【菊花賞】GI馬不在なのは“異例”なのではなく“異色”だから?/矢野吉彦

【矢野吉彦=コラム「競馬最前線」】

◆今年も春2冠不出走の上がり馬が勝つ可能性も

 ハッキリ言って、“プレレーティング馬券作戦”はおもしろくないですね。

 先週も書いたとおり、秋のGIに出てくる馬でレーティングの数字が高くなるのは、春のGI好走馬。それを元に馬券を買おうとすると、私には似合わない堅い馬券ばかりになってしまいます。

 ちなみに今週の菊花賞は、117のステラヴェローチェがトップで、2位は114のタイトルホルダーとレッドジェネシス。改めて言うまでもなく、1位馬から2位タイ馬2頭へのワイドを買っても、あんまりおもしろくないでしょう?

 そんなの当たり前じゃないか、という声が聞こえてきそうですが、とにもかくにも、この作戦は取りやめさせていただきます。

 じゃあ、どういう馬券を買うか?それは最後にご披露するとして、今回の菊花賞は、皐月賞馬のエフフォーリアもダービー馬のシャフリヤールも不在。知り合いの競馬記者の方がブログで指摘していたように、「2頭は元気なのに」、“別路線”へ行っちゃいました。

 距離適性を考えての選択でしょうが、菊花賞よりも勝てば“価値”の上がるレースがある、ということを物語っているのかもしれません。言い換えれば、2頭が別路線へ行ったことが“異例”なのではなく、菊花賞が“異色”ってことですかね。

 確かに、ここ10年の菊花賞では、「皐月賞&ダービー不出走、6月末時点で2勝以下」という馬が4頭も優勝しています(2019年ワールドプレミア、18年フィエールマン、17年キセキ、14年トーホウジャッカル)。

 これは、デビューしたらダービーを目指す、というレース体系が整えられてきた中で、かなり“異色”の結果と言えるでしょう。今年も、上記4頭のような馬が勝つ可能性は大いにあると思うのですが…。

 一方、同じ10年の間で見ると、ダービー敗戦→神戸新聞杯1着で菊花賞優勝というパターンの馬が3頭(2016年サトノダイヤモンド、13年エピファネイア、12年ゴールドシップ)、同→セントライト記念1着→菊花賞優勝の馬が1頭(15年キタサンブラック)いました。今年はまさにステラヴェローチェがこのタイプ。人気に推されるのは当然でしょうね。

 さて、そろそろどういう馬券を買うか、決めなくちゃ。穴馬券好きの私としては、皐月賞&ダービー不出走の上がり馬を買いたいところ。上に挙げた4頭は前走が神戸新聞杯またはラジオNIKKEI賞で2、3着していたので、モンテディオが当てはまります。勝つまではどうかと思うので複勝を多めにして、ちょっとだけ単勝を買ってみましょうか。

 でもねぇ、今回の菊花賞は阪神開催で、神戸新聞杯は不良の中京で行われました。過去を参考にしても当たらないんじゃないかと…。なので、中1週ながら、メンバー中唯一、前走が阪神のレースだったヴェローチェオロの複勝も買っておきます。煮え切らない結論ですが、そのへんはご容赦のほどを!

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2021/10/23 12:00

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