菜を塩ゆでし、ネギは白髪ねぎにする。
(5)続いて醤油を入れて10分煮込む。火を止めて、ゆで卵を入れて少し置く。深皿に豪快に盛り付ければ完成!からしを添えて召し上がれ!
角煮(野菜や卵は別)は密閉冷凍もできますから、たっぷり作っても安心。太ることを気にせず、疲労や肌荒れが気になる時には積極的に食べましょう!
<TEXT、PHOTO/スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12