子どもの朝食でおさえたい5つのポイント。品数や手作りかどうかは重要じゃない!

 朝から頑張る人に、敬意をこめて。

 子どもの朝ごはん。何を出したら良いのかわからない。という悩みをよく聞きます。

 育児や仕事、家事が忙しい現代人が朝一番から頑張るわけですから、どんな朝ごはんであっても、まずはその頑張る姿勢に敬意を払いたいと、私はいつも思います。毎日のことですから、本当に大変なんです!

 そんな気持ちをしっかり持ちながら、今回は、「みなさんが朝ごはん作りをする上で参考にしてもらえたらいいな」という思いをこめて、いろいろ考えてみました。

◆品数の多さや手作りかどうかは重要ではない

 実は私、食事の中で、朝ごはんこそが一番大事だと思っていて、Instagramでも我が家のリアルな子ども向け朝食を公開しています。

 品数が多いとか手作りかどうかは重要ではないと、私自身は考えます。

 それでは、いったいどんなことを意識すべきなのか、自戒もこめてまとめてみました。

◆①たんぱく質摂取を意識する

 朝ごはんと言えば、ごはんやパン、シリアルをイメージする人は多いでしょう。でもこれ、気がつくと炭水化物に偏りがちになるリスクが。もちろん炭水化物の糖質は、脳や身体を動かすための大事なエネルギー源となります。

 でも、それと同じくらい意識したいのが、筋肉を作るための「たんぱく質」。理想的な筋合成のためには、朝昼晩と均等にたんぱく質を摂取することも重要だと言われていますから、忙しい朝にはたんぱく質を手軽に摂取することを考えましょう。

 私のオススメは、卵料理や魚の練り物製品。また、最近では豆腐で汁物代わりになるようなユニークな商品も登場しています。

◆②レンジも良いけれど、トースターもかなり使える

 朝食作りをおいしく楽にするための武器としてオススメしたいのが、「トースター」。最近流行りの高級トースターではなく、1万円以下で買えるもので十分です。

 例えば、ソーセージを耐熱皿に乗せて焼いてみましょう。鍋やフライパンを洗わなくてOKですし、ぷりっとジューシーな仕上がりに感動するはずです。

 干物や肉もふっくら焼けますし、前日のフライも上手に温め直すことができます。トースターを“パンを焼くだけ”と思っていたらもったいないと思います。

◆③冷凍食品を否定しないでフル活用する

 冷凍食品も肯定的にどんどん活用すべきだと思います。お弁当食材として活用している人は多いでしょうが、朝ごはんのメニューを増やしたり、ちょっと豪華なアイテムで変化球を加えることができます。

 ちなみに私がもっともオススメなのが、「シュウマイ」。餃子と違ってニンニクが入っていないので、食べても気にならないですし、タンパク質も豊富です。

 最近の冷凍シュウマイは驚くほどのおいしさです。その他、冷凍パスタを家族で小分けして皿に添えたりすると、いつもよりもちょっと贅沢なプレート朝ごはんに。多くの製品が保存料や着色料も不使用なので、安心して使用できます。

◆④まだまだ進化中の「シリアル」のトレンドを食卓に

 栄養バランスを考えると、シリアルは優秀ですよね。最近ではオートミールの人気も追い風となり、バリエーションはますます増えています。

 シリアルの強みは、その手軽さ。特別な調理を必要としないので、子どもひとりで準備ができます。そうです、子どもが自分で朝ごはんを用意する習慣づくりも、実は大切なこと。

 黙っていても朝ごはんが出てくると考えることより、主体的に朝ごはんを考えられたら食育にもつながるでしょう。数種類ストックして、その日の気分で選ぶ楽しみを作っても良いですね。

◆⑤子どもの喜びを大切に

 子どもに朝ごはんから喜びを与えてあげることって、1日を健やかに過ごすスイッチにもなりえます。

 子どもにとって朝食の時間が好きなひとときになることで、早寝早起きを作るきっかけにもなりますから、朝ごはんにこそ子どもの大好物を出してあげるのも良いと思います。

 例えば我が家ではお祭りメニューでおなじみの「チョコバナナ」が大人気。これを朝ごはんに出しても、野菜嫌いや偏食にはまったくなっていません。休日の朝ごはんに、親子で一緒に好きなものを作るのも心身の充実につながるでしょう。

 朝ごはんに、喜びを。子どもたちにとって朝食は、1日をパワフルにしてくれる大切な存在です。パパやママの気持ちも家族で大切にしながら、少しでも楽しく素敵な時間になりますように……。

<文・写真/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】

食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

2021/10/23 15:46

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